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2016/04/19

マイケル・ジャクスンはモータウン時代の方がいいよ

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ジャクスン5以外のマイケル・ジャクスンを初めて聴いたのは、大学生の頃に買った『オフ・ザ・ウォール』と『スリラー』で、というのは正確に言えば間違いで、MTVで流れるなにかのプロモーション・ヴィデオだったように思う。それで興味を持ってその二枚のLPアルバムを買った。

「ジャクスン5以外の」と言っても、ジャクスン5だってレコードを買っていたわけではない。彼らの「ABC」とか「アイル・ビー・ゼア」とか「アイ・ウォント・ユー・バック」などの超有名曲をなんとなく聴き憶えていただけで、多分テレビかラジオから流れてくるのを聴いていただけだろう。

ある世代以上のファンにはマイケル・ジャクスンはジャクスン5のイメージが強いらしい。僕の世代だとそのイメージは全くない。アナログ盤では一枚も聴いておらず、CDで少し買っているだけ。マイケル在籍時だけのジャクスン5の全集があればいいのに。ジャクスン5全体の全集ならあるみたいだけど、それはちょっとなあ。

ジャクスン5から独立後のソロ時代だって、モータウン時代に関しては僕は完全に後追いで、リアルタイムではエピック移籍後のマイケルしか知らず、書いたように『オフ・ザ・ウォール』と『スリラー』が最初に買ったレコードだった。これらがリリースされた当時は大変なマイケル・ブームだった。

特に『スリラー』だよねえ。これが大ヒットしたのはやはりMTVの影響が大きいんだろう。物語というかショート・ムーヴィー的な作りのタイトル曲のプロモーション・ヴィデオなんか見ない日がなかったくらいバンバン流れていたし、「ビート・イット」や「ビリー・ジーン」のPVだってそうだった。

僕はクインシー・ジョーンズ・ファンなんだけど、『オフ・ザ・ウォール』と『スリラー』(これ以後は聴いていないから)は彼のプロデュースだったというのも好きになった大きな理由だった。そしてこれ以後マイケルは<キング・オヴ・ポップ>となって大きすぎる存在になった。

大学生の頃は本当に繰返し聴いた『オフ・ザ・ウォール』と『スリラー』の二枚。CDでも買い直していて、現行CDではデモ・テイクとか、クインシーやこの二作で大きな役割を果しているロッド・テンパートンの二人のインタヴューとかも収録されているんだけど、聴き返すことは全くなくなった。

現在マイケルでよく聴くのはもっぱらモータウン時代だ。もうジャクスン5時代とモータウン時代のソロ・アルバムしか聴かない。今ではそれらこそマイケルの一番よかったものだと心の底から信じるようになった。ジャクスン5時代も最高だけど、個人的にはモータウン時代のソロ作品がいいなあ。

アナログは一枚も持っていなかったモータウン時代のマイケルのソロ・アルバム。モータウン音源のリイシューを手がけるHip-Oから2009年に『ハロー・ワールド:ザ・モータウン・ソロ・コレクション』という三枚組全集が出たので、それで一気にアルバムもシングル盤音源も揃って聴きやすくなった。

その『ハロー・ワールド』三枚組は現在の僕にとってはもう宝石のようなもので、最高の愛聴盤なのだ。本当にチャーミングだよねえ。独立後のマイケルに関して商業的に大成功したのはエピック移籍後だけど、その時代よりモータウン時代の方が好きだというファンは実は結構いるらしい。

パソコン通信時代に参加していた音楽フォーラムのシスオペ(運営管理者)だったえねまさん(の前々任者が萩原健太さんだった)もマイケル・ジャクスンはモータウン時代が一番いい、特に『ベン』が最高だとことあるごとに発言していた。20年ほど前の話だ。現在の僕も、曲単位だと「ベン」が一番いいように思う。
アルバム『ベン』の一曲目のタイトル・ナンバーであるこの「ベン」。アクースティック・ギターもいい響きだし、流麗なストリングスに乗って歌うマイケルの歌も伸び伸びしていて魅力的だ。曲自体が素晴しいよね。このアルバムにはテンプテイションズの「マイ・ガール」のカヴァーもあってそれもいい。
ただ個人的には、ソロ二作目の『ベン』よりも、ビル・ウィザーズの「エイント・ノー・サンシャイン」カヴァーではじまる一作目の『ガット・トゥ・ビー・ゼア』の方が好きなのだ。全体的に曲も粒揃いだしアレンジもいいしマイケルの歌もキラキラと輝いている。アルバム・ジャケットも大好き。

『ガット・トゥ・ビー・ゼア』にはラストにキャロル・キングのオリジナル曲「ユーヴ・ガッタ・ア・フレンド」のカヴァーも入っていて、これがまた最高なんだよねえ。この曲のカヴァー・ヴァージョンではダニー・ハサウェイのライヴ・ヴァージョンと並び僕が一番好きなものだ。こんな声で「困ってるんならすぐ行くよ」とか言われたらそりゃもう・・・。
エピック移籍後はオリジナル曲しか歌わないマイケルだけど、モータウン時代のソロ・アルバムには結構カヴァー曲がある。既に書いた「マイ・ガール」「エイント・ノー・サンシャイン」「ユーヴ・ガッタ・ア・フレンド」だけでなく「ユー・リアリー・ガット・ア・ホールド・オン・ミー」もある。

やや意外なところではジャズメンがよく取りあげるスタンダードの「オール・ザ・シングス・ユー・アー」もモータウン時代には歌っている。ちょっとアレンジが大袈裟で個人的にはあまり好みではないけれど。要するにモータウン時代のマイケルはソウル寄りのポップ歌手だったのがイイ。

モータウン時代は伴奏のアレンジがデジタルな電子楽器のない完全に生楽器と電気楽器だけなのも個人的にはポイントが高い。僕はシンセサイザーや打込みなどの電子サウンドにはなんの抵抗もなく、そういう音で好きなものもたくさんあるんだけど、どうも最近はちょっと趣味が変ってきているかも。

あとマイケル自身のヴォーカルもエピック移籍後はやや人工的な感触があって、実際スタジオで録音後に加工しているんじゃないかと思うくらいで、別にそれはある時期以後いろんな歌手で当り前のことになってはきてはいるけれど、僕の耳が古いせいなのかモータウン時代の方がナチュラルに聞えるんだなあ。

ステージ・パフォーマーとしては、これはもう誰がどう見てもエピック移籍後の方がマイケルは凄みを増している。そういうヴィデオも(ブカレストでのライヴだっけなあ?)かつてはよく観ていたし、今でも観たら観たで素晴しいと思う。エピック移籍後のマイケルはいちシンガーではなくトータル・パフォーマーとして評価すべきなんだろう。

しかし聞えてくる「音」でしか判断できない僕みたいな音楽リスナーには、そういうのはちょっとピンと来ないような部分が少しあるのも確かなことなのだ。そして現在残っていて聴ける「音」だけで判断したら、僕にはモータウン時代の方が圧倒的にマイケルは素晴しく響くというのが個人的真実。

ところで音楽の真実にあまり関係ないことだろうけど、ジャクスン5にしろソロ時代にしろモータウン時代のマイケルの音源では、伴奏の楽器奏者のクレジットが殆ど書いてない。ジャクスン5の一部の曲では去年亡くなったウィントン・フェルダーがベースを弾いていたりするらしいのだが。

例えば「アイ・ウォント・ユー・バック」。この曲ではエレベが目立っていてしかもファンキーでかなりカッコイイので、昔から誰が弾いているんだろうと思っていたんだけど、これが実はウィントン・フェルダーだということを、去年彼が亡くなった時に話題になっていたので初めて知ったのだ。

なお現在僕が一番よく聴くマイケル・ジャクスンは前述の『ハロー・ワールド』三枚組ではなく『メロウ・マイケル』という二曲だけジャクスン5ものを含むモータウン時代の一枚物コンピレイション盤。タイトルに反し結構アッパーな曲もある。三枚組完全集は大きくて聴きにくいし値段も高いしちょっとねえという方には格好のオススメ盤!

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