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2018/05/26

Músicas de PALOP(2)〜 ギネア・ビサウ、モザンビーク、サントメ・プリンシペ

四枚組『メモリアズ・ジ・アフリカ』のギネア・ビサウ篇(CD2)とモザンビーク&サントメ・プリンシペ篇(CD4)。先週のアンゴラやカーボ・ヴェルデとすこし違って、CD3では冒頭からいきなりモダンなバンド・サウンドが聴こえる。電化されていることだけじゃなく、音楽の種類として現代的ポップ・サウンドだ。

むろんギネア・ビサウの音楽伝統があって、それを電化バンド形式でやって大衆化しているということなんだろうけれど、まったくの完全無知な僕が CD3を聴いた一回目でも、こりゃいいね、ノレる、楽しくダンサブルで、しかもかなり明快でとっつきやすいと感じたのだった。

それまでに知っていた音楽で言えば、ちょっとルンバ・コンゴレーズに似ているようにも聴こえるが、共通性とか影響関係があるのかどうか、ぜんぜんわからない。でもこりゃきっとあるよね。ギネア・ビサウ音楽のことをなにも知らない僕が聴いてそう感じるサウンドだ。

CD3に収録の14曲をやるギネア・ビサウの音楽家は五人だけ。オルケストラ・スーパー・ママ・ジョンボ、サバ・ミニャンバ、ジョゼ・カルロス・シュワルツ、ンカッサ・コブラ、ゼ・マネル。それぞれ複数曲が収録されている。ど素人の僕がパッと聴いた感じ、二曲収録のスーパー・ママ・ジョンボがかなりいい。これは大好きだ。
この YouTube 音源の1曲目が、『メモリアズ・ジ・アフリカ』CD3の一曲目だ。どう、これ?サイコーじゃないか。コンゴのフランコみたいだよね。同じスーパー・ママ・ジョンボの演奏で、やはりフランコみたいだが、ラテン・テイストも強めに出ていてちょっとサンタナっっぽく感じる、『メモリアズ・ジ・アフリカ』CD3の6曲目「サヤンゴ」はこれ。いいなあ〜。
フランコっぽいものは『メモリアズ・ジ・アフリカ』CD3にはほかにもいくつかあって、しかしこれ、録音年の記載がないので、影響関係の推測ができない。聴感上のザッとした印象だけだと、フランコから来たものがかなりありそうに思うんだけどなあ。三曲あるサバ・ミニャンバ、ンカッサ・コブラ、ゼ・マネルなんかもそうだ。8曲目、サバ・ミニアンバの「ルシアパール」とか、ぜひご紹介したいよさだが、ネットにないみたい。同じ人の9曲目「サウダージ・ソン」は大きくゆったり漂うグルーヴで、気持ちいい。

CD3の11曲目、ンカッサ・コブラの「スール・ジ・ノ・プビス」が、このオーディブック『メモリアズ・ジ・アフリカ』CD3のギネア・ビサウ篇で個人的に最もグッとくるもので文句なしにいいんだけど、これもネットにないみたいだ。ソロを弾くギター(だれ?)がまるでカルロス・サンタナみたいだけどなあ。しかもリズムはアフリカン・ポリリズム。ヴォーカルもギターも、っていうか全体の曲想に哀感がある。

CD4のモザンビーク&サントメ・プリンシペ篇。どれがモザンビークでどれがサントメ・プリンシペの音楽なのか、僕にわかるわけもなく、それはブックレットのどこにも記載がない。だがまあ、8曲目をやるアフリカ・ネグラ、13曲目のペドロ・リマはサントメ・プリンシペだね。それ以外はモザンビーク??わかりませんので、どなたか教えてください。

その二名(だけかどうかはわかりません)のサントメ・プリンシペの音楽がかなりいい。特にアフリカ・ネグラの「アニーニャ」は最高だ。これもちょっとフランコのルンバ・コンゴレーズっぽく聴こえる。関係あるのかな?リズムの感じとか、その上で複数本のエレキ・ギターがからみあうそのスタイルとか、似ているよなあ。「アニーニャ」では長めのギター・ソロもあり。それにカルロス・サンタナっぽさはぜんぜんなくて、もっとカラリと乾いている。同じのがネットにないんだけど、曲はこれだ。『メモリアズ・ジ・アフリカ』収録のは八分以上ある。
13曲目のペドロ・リマ「マンギダーラ」ではドラマーのスネア使いがすこし垢抜けなくてバタバタしているなあとは思うけれど、なかなか楽しい。こういったリズムの感じ、いかにもアフリカのバンド・ミュージックだという趣(おおざっぱな言いかただ)で、踊れるよなあ。この下のは同じ人の同じ音源かなあ?ヴォーカル(・コーラス)もギターもいいね。
これら二曲以外はモザンビーク音楽なのかどうかわからないが、1〜6曲目までは、これはたぶんモダン・ポップスというよりもトラディショナルなフォーク・ミュージックなのかな。楽器編成もヴォーカルや楽器のラインも素朴。7曲目、ヴェロニカ・ペテルソンのものですこし現代的なポップさが出ているが、う〜んと…まだまだ…、でもこういった部分も音楽の楽しさの一部だ。

その後の8曲目がさっき書いたアフリカ・ネグラで、9曲目のサンガズーザからグッと(僕的には)聴きやすくなってくる。サンガズーザの「リカルディーナ」は、ちょっとカリブ音楽ふうのシンコペイションで、コンガがぽんぽん気持ちよくて、そんでもってエレキ・ギターがやっぱりここでもフランコふう。
10曲目、オス・レオネンセス「ミーナ・ファーダ・メンジ」の派手な楽しさ(ちょっと突っかかるようなリズム)、12曲目、同じくオス・レオネンセスの「ルリア・サー・シガード」もほぼ同系で、二つとも聴けて踊れる。興味深いのは11、14曲目と二つ収録のコンジュント・ミンドーロの、14曲目のほうだ。題して「トニ・ファーダ・キンチーノ」。
どうこれ?アメリカはニュー・オーリンズの音楽によく似ているよね。いちばん最初に僕が思い浮かべたのはかの「ジャンバラヤ」だけど、こんな感じの曲はこの北米合衆国内アフロ・クリオール首都にかなりあるよね。クラベスが3・2クラーベを刻んでいる。その先まで書かなくていいだろう。

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