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2017/01/25

Nothing Compares 2 U, Prince!

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あぁ、プリンス(の話ばかり書いて申し訳ないが、いまごろになってプリンス・ロスの大波が…)の『ワン・ナイト・アローン...ライヴ!』って、どうしてこんなに楽しいんだろうか?すんげえキモチエエ〜〜!この2002年リリースの三枚組は、プリンスの生涯唯一の公式ライヴ・アルバムだ。

もう一つ、プリンスの公式ライヴ盤は2007年の『インディゴ・ナイツ』があるんだが、あれは正確には書籍であって、あくまでそれの附属品として CD もオマケみたいに入っているだけだ。僕はその CD だけほしい気持だったけれど、それがどうしても不可能なもんだから、泣く泣くあの大部の本を買った。

届いた本の梱包を開封すると、真っ先に附属品の CD を探し見つけて、それだけ外して CD ケースに入れて、CD ラックのプリンスの場所に並べてある。書籍本体の方は一度もめくらず部屋の片隅で眠っているまま。ということを、松山市在住の熱狂的プリンス・マニアの女性(の話もよく出すが)に言うと、「めくれ、めくれ、きっと素敵だぞ」と返事があったが、僕はあくまでプリンスの音楽だけを激しく愛しているのであって、別に彼のお尻とかには興味ないわけだからさ。いや、お尻の写真が載っているのかどうか、めくってないから知らないが。

まあそんなわけで音楽作品単独でリリースされているものとしては、プリンス唯一の公式ライヴ盤『ワン・ナイト・アローン...ライヴ!』。これがもう最高なんだよね。数多い(というほどでもないが、実は)彼の全作品中、僕が最も頻繁に普段から聴くプリンスがこれだ。

そのうち三枚目の『アフターショウ:イット・エイント・オーヴァー』については、以前一度詳しく書いたので、今日は省略。そちらをお読みいただきたい。書いてあるけれど、この三枚目こそが長いあいだ僕の最愛プリンス・ファンクだった。
プリンスの本質はファンカーだと思っている僕なのでそういう嗜好になってしまうんだけれど、プリンスが亡くなってしばらく、そうだなあ数ヶ月間かなあ、音楽は彼の CD しか聴いていないんじゃないかとすら思える時期が続いて、そのあいだに『ワン・ナイト・アローン...ライヴ!』もメイン・アクト二枚の方が楽しいかもしれないと感じるようになった。

それで繰り返しメイン・アクト二枚を聴いていると快感が持続して、その快感は三枚目の『アフターショウ:イット・エイント・オーヴァー』で得られるような種類のものとは違って、もっとポップで明快で分りやすいものなんだよね。どうしてそれに長いあいだ気が付かなかったのか、僕の不明を恥じるばかりだ。

『ワン・ナイト・アローン...ライヴ!』メイン・アクト二枚は、しかしかなり宗教的な色彩も濃い。音楽化している宗教なら何教であろうと大好きな僕なんだけど、というかだいたいどんな場合でも宗教と音楽は切り離せないものだけど、『ワン・ナイト・アローン...ライヴ!』の場合は、あの時期のプリンスのエホバの証人への傾倒がそのまま出ている。

つまり先立つ『ワン・ナイト・アローン...』のライヴ版じゃなくて、『ザ・レインボウ・チルドレン』のライヴ版みたいな感じだ。メイン・アクト二枚の各所で、あまり強く音楽と結びついていないような感じで、宗教的メッセージをよく喋っている。一番ひどいのがラストの「アナ・ステシア」だ。

あの「アナ・ステシア」のオリジナルである『ラヴセクシー』ヴァージョンには、もちろんそんなのはない。ところが『ワン・ナイト・アローン...ライヴ!』ヴァージョンでは、本演奏が終わった後半部でパッとリズムの感じがチェンジしたかと思うと、プリンスが「お前たちは神を信じているか」「神に畏敬の念を抱いているか」などなど、延々数分間喋り続け、そのままメイン・アクトの幕引きとなってしまう。

その喋りは、キリスト教会内の牧師の説教にあるような、現在のラップとかライムの元祖みたいに韻を踏みながらリズミカルでメロディアスにやるとか、そんなもんじゃなくて、プリンスがただ普通に抹香臭いようなお話をしているようなものでしかないもんなあ。あれはなくてもよかったような気がしてしまう。

そんな部分が「アナ・ステシア」だけじゃなく、『ワン・ナイト・アローン...ライヴ!』メイン・アクト二枚のいろんなところに顔を出すのだが、しかしそれを無視して音楽作品として聴けば、こんなに楽しいプリンスもなかなかないんだなあ。僕が大のライヴ・アルバム好き人間であるせいもある。普段は一人多重録音の密室作業で音を創り上げる場合が多いプリンスの楽曲を、生の人力バンドがやっているその生のグルーヴ感も強く感じられる。

『ワン・ナイト・アローン...ライヴ!』メイン・アクト二枚。僕は断然二枚目の方が好きで、おそらく誰が聴いても二枚目の方が興奮できる、盛り上がるものに違いない。二枚目一曲目の「ファミリー・ネーム」が終わって、続く「テイク・ミー・ウィズ・U」〜「ラズベリー・ベレー」〜「エヴァーラスティング・ラヴ」の三曲メドレーになだれ込んでからは、僕はもう興奮のるつぼで、男のアソコがいけないことになってしまう。

「テイク・ミー・ウィズ・U」と「ラズベリー・ベレー」は古い曲で、まあヒット・パレードみたいなもんだけど、ほぼどんな音楽家だってライヴならやるのが当たり前だし、昔、ハードでシビアなジャズ・ファンだった頃は、そんなもんケッ!とか思っていた僕も、今はそんな気分は完全に抜けた。

だって聴いていて楽しいことこの上ないもんね、こんなお馴染のメロディをライヴで生バンドで再演するのはね。ただまあプリンスも若い頃に初演した曲なので、2002年のこのライヴでは旋律の高音部が若干苦しそう。ハイ・ノート・ヒットができずに、消え入るようにその部分だけ歌わず、女性サイド・シンガー(誰?)に任せていたりする。

ただ歌い廻しの非常に細かい部分のテクニック、精細な表現力はかなり向上しているのが聴き取れる。「テイク・ミー・ウィズ・U」でもそうだけど、特に「ラズベリー・ベレー」の歌い出し、「My boss was Mr. McGee」と歌う部分の微妙な節回しなんか絶品だよな。オリジナルである1985年の『アラウンド・ザ・ワールド・イン・ア・デイ』ヴァージョンから既に同じではあるけれど、『ワン・ナイト・アローン...ライヴ!』ヴァージョンの方がもっと細やか。高音部は出ないけれど。

しかも歌いながらプリンスが自分で弾いているエレキ・ギターのカッティングも実に巧い。気持いいもんねえ。エレキ・ギターといえば、これは以前もプリンスのラテン関連で書いたけれど、「テイク・ミー・ウィズ・U」「ラズベリー・ベレー」に続くメドレー三曲目の「エヴァーラスティング・ラヴ」。これがラテン・ファンク・ナンバーに仕上がっていて、最高だ。

その「エヴァーラスティング・ラヴ」の中間部では、プリンスのギター、レナート・ネトのピアノ、グレッグ・ボイヤーのトロンボーン、キャンディ・ダルファーのアルト・サックスの順で、ラテンなアド・リブ・ソロ廻しをやるパートがあり、しかもそのソロ廻しの最後で全員一丸となって演奏するキメのリフがある。カッコイイなんてもんじゃないぞ。

あのラテンなソロ廻しに続きキメのリフが演奏されるさなかに、僕はもう完全に昇天なんだよね。僕にとっては、これら「テイク・ミー・ウィズ・U」〜「ラズベリー・ベレー」〜「エヴァーラスティング・ラヴ」三曲メドレーと、三曲目のラテン・ソロ、最後のキメのリフ、そここそが『ワン・ナイト・アローン...ライヴ!』のエクスタシーなんだよね。

聴いていると、どうやら「エヴァーラスティング・ラヴ」はメイン・アクトのラスト・ナンバーという位置付けなんだろう。そこからあとはアンコールみたいな感じかなあ。といってもそっちの方が長いんだけどね。まずプリンス一人のピアノ弾き語りで七曲やって、そこは僕にはイマイチだけど、続く八曲目がお馴染の名曲「ナッシング・コンペアーズ・2・U」になる。そこからはバック・バンド入り。

その「ナッシング・コンペアーズ・2・U」でのキャンディー・ダルファーのアルト・サックス・ソロが泣けちゃうんだなあ。あのオランダ出身のキャンディ・ダルファーってセクシー美女だし、サックスも上手いし、文句なしじゃん。ちょっと一回チュ〜したい(←アホ)。

チュ〜は不可能だが、あの「ナッシング・コンペアーズ・2・U」でのアルト・サックス・ソロが素晴らしくて聴き惚れちゃうよ。シネイド・オコナーのオリジナル・ヴァージョンや、プリンス自身によるものであれば三枚組ベスト盤『ザ・ヒッツ/B・サイズ』の一枚目に収録されている、やはりライヴ・ヴァージョン(1990年代初頭?)よりも、はるかに感動的で涙腺崩壊。

「ナッシング・コンペアーズ・2・U」は、失った恋人を想う歌で「君以上の存在なんてどこにもないよ」(それくらい君のことが大事で忘れられないよ)というものだけど、そう歌っているプリンス本人を失ってしまった僕たちにとっては、この歌詞はまさに今の僕たちの気持を、失った当人に代弁してもらっているかのようで、こう書いているあいだにも涙が出てきちゃった。

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