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2018/08/21

ロック・ヴォーカリスト、ポールよ、恩讐を越えてくれ 〜『パスト・マスターズ Vol. 1』

(今日は18曲目まで)

ビートルズってアイドル・ポップ・グループみたいなもんだったのに、そんな時期でもけっこうスケベなことを歌っていたんだなあって、いま聴きかえすとそう思う。初期のヒット・ソング「プリーズ・プリーズ・ミー」がオーラル・セックスのことを歌った内容だと、ずっと前に書いたけれど、そもそもデビュー・シングル「ラヴ・ミー・ドゥー」(『パスト・マスターズ Vol. 1』1曲目)だってとらえようによっては、あ、いや、やめとこう。でもこれ、ブルージーだし…。

まあそんなことはいい。『パスト・マスターズ Vol.1』では、オリジナル曲もさることながら、他作の有名リズム&ブルーズ/ロックンロール・ソングのカヴァーがかなりいいなあって思うわけ。「ロング・トール・サリー」とか「マッチボックス」とかさ。ほかにも数曲ある。昨日書いた『パスト・マスターズ Vol. 2』の内容と比較すれば、オリジナル楽曲創りにかんしては、やっぱりある時期以後どんどんうまくなっていったんだとよくわかる。

でも、ヴォーカルの出来は最初期からかなりいいぞ。中期以後と比較してもなんら遜色ないどころか、『パスト・マスターズ Vol.1』収録の1962〜65年シングルのほうが勢いがあって元気で、もっといいかもと思うほど。特にポールがすごい。上でかなりいいと書いたリトル・リチャードの「ロング・トール・サリー」で歌うのがポールだ。

実際、『パスト・マスターズ Vol.1』を、1曲目の「ラヴ・ミー・ドゥー」から通して聴きなおしていて、今回オオッ!となったのが10曲目「ロング・トール・サリー」だったもんね。このシャウトぶり。リトル・リチャードのキテレツぶりとは比較できないが、ここのポールだって大健闘。「イエスタデイ」以後のあんな印象がウソみたい。迫力のロック・ヴォーカリスト、ポール・マッカートニーの実力を思い知る。

ヴォーカルはリンゴだけど、13曲目、カール・パーキンスの「マッチボックス」もかなり好き。これはしかし1990年代以後かな、ポールが自身のソロ・ライヴ・ステージで歌うようになった。カヴァー・ソングだからできるんだろう。ジョンやジョージの曲をやったという話はまだほとんど聞かない。がしかし、そのうちもっと先になれば、それらだってやってほしいとぼくはポールに期待しているんだよね。だってさ、もうなんかその〜、ある種の恩讐(みたいなものがあるの?)を越えたところに到達してほしいわけなのさ。

『パスト・マスターズ Vol. 1』にあるオリジナル楽曲篇では、14曲目の「アイ・フィール・ファイン」。ジョンが歌うこの奇跡のような一曲は、レイ・チャールズの「ワット・アイ・セイ」を参考にしたものだけど、ビートルズの全キャリアでも、こんなラテン・フィールなリズム&ブルーズがほかに見当たらないから、だから奇跡だなあって思うんだ。

話がそれていくかのように思われるかもだけど、日本のグループ・サウンズ、ザ・スパイダースの「バン、バン、バン」は、このビートルズの「アイ・フィール・ファイン」をも下敷きにしている可能性があるかも。あくまで直接的にはマインドベンダーズの「ラヴ・イズ・グッド」だろうけれども、ビートルズの「アイ・フィール・ファイン」は1964年発売のシングルだからなあ。

『パスト・マスターズ Vol. 1』ラストは、1965年のシングル「ヘルプ!」の B 面「アイム・ダウン」。このオリジナル・ソングもポールがロック・シャウトする。しかもこの曲は、本当にこの時期のビートルズのオリジナル楽曲か?と疑っちゃうほどクラシカルな1950年代の香りのするロカビリー・スタイル。ここでの歌も迫力があるし、このぎゅるぎゅる〜っていうオルガンだってポールなんでしょ〜。やっぱりすごかったよなあ。いまもカッコイイけど、ポールは。エンターテイナーだし。

だからさ、ポール、ポールの気持ちを察することなんてぼくにはできないけれど、どうか恩讐を越えて、ジョンやジョージのオリジナル・ソングもライヴでやってくんないかな〜、頼むよ〜。

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