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2018/06/28

こんなに楽しい音楽がこの世にあるのか 〜 ザッパのドゥー・ワップ

1) WPLJ (Burnt Weeny Sandwich)
2) Go Cry On Somebody Else's Shoulder (Freak Out!)
3) Big Leg Emma (Absolutely Free)
4) Concentration Moon (We're Only In It For The Money)
5) What's The Ugliest Part Of Your Body?
6) What's The Ugliest Part Of Your Body? Reprise
7) Cheap Thrills (Cruising With Ruben & The Jets)
8) Love Of My Life
9) How Could I Be Such A Fool
10) Deseri
11) I'm Not Satisfied
12) Jelly Roll Gum Drop
13) Anything
14) Later That Night
15) You Didn't Try To Call Me
16) Fountain Of Love
17) No. No. No.
18) Anyway The Wind Blows
19) Stuff Up The Cracks
20) Electric Aunt Jemima (Uncle Meat)
21) The Air
22) Would You Go All The Way? (Chunga's Revenge)
23) Sharleena
24) I Have Been In You (Sheik Yerbouti)
25) Love Of My Life [Live] (Tinsel Town Rebellion)
26) Valarie (Burnt Weeny Sandwich)

アメリカン・ポップ・ミュージックにおけるヴォーカル・コーラス・スタイルであるドゥー・ワップ。どんなものなのかを説明しておく必要などない。簡単に狭義を言えば、主旋律を歌うリード・ヴォーカリストの背後で「どぅ〜わっ、どぅ〜わっ」とか、あるいは似たような感じで反復コーラスが入っていれば、それがドゥー・ワップだ。ぼくはもっと意味を広げて使いたいし、実際ふつうはそうみたい。

そんなドゥー・ワップ、ちょうどロックンロール登場の興奮と同時期の、1950年代半ばから末、せいぜい60年代初頭までで流行は終わってしまった。だけどその後イタリア系が模倣してリヴァイヴァル・ブームがあったので、フランク・ザッパもその流れのなかにいるのかなあ?そんな強い関係はなさそうな気もするけれど。たんなる熱狂的愛好家&7インチ・コレクターだったというだけで。

いずれにしても、ザッパのアルバムのなかにひとつ、『クルージング・ウィズ・ルーベン・アンド・ザ・ジェッツ』(1968)という、一枚丸ごとドゥー・ワップに捧げたものがあるということはみなさんご存知のとおり。チョ〜楽しいんだよね。もちろん曲単位で拾っていけば、ザッパの音楽にはドゥー・ワップがほかにもたくさんあるので、それをチョコチョコっとやってみて並べたのが、いちばん上のプレイリストだ。

このプレイリストの曲の並びは、基本、収録アルバムのリリース年順だけど、オープナーとクローザーだけは大胆にそれを無視した。また、ドゥー・ワップふうのヴォーカル・コーラスが変形されて活用されているもの…、なんてなると、これはもうザッパ・ミュージックのなかにはありすぎてキリがない。今日はストレートなドゥー・ワップ・ナンバーだけに限定した。それも1980年代に入るあたりまで。

やっぱり『クルージング・ウィズ・ルーベン・アンド・ザ・ジェッツ』が中心になるんだけど、このドゥー・ワップ・アルバムのなかには、ザッパのデビュー作『フリーク・アウト!』(1966)収録曲の再演が四つある。「ハウ・クッド・アイ・ビー・サッチ・ア・フール」「アイム・ナット・サティスファイド」「ユーディドゥント・トライ・トゥ・コール・ミー」「エニイ・ウェイ・ザ・ウィンド・ブロウズ」。

だからそれらは完璧にドゥー・ワップ化している『クルージング・ウィズ・ルーベン・アンド・ザ・ジェッツ』ヴァージョンのほうを選んでおいたけれど、『フリーク・アウト!』にはもう一個、「ゴー・クライ・オン・サムバディ・エルシズ・ショルダー」がある。この曲だってドゥー・ワップだよね。

『クルージング・ウィズ・ルーベン・アンド・ザ・ジェッツ』で再演しているものだって、『フリーク・アウト!』ヴァージョンからすでにポップなヴォーカル・コーラス・ナンバーだったんだし、つまりザッパを難解でとっつきにくいプログレッシヴな音楽家とみなすのは、かなりな大間違いだよね。

セレクション・プレイリストは、ザッパの全ドゥー・ワップ・ソング中最も好きな「WPLJ」で幕開けとした。自作ではなくカヴァー曲なんだけど、『バーント・ウィーニー・サンドウィッチ』(1970)のオープナーになっているこの「WPLJ」こそ、ぼくにはいちばん楽しい。ひょっとしてまだご存知ないかたへのツカミとして、ドゥー・ワップってなに?どういうもの?をザッパで説明する格好の一例だとも思ったから。

ホ〜ント、この「WPLJ」ほど楽しい音楽がこの世にあるのだろうか?イントロが聴こえてきただけで気分ウキウキ、最高に幸せだ。歌がはじまったら踊り出しちゃう。とまでいかなくても、すくなくとも間違いなく手指でリズムは刻む。リズムもいいし、ヴォーカル・コーラスの重ねかたも、まあどっちもティピカルではあるんだけど、だからこそ楽しい。

今日のプレイリストのクローザーも『バーント・ウィーニー・サンドウィッチ』からの、やはりこのアルバムのおしまいに置かれている「ヴァラリー」にしておいた。ザッパも今日のぼくも、この最初と最後のセレクト位置は意図的。「ヴァラリー」のほうは失恋ソングだけど、ドゥー・ワップ集のしめくくりにはこれ以上なくピッタリ来るムードじゃないか。

また、こんなポップな音楽世界とは一見無縁そうな『アンクル・ミート』(1969)にも二曲あったので選んでおいた。『チャンガズ・リヴェンジ』(1970)にも二曲あるのは当然か。そのうち、「シャーリーナ」は、曲そのものの演奏では『ロスト・エピソーズ』(1996)ヴァージョンのほうがいいと思うんだけど、ドゥー・ワップ視点でいくとこっちだね。

プレイリスト24曲目の「アイ・ハヴ・ビン・イン・ユー」は『シーク・ヤブーティ』(1979)収録の1978年録音。オリジナル曲初演としては、今日のセレクションで最も新しいもの。すこしフィーリングが違ってきているように思わないでもない。その次、25曲目「ラヴ・オヴ・マイ・ライフ」は『ティンゼル・タウン・レベリオン』(1981)からで、1980年12月のバークリー・ライヴ。今日のセレクションのなかで唯一ダブる古い曲だけど、大好きな歌だし、このライヴ・ヴァージョンがぼくにはいいのだ。

それがプツッと終わった瞬間にラストの「ヴァラリー」がしんみりと流れてきて、いいなあ〜。いい雰囲気で、えもいわれぬ気分。くつろげる。

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