« さぁ、徳間ジャパンさんもはやく! | トップページ | マイルズ・コンボ1960年春の欧州公演 »

2017/10/12

岩佐美咲って「本当に」素晴らしいんだから!

Wasamin_3rd_2017_1025

91ue80lzbwl_sl1500_









岩佐美咲は本当に歌が上手く、(ネガティヴな意味での)アクもエグ味もヘンな癖もなく、キンキンしたギャル声でもなく、チャーミングな声質でいい歌をそのままストレートに歌いこねまわさず、グルーヴィな曲ではノリも歯切れもよく、落ち着いたバラード(調のもの含む)ではしっとりとした表現ができて、それでいて最近は大人の女性としてのセクシーさも出てきているっていう存在。だから万人にアピールできて受け入れてもらいやすいような資質のポップ歌手なんだよね。こんな類い稀で素晴らしい歌手がここまで聴かれておらず、一部の熱心な愛好家以外には知名度も低いなんてのは、僕の見るところ、二つの理由しかない。

小さいほうから書くと、岩佐美咲はいちおうは演歌界で活動している歌手だという位置付けになっているからだ。岩佐自身もここにこだわりがあるのなら、僕たちもそれに寄り添っていきたいが、発売されている CD や DVD や、またいろいろと 報告されているライヴ・コンサートや各種の歌唱イヴェントで歌っているレパートリーを見ると、もはや岩佐は「いわゆる」演歌歌手ではない。コテコテの演歌のほうが割合は低いもんね。

だがそのあたりの岩佐美咲の事情をご存知ない一般のみなさんのばあい、彼女が演歌歌手だと宣伝されて売り出されていることを見て、いやあ、演歌はちょっと聴かないなあとか、遠慮しておきますとか、そんな気分を持つ音楽リスナーもいるんじゃないだろうか?特にジャズやブルーズやロック系のシリアスなものを熱心に愛好しているみなさんに、そういう傾向が見受けられるように、僕は思う。

そういえばいま思い出した。以前、どなただったか熱心なジャズ・ファンの方二名のこと。そのお二方の発言に関連性はないのだが、お一方は「なんなんだこのジャズ・アルバムは?!まるで演歌みたいじゃないか!こんなもの!」と言い放ち、もうお一方は「大晦日の『紅白歌合戦』なんて観る価値ゼロだ、まったくどこも面白くない」と言っていたんだよね。つまり、「演歌だ」(あるいは「歌謡曲だ」)というのが悪口になりうるような、そんな世界があるみたいなんだよ。

『紅白歌合戦』が面白いのかどうかはまたぜんぜん別の話なので今日はよしておく。僕はいま言いたいのは、演歌(あるいは歌謡曲)にジャンル分けされているという事実だけで、ハナから守備範囲外に置いて見向きもしないみなさんが確かに一定数存在するんだってこと。これはまあ、もちろん偏見だ。一流演歌歌手の実力のものすごさをご存知ないのだとしか思えないよね。この部分にかんしては、とにかく一度心を白紙にして虚心坦懐に、あの方々の歌に耳を傾けていただきたい、それを一流ジャズ(or ロックなど)歌手のヴォーカル表現と、比較してどっちが優れているのかという話ではなく、どっちも凄いじゃないかと分っていただきたいと、心から切望する。

岩佐美咲も演歌界で活動している(とは思えないほど演歌じゃないレパートリーのほうが多いが)存在だと自他ともに認めているので、この点では少し損をしているかもしれないよね。かといって熱心な演歌ファンなら岩佐を聴くのかというと、これまたあまり重視されていないっていう、いってみればダブル・バインド状態なんだよね、いまのところは。演歌歌手だという位置付け(もそろそろやめたらどうかと僕は考えているのだが)なのに、どうして演歌ファンがあまり聴かないのかは、典型的な演歌歌唱法をまったくやらないからだ。このことは以前詳述したので、そちらをご覧いただきたい。
さて、この典型的な演歌ふう歌唱法をやっていないことと実は密接な関係があるのだが、岩佐美咲みたいに類い稀で素晴らしい歌手がここまで聴かれておらず、一部の熱心な愛好家以外には知名度も低い、その二つ目の理由。それは岩佐が AKB48のメンバーだったことだ。こっちのほうがはるかに大きな理由で、世の多くの音楽ファン、特に熱心なマニアと呼ばれるシリアスな愛好傾向をお持ちのみなさんが、岩佐に見向きもしない最大の原因に違いないと僕はにらんでいる。

つい先日、深夜に一通のメールが届いた。いま確認すると、昨日10月5日の0時09分付け。内容は僕の日々のブログ記事内容へのコメントだった。ブログのコメント欄に書かず私信にしたのにはそれなりの理由がおありなんだろうなら、お名前は明かせないし、ぜんぶを正確に引用することも控えたいが、内容をかいつまんでご紹介すると、次のようなことだった。

ふだんずっとお堅いブログだと思っていましたけれども、岩佐美咲ですか…。岩佐美咲って、AKB48のメンバーの娘(ママ)ですよね?そんな娘っこ歌手が本当にそんなに良いんですか?

ただしこのメールをくださった方は、戸嶋さんがそんなに素晴らしいって言うんなら、今度 TSUTAYA に行ったときにレンタルして聴いてみようかと思います、とも書いていらしたので、僕の日々の文章もほんの少しは意味があるってことだと自惚れておく。岩佐美咲が TUTAYA にあるのかどうかは知らないが。

まあしかしこんな具合で、ひょっとしたら岩佐美咲はいまでも AKB48の一員であると思っているのかもしれないし、思っていないとしても、あんなキャピキャピしたギャル・グループ関係のガキの女の子の歌なんか、そんなもん、聴く価値ないぞ、少なくとも「お堅い」傾向の音楽愛好趣味からしたら、まったく別の世界だ、子供の遊びだ、縁はない、だから、聴かないよ、聴く気なんてこれっぽっちもないよっていう 〜 こんなフィーリングが、やっぱりあるんじゃないのかなあ。

AKB48など、その他関連のガール・グループの活動が本当に「子供の遊び」なのか、あるいはひるがえって子供の遊びだとしても、子供の遊びは大人にとって面白くないもの、価値のないものなのかどうか?っていう根源的な疑問が湧いてくるが、まあこれもまたぜんぜん違う話になるので今日はしない。問題は、岩佐美咲みたいな「本当に」ものすごく素晴らしい歌手が、ただたんに AKB48に関係する存在であるという一点のみで愛好対象から除外されてしまう、そもそも眼中にないということになってしまうっていう、この事実だよなあ。

これも偏見なんだよね。一度どなただったか熱心な音楽愛好家、特にいわゆるワールド・ミュージックに精通している方が、AKB48関連などのああいった若い女性歌手たちは、そもそもあの声が受け入れられないんだとおっしゃっていた。ってことはその方のばあいは、ちゃんと聴いているんだってことだよね。しっかり聴いた上で自分向きではないと判断なさっている。

じゃあそうお書きだった方には、あるいはその方は大きな影響力をお持ちの方だから、その方の文章を参考になさっているみなさんには、ぜひ岩佐美咲の歌を聴いてほしいと僕は思う。AKB48うんちゃらかんちゃらはちょっとなあ…、っていう先入見や、あるいは先入ではなく聴いた上でそう判断なさっているお気持は、成層圏外に吹っ飛んでいってしまうはず。

一聴してそうなってしまうほどの実力を、声質にも歌い方にも、岩佐美咲は持っている。だってさ、書いたようなみなさんは鄧麗君(テレサ・テン)については激賞しているじゃないか。パティ・ペイジだって中村とうようさんや田中勝則さんがべた褒めしているから、やはりみなさん聴いていてお好きなはず。岩佐は鄧麗君、パティ・ペイジとまったく同資質の歌手なんですよ。

そこでそんな、これからじゃあちょっと岩佐美咲を聴いてもいいぞと心変わりしておっしゃる方でも出現するとして、そのためのオススメ品を少し書いておく。いちばんいいのは現時点で二枚ある DVD だと思う。三枚目が今月もうすぐリリースされる。これは正式にアナウンスされ、アマゾンでもすでに予約購入できる。ぜんぶ Blu-ray があるが、価格の安いDVD のほうをご紹介しておく。どれか一つだけとおっしゃるならば、来たる三枚目がいいんじゃないかなあ。

CD で聴きたいというみなさん向け、それもアルバム志向だという方々向けには、いままでに二枚ある岩佐美咲の CD アルバムから新しいほうの『美咲めぐり ~第1章~ 』(初回生産限定盤)をオススメしておく。みなさんお馴染の曲はファースト・アルバムである『リクエスト・カバーズ』のほうにたくさん入っている。っていうか有名曲ばかりのカヴァー・ソング集だしね。都はるみもテレサ・テンもあるよ。

ただし、岩佐美咲のいちばんものすごいもの二つは、これらの CD アルバムには収録されていない。どっちもカヴァー曲の「20歳のめぐり逢い」と「糸」だ。どっちかだけにしてくれとおっしゃるだろうから、躊躇なく僕は「糸」が収録されている CD シングル「鯖街道」特別記念盤(通常盤)を、強く強く推薦する。

くどいようだが、最後にもう一度大切なことを反復しておく。「演歌」「AKB48」〜 この二つのレッテルに惑わされずに、みなさんぜひ岩佐美咲の歌を聴いてみてください!本当に素晴らしいんですから!

« さぁ、徳間ジャパンさんもはやく! | トップページ | マイルズ・コンボ1960年春の欧州公演 »

音楽」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 岩佐美咲って「本当に」素晴らしいんだから!:

« さぁ、徳間ジャパンさんもはやく! | トップページ | マイルズ・コンボ1960年春の欧州公演 »

フォト
2019年8月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
無料ブログはココログ