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2018/08/27

ストーンズの JJF もの

ローリング・ストーンズの「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」。アルバム『ベガーズ・バンケット』の先行シングルとして1968年5月24日に発売された。しかしこのシングルが、アルバム(1968年12月6日発売)のティーザーみたいになっているかというと、あまりなっていないように思う。「JJF」はキャッチーなギター・リフを持っているのが最大のウリだけど、『ベガーズ・バンケット』にそんな曲はない。B 面トップの「ストリート・ファイティング・マン」だけかな。

だけど、その後のストーンズは「JJF」スタイルのギター・リフを中心に曲を組み立てることが増えたんじゃないかと思う。そういうものはそれ以前のストーンズに少なかった。だから「JJF」は一種のブレイクスルーというか、ストーンズ新時代の幕開けを告げるものだったのかも。ぼくはそれを表題のように ストーンズの JJF ものと呼ぶ。瞬時にパッと思いつくだけでそんなストーンズ・ナンバーをチョチョッと拾ってつくったのがいちばん上のプレイリストだ。多くが同傾向だとご納得いただけるかも。

これらのうち「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」「ホンキー・トンク・ウィミン」だけがシングル・オンリーの曲だから、どこからでもいいんだがコンピレイションからピック・アップ。ほかはオリジナル・アルバムに収録されているのでそこから。シングル発売もされているものが多いのだろうと思うけれど、そこまでは調べないとわからないし興味も薄い。ところでストーンズって、けっこう大事な曲がシングル発売しかなかったりするよなあ。

ギター・リフがカッコよくキマるというと、「サティスファクション」(1965)からこういったキャッチーな自作曲もやるようにはなっていた。しかし JJF things との違いは単音弾きリフかコード弾きリフかどうかだ。これは個人的印象の差としてはデカい。聴感上もかなり違う。自作セレクションにはその系列じゃないのかも?と思うものも混ぜておいた。ちょっぴり似たニュアンスさえあれば。たとえば「レット・イット・ブリード」「ミッドナイト・ランブラー」「ビッチ」なんかは違うものかも。

「ブラウン・シュガー」「ロックス・オフ」「スタート・ミー・アップ」 などが典型的な JJF スタイル・フォロワーだね。超カッコイイ〜。本当にこういうのが大好きだ。なかでも特に「オール・ダウン・ザ・ライン」(『メインストリートのならず者』)が大好き。このキース・リチャーズのコード・ワークでザクザク踏み進むっていう、これ、快感なんだよね。二枚目 B 面トップだった。

「オール・ダウン・ザ・ライン」を聴くと、このブギ・ウギ基盤のコード・ワークでザクザクっていうのが、チャック・ベリー由来のものだとよくわかる。そこからふりかえれば、そもそも「JJF」のあんなリフだってチャック・ベリー・スタイルから派生しているのだった。ストーンズが、キースが、どのへんの音楽から出発しているか、鮮明になってくる。

ところで「JJF」の1968年オリジナルでは、ご存知のようにあの有名リフが出る前にイントロがある。その最後でミック・ジャガーが叫ぶように「ワン、トゥー!」と言って例のリフが出るんだよね。あの瞬間にサブイボ立つほど快感だが、ライヴでこのイントロを再現したことはないはずだ。ライヴでの「JJF」は星の数ほどあるからわからないけれども、公式ライヴ盤にはない。

スタジオ・オリジナルの「JJF」とライヴ・ヴァージョンとの違いで言えばもう三点。メイン・リフそのものがライヴ演奏ではすこし違う。1969年のアメリカン・ツアーから収録した『ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト!』のオープニングを飾る「JJF」からして違うんだ。しかもその後は現在2018年まで、そのちょっと違ったリフでそのままやってきている。アイデンティファイできる程度だけど、でも、なんで変えちゃったんだろうなあ?

もう二点。ライヴでの「JJF」ではあくまであのギター・リフのカッコよさにだけフォーカスしながら進行しているが、スタジオ・オリジナルではビル・ワイマンのエレベもかなり活躍している。ベース音量もふだんのストーンズものよりも大きめで、むしろギター・リフより目立っていると言いたいほど。さらに曲後半から鍵盤楽器(オルガン?)がバーっと入ってきて、しかもシングル・ノートでソロみたいなものを弾きながら曲がフェイド・アウトして終わる。そこはサイケデリックなムードだってあるよね。ちょっぴりドアーズっぽい?

話がそれた。ここまでの三段落は、曲「オール・ダウン・ザ・ライン」を聴いての派生だ。同じアルバムからのチョイスである「タンブリング・ダイス」はスローだから JJF シングズとは言いにくいかもしれないが、あんな感じのギター・リフが、なんというかこう、内側に折りたたまれたというか、スピーディな疾走感は消して落ち着いた雰囲気にしてあるけれど、曲創りの本質として同じものを持っていると思うんだよね。そういったスローは1969年以後のストーンズにはほかにもあるけれど、代表的な大傑作ということで「タンブリング・ダイス」だけ選んでおいた。

1970年代以後2018年現在でも、ストーンズのライヴでは、幕開けか本編ラストかアンコールかといった大切な局面で、必ず JJF ものが演奏される。そこに「サティスファクション」もつけくわえれば、例外は一回もないとさえ言えるかも。「サティスファクション」「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」「ブラウン・シュガー」の三曲で、とっかえひっかえして演出しているんだよね。

十年一日のごときと笑わば笑え。ある音楽が、あるバンドが、ある曲が、大好きだという心情は、そんなひとには理解できないことだ。好きなものは好き。どこが悪い。

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