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2017/10/11

さぁ、徳間ジャパンさんもはやく!

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僕がネット(といってもパソコン通信だが)をはじめたのは1995年の夏なんだけど、これは遅いほうだとあのころ思っていた。すでにパソコン通信なんかはブームみたいなものになっていて、すでに大勢がやっているような気がしていた。とにかく音楽のことでみんなと楽しくワイワイ話がしたかったっていう、本当にただそれだけの理由でパソコンを買った。僕のばあい Mac の Performa 5210。いまではノート型にあらずんばパソコンにあらずとまで言いだしかねないほどのノートブック信者の僕も、まず最初はデスクトップ型 Mac を買った。

とにかく文書作成とか表計算とか、そんなことをやろうなんて気持は僕にぜんぜんなく、ハナからネットをやりたいがためだけに Mac を買った。すなわち僕にとって Mac は最初に買った1995年の夏から完璧にネット端末でしかなかった。パソコン通信こそ僕がやりたかったことだもんね。でもあの当時はネットに接続するのがやや面倒くさかったんだ。

まず回線は通常の(音声通話用の)電話回線を使う。僕が Mac を買った1995年夏よりもずっと早くはじめた方々のばあい、音響カプラ(どうです?なんのことだか分らないでしょう?)を使ってネット接続することも多かったらしいのだが、僕は使ったことがない。新宿(が京王線のターミナルかつ最大の繁華街だったから)のソフマップで Performa 5210を買う際に、最初からモデムも一緒に買ったのだった。ネットやりたかったんだから当たり前だ。当時のモデムは外付の据え置き型が一般的。その後、カード型とかパソコン内蔵型とか出てくる。

それでダイアルアップ接続(死語?)するわけだけど、通常の音声会話用の電話機のケーブルを差し込んである壁のモジュラー・ジャックから電話機のケーブルを抜き、データ通信用のモデムのケーブルを差し込んで、モデムが Mac にやはり有線でつながっているという具合。これで通信用のソフトウェアを使って接続する。僕のばあい AT コマンドが必須だった。接続時にガ〜ガ〜ピ〜ピ〜っていうやかましい音がモデムから出るのだが、サイレント状態にする AT コマンドも僕は打ち込んでいた。

サイレント状態にするのは、ネットに接続するのがたいてい深夜だったからだった。妻は寝ている時間だったもんね。テレホーダイという、これもまた死語になっているものがあったことをご存知だろうか?深夜11時〜翌朝までは NTT の電話回線をいくらたくさん使っても定額になるっていうもの。音声電話用のプランだったかもしれないが、ネット民はみんなデータ通信用のプランとして活用していた。

いまみたいに(いつごろからだっけ?)これもまたまた死語だろうがブロードバンドの常時接続なんて、夢のまた夢であって、っていうかそもそもそんな世界が、時代が、到来するという予測すら僕はしていなかった。つまりネット接続は一回一回つないでは切断する、そういうものだった。それでもたいていみんなすぐにネット中毒患者になるので、どんどんつなぎたい、できうればつなぎっぱなし状態にしたいわけだ。そんな願望は深夜にだけ叶えられていた。テレホーダイのおかげで。

テレホーダイの時間帯は NTT 回線をいくら使っても定額だったので遠慮なしだったが、日中だと遠慮がちに、いま何分間使ったからどれくらいお金かかったんだろう?ちょっとつなぎすぎたかもしれないぞ?次回の NTT の請求は高額になってしまうかも?とか、そんなふうに怯えながら電話回線を使ってのダイアルアップ接続でネット活動をしていた。まるで束の間の背徳的情事をたのしむかのようじゃないか。

ここまで書いてきたことをお読みになって、ワケが分らない人はサッパリ分らないだろうが、むかしのネット活動(というかパソコン通信)はダウンロード型だったんだよね。現在、一日24時間ずっとネットにつながっているのが当たり前、っていうかそもそもつながっているだとかいないだとか意識すらしないようになっているけれど、そしてそんな空気みたいな存在になっていることも、それは幸せなことだと僕は思うけれど、そんないまはアクセス型だよね。パソコンでもタブレットでもスマホでも、すべてデータはローカルのディヴァイス内にはなく、<あっち側>にあって、それにアクセスして読み書きしている。

むかしはネットに接続できることじたいが限られていたから、必要なものはその場でローカルのディスク内にダウンロードして、接続を切ってからゆっくり読んで(だってつないだままじゃあお金が心配で心配で平常心ではいられないし、実際高額になる)吟味して、反応したい場合にはゆっくり書いて、複数個のファイルを書き終えたら、そののちもう一回接続してぜんぶまとめてアップロードする(アップって当時言ってたっけ?)。

ダウンロードといっても、僕が最初1995年に買ったモデムは、確か9600bps という速度だったら、ダウンロードしながら同時に Macの画面でログが読めたんだよね(笑)。そんなノロノロ速度だった。ダウンロードしながら同時にそのまま通信ログが読めた、そんなスクロール速度だったなんて、しばらくあとになってからはだれに言っても信じてもらえなくなった。おおげさな作り話扱いしかされなくなったが、本当のことなんだよね。

そのころ、つまり(僕は横目で睨んでチェッ!とか思っていただけだったが)Windows 95の発売で世の中が一気にパソコン・ブームみたいになって、それと同時にブームになったインターネットと、それに接続してなにかをするという行為は、すでに普及したということだったと、当時僕は考えていた。だから1995年の夏に Mac を買ってようやくネットをはじめた僕なんかは遅いほうだと思い込んでいた。もちろんある意味そのとおりだといまでも思っているが。

だがしかし、その後のネット(ブロードバンド)常時接続時代の到来と、各種 SNS の誕生、一般化と、さらに、これこそが最大の契機だったに違いないスマートフォンの爆発的普及で、まあやっぱりここからだよね、インターネットが本当に「みんなのもの」になったのは。スマホなんてネットにつながっているのが大前提、なんて発想すらおそらくみんな持っていない。つながっていればふだんはその状態を意識すらしてもいない。本当に僕たちみんなのものになったという証拠だ。Wi-Fi 環境はいたるところにあり、そうでない場所でだってキャリアの3G、4G 回線で問題なくネット接続できる(こっちのほうは、いま再び使用量を気にしてヒヤヒヤする時代が戻ってきているが)。

ネット常時接続、それと不可分一体なスマホの爆発的普及、Twitter や Facebook や Instagram など SNS の存在(はかつてのパソコン通信にかなり似ている) 〜 この三つでもって、いまや本当にインターネットは世の中のみんなのものになったと言えるはず。難しいことを考えたりしたりなどできなくたって、AT コマンドを打ち込むなんていうメンドクサイことなんかしなくたって、スマホ買えば、即その日から、そのままだれでもはじめられる。それがいまのネット活動だ。

だれでもちょっとは意見を言える、ネットで(おそらく多くのばあいは Facebook で)気軽にものが言えるっていう、 そんな時代になっているから、例のあのサイレント・マジョリティっていうやつ、あれはもはや消滅したのだ、とはぜんぜん言えないと思うけれど、でも僕はだれでも意見が言えるようになってよかったんだと信じているんだよね。

かりにそうでないとしても、音楽の聴きかただけは、やっぱりかなり変化したんだと言えるはずだ。スマホで YouTube みたいな共有サイトに無料でだれでもすぐにアクセスできて、そこには無数の音楽(を含むいろんなもの)があるから、CD 買わなくたってちょっと聴くことはすぐできる。ちょっとどころじゃなくて、アルバム一枚丸ごと聴けたりもする。僕だって簡単にアップロードできているし、それに世界のいろんな人たちからアクセスがあって、コメントもあって、音楽の楽しみをシェアできている。

無料ではないけれど、iTunes ストアみたいなダウンロード音楽サーヴィスもあるし、ダウンロードではなくストリーミングだけど、Apple Music や Spotify みたいなものだってある。いまや音楽の新作はフィジカル CD でリリースする前にネットで配信したり、そもそも iTunes や Spotify でしか売らないっていうようになっていたり、YouTube で無料で流す際の広告代が音楽家や製作者サイドの主な収入源になっていたりもしているじゃないか。

今年、僕はやっぱり CD で買ったレバノンの歌手ヒバ・タワジの新作『ヒバ・タワジ 30』。これに附属するブックレットをひっくり返すと、そこには (Listen on)Apple Music、iTunes、YouTube、Spotify、anghami、DEEZER の六つの文字がアイコンとともに並んでいた(anghami はアラビア語のポップ・ミュージック用のもの)だけ。ヒバの写真以外は本当にただそれだけ。それしか記載がなく、僕が持っているその CD のレーベル名など、フィジカル・リリースにかんする情報はどこにも一言もなかったもんね。

もうそういう時代だよね。僕はたぶん今後も CD 買い続けると思うけれど、必ずしもそうじゃない人たち(はどんどん増えている)向けにはどうしたらいいか、売り手側にはちょっと考えてみてほしい。いろんな人に届きやすい方法を。より多くのファンを得るにはどうしたらいいのかを。例えば、八代亜紀は(ちょっとだけ)Spotify で配信されていますよ。 頼みますよ、みなさん。

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