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2017/08/19

岩佐美咲ベスト・セレクション by としま

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なんについて書くときでも僕の文章は肩に力が入りすぎで、いわばオーティス・レディング・タイプの熱唱型(えっ?たとえがあまりにもだいそれているって?)。強く大きく声を張り、グリグリとコブシをこねくり廻しまくり、メリスマを限度いっぱいまで効かせて、たっぷりすぎなヴィブラート。『妖怪人間ベム』の真似して言えば、「はやくテレサ・テンになりた〜い」!

岩佐美咲もまた、パティ・ペイジや鄧麗君タイプの自然体歌唱法を身につけている天才歌手。だからそんな人についてそのナチュラルな感性と魅力を伝えようとするならば、書き手の僕もスムースな筆致じゅなきゃいけないだろうと思うにもかかわらず、そんな書き方がなかなかできない人間なので、まあいつもどおりやるしかないね。こんな僕の文章で、はたして岩佐美咲の魅力が伝わっているのだろうか?という強い疑問はおいておく。

今日は僕がふだん最も頻繁に、まあはっきり言えば文字どおり毎日聴いている岩佐美咲の iTunes プレイリストを公開したい。オリジナル楽曲・カヴァー楽曲あわせ全16曲で計1時間5分。あくまで僕の好みで抜き出したセレクションだから、ほかの方々の参考にはならないと思うけれど、それでも岩佐美咲を聴こうかどうしようかと入り口に立って迷っていらっしゃる方々にだけはちょっとした参考程度にはなるかも。熱心な岩佐美咲ファンのみなさんは笑い飛ばしてください。

さて、岩佐美咲の音源は、いままでの各種 CD と二枚の DVD で全部のはず。二枚の DVD『岩佐美咲ファーストコンサート〜無人駅から新たなる出発の刻』『岩佐美咲コンサート〜熱唱!時代を結ぶ 演歌への道〜』でかなりたくさんいろいろ聴けるのだが、DVD 音源は一曲単位で抜き出しにくいんだよね。この曲をと一つ再生だけするなら簡単だが、取り出して、ほかのもの、CD 音源に混ぜて並べたりするのは、ちょっと苦労する。不可能でないが、手間がかなりちょっとね。だから!なんども言っているように同じ音源を CD でもリリースしてくれ!

岩佐美咲にかぎらず、僕はどんな音楽家についてもこういうマイ・ベスト的コンピレイションを実によく作る人間なんだよね。ところがかなり面白いものが DVD にしかなかったりする岩佐の場合、ここだけがちょっとその〜…。だから!CD を!まあそんなわけで DVD をリッピングして、それをオーディオ・エディターで一曲単位にトラックを切り分けて、改めて iTunes に読み込ませる…、というめんどくさいことをやっていない現在、僕の岩佐美咲マイ・ベスト・セレクションは CD 音源だけから作成してある。

以下、それを記しておこう。

1. 無人駅(シングル盤、アルバム『美咲めぐり ~第1章~』)
2. もしも私が空に住んでいたら(シングル盤、アルバム『美咲めぐり ~第1章~』)
3. 鞆の浦慕情(シングル盤、アルバム『美咲めぐり ~第1章~』)
4. 初酒(シングル盤、アルバム『美咲めぐり ~第1章~』)
5. ごめんね東京(シングル盤、アルバム『美咲めぐり ~第1章~』)
6. 鯖街道(シングル盤、アルバム『美咲めぐり ~第1章~』)
7. 越冬つばめ(アルバム『リクエスト・カバーズ』)
8. 北の螢(アルバム『美咲めぐり ~第1章~』)
9. なみだの桟橋(アルバム『美咲めぐり ~第1章~』)
10. 石狩挽歌(シングル「鯖街道」通常盤)
11. つぐない(アルバム『リクエスト・カバーズ』)
12. ブルーライト・ヨコハマ(アルバム『リクエスト・カバーズ』)
13. ラヴ・イズ・オーヴァー(アルバム『リクエスト・カバーズ』)
14. 20歳のめぐり逢い(シングル「初酒」生産限定盤)
15. 涙そうそう(アコースティック・バージョン)(アルバム『美咲めぐり ~第1章~』初回限定盤)
16. なごり雪(アコースティック・バージョン)(シングル「鯖街道」通常盤)

以上、どうでしょう?1〜6は岩佐美咲のオリジナル楽曲すべてをリリース順に並べてある。カヴァー曲とあわせなんどもなんども聴くうちに、最初はカヴァー・ソングのほうがいいよなあ、そりゃやっぱりもとの楽曲の出来が違うんだから…と考えていた僕だけど、最近はどうやらオリジナル楽曲でのほうが岩佐のチャーミングさがよりよく表現されているんじゃないかと考えるようになりはじめている。

7以後は、みなさんお馴染の有名曲のカヴァーだけど、最初に「越冬つばめ」(森昌子)を持ってきているのは、オリジナル楽曲篇とカヴァー・ソング篇との境目にピッタリだと思うからなんだよね。あの出だしのアクースティック・ギターのアルペジオが、節目にまさによく似合うし、大好き。岩佐美咲が歌いはじめる部分でも、まず最初はギター・アルペジオ・オンリーで、ドラマーがハイ・ハットをチャチャとやってから、いろんな楽器が入ってくる。

その後、岩佐美咲のカヴァー曲のなかでは特に出来栄えのいい「北の螢」(森進一)、「なみだの桟橋」(森昌子)、「石狩挽歌」(北原ミレイ)の三連発でノックアウト。この三曲での岩佐は本当に素晴らしい歌いっぷりで、録音も最近のものだから、歌手としてグンと一段も二段も成長しているのを実感できる。

そのあとの11〜16は完全に僕の趣味嗜好だけで並べたカヴァー・ソング。「つぐない」(テレサ・テン)がアバネーラ歌謡であることは、先週書いた。「ブルーライト・ヨコハマ」(いしだあゆみ)は歌い方、というか言葉の置き方がすんごくチャーミングでカワイイ。岩佐美咲の歌う「あなたと二人、幸せよ」の「せ」と「よ」のあいだの一瞬の表情の変化の絶妙さに僕は降参している。「ラヴ・イズ・オーヴァー」(欧陽菲菲)は単に好きな曲だからというだけ。でも岩佐の、男との別れをドロドロ引きずらない薄味で、この曲の魅力を再発見したのだった。

14「20歳のめぐり逢い」(シグナル)が、いままで岩佐美咲が歌ったカヴァー・ソングのなかで、僕が聴いているなかでは群を抜いている素晴らしさだというのは、もういままでもさんざん繰り返してきたのであまり言わないでおこう。本当につらくて切なくて哀しくて。こんな歌を歌える歌手って、そうそういないんだよね。

今月23日発売予定(もうあと四日だ!)の「鯖街道」特別記念盤に収録予定の「糸」(中島みゆき)が、そんな「20歳のめぐり逢い」を超えて、いままでの全岩佐美咲史上最高屈指の出来栄えだったと、現場でライヴを体験なさったみなさんは口を揃えておっしゃるので、本当はそのリリースまで待って、その「糸」を聴いてから今日のこの文章も書けばよかったのかもしれないが。まあ僕は 思い立ったらすぐやらなくちゃ、いてもたってもいられなくなる人間なので。

15、16の「涙そうそう(アコースティック・バージョン)」、「なごり雪(アコースティック・バージョン)」は、いわばこのセレクション・プレイリストのエピローグ、音楽でいえばコーダ。岩佐美咲自身の弾くギター弾き語りを中心に、まったく派手ではなくしっとり落ち着いたフィーリングでの歌と伴奏で、約一時間を聴いて満足した僕の頬を、優しく一筋の涙が伝う。

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