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2018/01/21

呼んでくれればそっちに行くよ 〜 モータウン時代のマイケル入門ならこれ一枚で決まり!(4)




この Spotifyプレイリスト。ご覧になっておわかりのように、僕の自作だ。こういうアルバムがあるわけじゃない、ネット音源としてはね。でも CD ならあるんだよ。日本のユニバーサルが2009年にリリースした『メロウ・マイケル・ジャクソン』。コンパイラーとして Soul Source Production という名前の記載がある(が僕は知らない)。

この『メロウ・マイケル・ジャクソン』は、マイケルがチャーミングだったモータウン時代の音源に絞り、ソロ録音を中心に、ジャクスン5での歌も五曲含むベスト的コンピレイション盤なんだよね。これがなかなかいい。先週書いた Hip-O がリイシューした CD 三枚組全集『ハロー・ワールド:ザ・モータウン・ソロ・コレクション』ではサイズが大きすぎるという向きには、もしフィジカルで買うモータウン・マイケル入門なら、これがいちばん好適。

しかしそれ一枚でも CD を買うのはちょっと…、というかたがた向けに、約一時間程度だからと思って、アルバムとしては Spotify にないけれど、曲の音源じたいはもちろんぜんぶあるはずだからと思って、一個一個拾っていって、プレイリストを作っておいた。ちょっとでもいいから耳を傾けてもらえませんか?ホント〜っにチャーミングだと僕らは思っています。もしエピック時代のマイケルしかご存知なければ、ぜひお願いします。

ただしこの自作プレイリストは、CD『メロウ・マイケル・ジャクソン』より一曲多い。ラストにジャクスン5のオリジナル・ヴァージョンの「アイル・ビー・ゼア」を加えておいたからだ。なぜならば、この CD 三曲目にある「アイル・ビー・ゼア」は “マイナス・ミックス” で、いろんな楽器の音が抜いてある。21世紀の最新リミックス・ヴァージョンだったものなんだよね。

楽器音を最小限にまで減らしたミックスにして、マイケルとジャーメインとバック・コーラスという三つのヴォーカルにフォーカスを当てたことで、彼ら、特にマイケルが録音時のスタジオで歌詞を一ヶ所間違えたにもかかわらず(”Look over your shoulders, honey!” は本当は “shoulder”)、そのあまりの素晴らしいヴォーカル・パフォーマンスに圧倒された立ち会いのモータウンのベリー・ゴーディもやりなおしを求めなかったという逸話まで残っている、そんなマイケルの歌にだけ耳を傾けられるというメリットはあるリミックスだけどね。

しかし「アイル・ビー・ゼア」は、ジャクスン5最大のヒット・チューンなんだよね。これこそジャクスン5を、そしてマイケルを象徴する代表曲なんだ。こないだ書いたように、マイケル初のソロ・アルバム『ガット・トゥ・ビー・ゼア』は、この「アイル・ビー・ゼア」の世界を拡大したものだと言えるほどなんだもんね。呼んでくれればそっちに行くから、きみのところに行かなくちゃ、きみには友だちがいるんだよ、困っていたら呼んで、行くから、っていうやつだ。

だから、たぶんあまりにも知られすぎている有名曲だからたまには違うヴァージョンを、というので『メロウ・マイケル・ジャクスン』にはマイナス・ミックスが選ばれたんだろうけれど、ベスト盤としてオススメしたい僕としては、それだけってわけにはいかないんだよね。それで僕が自作したプレイリストでは、アルバム・ラストに「アイル・ビー・ゼア」のオリジナル・ヴァージョンも入れておいた。

それ以外は、ジャクスン5での歌を除き、先週三日間にわたって書いたものばかりなので、それ以上特に言わないといけないことなんてないんじゃないかな。メロウと銘打ったコンピレイションだけど、そういうバラード系のものばかりじゃなくて、快活なジャンプ・ソウルみたいなものだって多い。バランスが取れていて、やっぱり格好の入門盤なんだよね。

先週詳しくは書かなかった曲についてだけ少し触れておこう。4曲目「ユーヴ・ガット・ア・フレンド」。もちろんキャロル・キングの超有名曲だが、僕の個人的趣味だと、このマイケル・ヴァージョンこそが No. 1。ジェイムズ・テイラーのでもダニー・ハサウェイのでも、またゴスペル・ライヴでやるアリーサ・フランクリンのでもなく、この100%ピュアな天使から言われているようなマイケルの「きみの友だち」こそが至高のものだ。

5曲目「マイ・ガール」、6曲目「ロッキン・ロビン」と跳ねるような快活なナンバーが続く。「ロッキン・ロビン」のことは先週書かなかった。1958年にボビー・デイが歌ってヒットになったのがオリジナル。これをとりあげた会社側の、選曲もアレンジも、いかにも可愛いキッズ・シンガーとしてソロでも売りたいという意図がよくわかる。実際、かなりキュートに仕上がっていて楽しい。

これも先週書かなかった17曲目「ウィングズ・オヴ・マイ・ラヴ」。三連のソウル・バラードで、かなりロマンティック。ストリングスのアレンジが流麗かつドラマティックで、それも聴きものだが、やっぱりマイケルのストレートなヴォーカル表現が美しく、それにため息が出ちゃうね。

19曲目「マリア」もちゃんと書いていなかったっけ。これだけは書いたはずだがマイケルのソロ・デビュー・シングル「ガット・トゥ・ビー・ゼア」の B 面だった。冒頭からハープシコードが使ってあるが、これは23曲目「ハッピー」でもそうだし(これにはシタールもある)、またなんたってジャクスン5の「アイル・ビー・ゼア」がそうじゃないか。たぶん、アレンジとプロデュースは三つともぜんぶハル・デイヴィスだろう。

えぇ〜っと、これら以外はすべて先週書いたはずだ。もはやなんにも書き加えることはないね。

モータウン時代のマイケルは、ジャクスン5でもソロでも、まるでダイアモンドのように声がキラキラ輝いていて、しかも悪い意味での sophistication がなく純で、いや、そんなことないのか、あんなに人気があって大活躍していたから、もうすでに世間ずれしていたかもしれないが、ヴォーカル・トーンはそれが聴きとれないほどの可愛らしさじゃないか。

これほどまでにチャーミングなボーイ・シンガーがこの世にほかにいるだろうか?きっといない。

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