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2017/05/23

トーキョーのできごと 〜 サンタナと渡辺貞夫

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まずはとにかくこれを聴いていただきたい。
以前、サンタナ・バンドに渡辺貞夫さんが飛び入りゲストとして参加・共演した時のライヴ録音の話を書いた。
一昨年11月かぁ。まあ最近だ。このリンク先をご一読いただければ分るのだが、このサンタナ・バンドに貞夫さんが参加・共演したものを FM 東京の番組『渡辺貞夫マイ・ディア・ライフ』が放送してくれて、当時松山で大学生だった僕は FM 愛媛で流れるそれをエアチェック(だいたい毎週録音していたような気がする)。その後長らく大の愛聴盤(「盤」ではないな、「巻」?)になっていたのだが、カセットテープ再録機器が故障して使えなくなって以来、機器を買い換えもせずそのままになっていたのだった。

ただ本当に繰返し繰返し聴いたので、鮮明な音の記憶が残っていて脳内再生はできていたのだが、それだからより一層悔しい思いをしていた僕。どうしてもっと早くデジタル音源化していなかったのか、それだけが自分でも理解できないが、以前も書いたように僕はまあまあ古いマシンである PowerBook2400をかなり長い間、21世紀に入って数年経過するまで引っ張っていて、それは音楽を聴いたりなにかしたりは全くできないものだったのだ。

しかしカセットテープでしか持っていない音源は、ある時期に全部 MD(死語だろうか?ミュージック・ディスクのこと)にダビングしてあったので、MD で楽しんではいた。新しい Mac を買って音源操作も可能になったので、それらの MD からデジタライズしたのが、どうしてもっと早くやらなかったのか分らないが、ほんの三年ほど前なのだ。そして、これをやろうと思い立った約三年前、部屋中のどこをどう探してもサンタナ&貞夫さんの MD がないじゃないか!

東京時代はあんなに楽しんでいたのに。愛媛に引っ越してくる際になにかの不手際があったんだろう。モ〜〜涙が出るほど悔しくて、しかしそれでも脳内再生だけはできるサンタナ+貞夫さんの共演ライヴ。その脳内再生を頼りにして上でリンクを貼った2015年11月付のブログ記事の元になった文章を書いた。別になにも期待せず。すると、その記事のコメント欄を見ればお分りのように、約五ヶ月後にある方が「音源持ってますよ。」とおっしゃってくださった。もちろんなんの躊躇もなくホイホイ飛びついた僕。

詳しいことはおおやけには書けないが、とにかくそんなわけでいま僕の手許にはそれがある。送ってくださった CD-R を iTunes にインポートもした。ギターがカルロス・サンタナでアルト・サックスが貞夫さんであることと演奏曲名以外の情報が全く記憶にないのでネット検索しまくったら出てきたのが以下のページ。いやあ、丁寧で優しい人がいるんもんだよなあ。
これをご覧いただければ分るものだが、サンタナと貞夫さんの共演は、サンタナが来日公演を行った1983年7月16日の日本武道館。共演曲は順に「ネシャブールのできごと」「アクア・マリン」「トライ・ジャー・ラヴ」「スターダスト」。パーソネルは以下。

渡辺貞夫 - alto sax (special guest)
Carlos Santana - guitar
Greg Walker - vocals
Tom Coster - keyboards
Chester Thompson - keyboards
Keith Jones - bass
Graham Lear - drums
Orestes Vilat- percussions
Raul Rekow - percussions
Armando Peraza - percussions

共演四曲のなかで、今日一番上でご紹介した一曲目の「ネシャブールのできごと」こそがハイライトに間違いない。四曲のなかでは他の三曲と比べ演奏時間が圧倒的に長く17分以上もある。サンタナの1973年来日公演盤である『ロータス』ヴァージョンでもそんなに長くないもんね。しかもこのバンドのこの曲の演奏でサックス奏者がソロを吹くものって、他にあるのかなあ?

1983年7月16日、日本武道館での「ネシャブールのできごと」は、FM 放送(とそれを録音したもの)では、僕のいまだ鮮明な記憶によれば、この曲の前にお馴染「オイェ・コモ・バ」を賑やかにやっていて、それに番組司会者の小林克也のナレイションがかぶさり、そのしゃべりは「オイェ・コモ・バ」が終わった瞬間になくなって、カルロス・サンタナがステージで語りはじめる。

こういった部分は、ある方が送ってくださった CD-R には入っていなかったので確認できないが、記憶では「ここでスペシャル・ゲストを迎えます」「僕の親しい友人です」「その方が活躍しているのは日本ばかりでなく、世界中で…」と(英語で)、その「all over the world」を言い終えるか終えないかの瞬時に客席から「そうだ!」との声が(英語で) あがるので、カルロス・サンタナは慌てて、即「大きな拍手を!サダオ・ワタナベ!」と叫ぶ。う〜ん、この部分もやはりもう一回聴きたかったが…。

それで曲紹介をカルロス・サンタナがやって、しかしそれが一番上で貼った音源でもお分りのように「Incident At Neshabur」ではなく「Incident In Neshabur」になっているよね。この程度の前置詞の違いなら同じようなものではあるけれど。演奏本体をお聴きになれば分るように、この日の「ネシャブールのできごと」は三部構成。もう一回貼っておこうっと。
サンタナ1970年の『アブラクサス』収録のオリジナル・ヴァージョンは、二部構成なのか三部構成なのか判断が難しい。ラテン・リズムの賑やかなパートではじまって、そこでは打楽器全開。グレッグ・ローリーがオルガン・ソロを弾いたあと、カルロス・サンタナのギター・ソロになる。2:37 からのブリッジ部分を経て、2:53 からバラード調の静かな演奏になる。そしてそのくつろいだような感じのスタティック・パート中盤でリズムが快活なのかなと思える部分もちょっとだけあって(3:43〜4:17)、そこではグレッグ・ローリのピアノがソロを弾くが、またすぐに静かに戻って完全終了。だからやっぱり三部構成か。
でもその三つ目のパートは短くて、まるで静的な2パート目にサンドイッチされているちょっとしたアクセントの変化みたいな感じで本格展開はしていないので、僕としては、『アブラクサス』の「ネシャブールのできごと」は二部構成なのだと言いたい。ところがその後のライヴ・ヴァージョンでは、オリジナルの約五分間という演奏時間がどんどん長くなって、例えば僕の持つ唯一のサンタナのライヴ盤『ロータス』では、アルバム・ラストの約16分間。
その他 YouTube を探せばいっぱいいろんなヴァージョンが出てきそうなサンタナ・ライヴでの「ネシャブールのできごと」。ご紹介した『ロータス』ヴァージョンでお分りのように、三部構成がクッキリしている。『アブラクサス』ヴァージョンで聴けた3パート目が拡大されて、サンバ風の賑やか演奏が長く続き、終幕で再び静かになってフィニッシュというような具合。

この三部展開が1983年7月16日のサンタナ&貞夫さん共演ヴァージョンの「ネシャブールのできごと」でも踏襲されている。最初に少し弾くオルガン・ソロがトム・コスターなのかチェスター・トンプスンなのか僕には判断できないが、カルロス・サンタナのフックをきっかけに貞夫さんのアルト・サックス・ソロになる。その次がカルロス・サンタナのギター・ソロ(やはり「マイ・フェイヴァリット・シングズ」を引用)。

5:55 で従来通り静かな2パート目に入り、カルロス・サンタナがちょっと弾いたあと、やはり貞夫さんのアルト・ソロ。この2パート目のリズムや曲想は、1970年代から貞夫さんの得意とするものだから、1パート目のソロよりも充実して活き活きとした内容に僕には聴こえるなあ。貞夫さんだけじゃなくサンタナ・バンド全体の演奏がジャジー。同じパートで続いてピアノ・ソロになるが、これもどっちが弾いているんだろう?ピアノ・ソロ部分ではテンポがぼぼ止まりかけている。

なと思って聴いていると、ほんの数秒でこのピアニストが快活なフレーズを弾きはじめ、11:14 からバンド全体もかなり賑やかなサンバ風の演奏にチェンジして3パート目に入る。やはり貞夫さんのアルト・ソロ。この3パート目でのソロも伸び伸びとした素晴らしい内容。だって貞夫さん得意中の得意であるブラジル音楽風だもんね。三人いるパーカッショニストも活躍し、マジで楽しいったらないよね。

その後再びピアノ・ソロになっているが、この3パート目のピアノ・ソロがかなりいい内容だ。どっちななんだろう?トム・コスターかなあ?っていう気がするけれど、自信ゼロだ。陽気なサンバ風ピアノ・ソロが終ると、やはりオリジナルとその後のライヴでの従来路線通り静かな雰囲気に戻ってカルロス・サンタナが弾き、この「トーキョーのできごと」の締めくくり。こんなにもドラマティックなヴァージョンは、僕は他に聴いたことがないよ。

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