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2018/12/23

オピカ・ペンデ(2)

78回転 SP 音源でたどるアフリカ音楽黎明期コレクション『オピカ・ペンデ』の二回目。ディスク3と4について。それぞれ中部〜東アフリカ篇と、南アフリカ〜インド洋篇ということになる。二枚とも、昨日書いた北アフリカ&西アフリカ篇よりも、一層ヴァラエティに富んでいるようにぼくには聴こえるのだが、勘違いだろうか。

三枚目はまず教会コーラスみたいなもの(コンゴ)ではじまるのだが、その後はケニヤ、コンゴ、タンザニア、カメルーンなどでのバンド編成音楽もたくさん並んでいる。2曲目はほぼギター弾き語りに近いもの(ケニヤ)だけど、3曲目のアディクワ(コンゴ)でモダンなバンド・グルーヴが聴ける。リンガラかな、これは。ギターはアクースティックだけど。ラテン音楽、というかはっきり言ってやっぱりキューバ音楽の影響が色濃く聴ける。3・2クラーベのパターンが入っているしね。すごくいいぞ、このアディクワ(Adikwa Na Bana Loningisa Rumba) の「Tolingana」!好き!

その後も、まだポップな大衆音楽化していない民俗的なものと、ポピュラー・ミュージックと呼んでさしつかえないものがないまぜになってどんどん流れてくるように思う。なかには(ちょっと北アフリカ地域を思わせるような)アラブ音楽的というか、いや、そうじゃなく、ムスリム音楽的ってことか、そんなものだってあるなあ。そりゃまあそうだね。

9曲目、Tobbo Eitel「Ja Bane」(カメルーン) も硬い木製音でクラーベ・パターンが入るキューバ音楽的なもの。これもバンド形式でかなりグルーヴィ。いいなあ。トランペットやクラリネットの管楽器も入っている。前者はやっぱりちょっとソンふう?そんなふうに聴こえないでもない。これもぼく好みのワン・トラックだ。爽快感だってある。

かなりジャズな10曲目、Kiko Kids の「Tom Tom」(東アフリカ)を経て、12曲目、グラン・カレ(Kabasele-Kibongue, Orchestre African Jazz)の「Titi」(コンゴ)もリンガラかな。アディクワといい、このあたりは要するにルンバ・コンゴレーズ黎明期ってことなんだよね、たぶん。いやあ、完璧にぼく好みの音楽です。好きだ、マジで。

あれっ、これはゲンブリ(モロッコ発祥の三弦ベース)の音だよね?って思っちゃう14曲目の Pancras Mkwawa「Ngosingosi」(タンザニア)を経、また17曲目、Ustad Amar Gaba「Ba'd el Zouz Marghub」(ケニヤ)は、まるでマカームを弾くウードの音みたいじゃないか!というのも経て、21曲目、Evarist & Party「Nambanda」がタンザニアの不協和合唱だ。こういうの、大好きなんだよね。

それに、24曲目、コンゴの Jean Bosco Mwenda が弾く「Masanga」の美しさったらないね。アフリカン・ギターの大傑作じゃないだろうか。っていうか世界中探したってアクースティック・ギター一台だけでこんな世界を表現できるのって、ほかにはハワイアン・スラック・キー・ギターだけじゃないの?ほかにありましたっけ?

南アフリカ〜インド洋篇のディスク4。マダガスカルの吹き人不詳のフルート・ソロではじまる。それはなんだか日本の尺八独奏にも似たニュアンスだってあるような?勘違いかもしれない。2曲目、Flying Jazz Queens の「Siyahamba」(南アフリカ)でいきなりモダンなフィーリングのポップ・ミュージックになる。バンド形式の伴奏で女声コーラスが歌い、ベースはエレキ。かなり楽しいぞ。

3曲目以後もそうだし、っていうかそもそも CD4は『オピカ・ペンデ』全編のなかでもきわだった特色があるんじゃないかと思うんだけど、それは明るいってことだ。サウンドの色調が、三枚目までとはあきらかに異なっている。使っているトーナリティのせいだろうけれど、それだけでもない。なにか世界が変容したような感じがするんだよね。気のせいかもしれない。ラテン〜キューバ音楽要素がやはり色濃くあるのは変わらない。

だれかは知らないんだけど、4曲目、Francis Baloyi And Shangaan Band の「Sati Wa Vakwela」(モザンビーク)で聴けるギターもかなりすごいよなあ。その上にヴォーカル単唱と合唱が重なっているが、ギター演奏がすごくいい。グルグル回転しているような幻惑的な弾きかただ。

5曲目、イヴニング・バーズの「Yenz' Inqab' Intombi」(南アフリカ)もいいがそれを経て、8曲目、レユニオンの Orchestre Andre Philippe And St.-Pierre「Cuisine Roulante」が楽しくて、これまたいい。演者名どおり、大編成バンドの模様。でも欧米のオーケストラみたいに整然としておらず、<ズレて>いるのが、かえって快感を呼ぶんだよね。

ぼく好みな11曲目のギター弾き語り、Americo Valenti「Wati Si Sasekahipahpa」(モザンビーク)を聴いている時間も極楽だ。っていうか12、Lucas Lunga「Vura Matambo」(ザンビア/ジンバブエ)、13、Wilson Makawa And His Guitar「Bambo Siyaya」(マラウィ)と、三つ続けてアクースティック・ギター弾き語りが続くセクションが、マジで大好き!ホント、だれなん?三人とも?すんごくいいね。

これもかなりジャズな19曲目、Transvaal Rockin' Jazz Stars「Swaziland」(南アフリカ)を経、親指ピアノ独奏+歌の21曲目、Elias Nelushi「Kama Kalinyana」(南アフリカ/モザンビーク)もいいが経て、アメリカン・ブルーズみたいな弾き語りに似た22曲目、Orbert Nentambo Zahke「Nongqangqa Lishonile」(南アフリカ)にたどり着く。南アフリカなのに、サハラのトゥアレグの、いわゆる砂漠のブルーズに近いような気がする。好物だ。

アコーディオン合奏にスティール・ギターがからんでワルツをやる、セイシェルの24曲目、Seychelles United Band の「Waltz of the Young Hearts」がいいなあと思ってゆったりしていると、次の25曲目が早くも四枚組ボックスのオーラスになってしまう。あっという間だった。それは南アフリカの Griffiths Motsieloa and Company がやる「Nkosi Sikelel' iAfrika」。南ア国歌。

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