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2019/01/05

オーネットのタイトな明快フュージョン 〜『オヴ・ヒューマン・フィーリングズ』

過去の名盤みたいなものが CD ではどんどん入手しにくくなりつつある。中古価格が、いっぽうでたったの一円とかの価格設定になっているかと思えば、もういっぽうで一万円を軽く越えていたりする。CD 一枚の値段ですよ。 どっちもイヤだ。オーネット・コールマンの1982年作『オヴ・ヒューマン・フィーリングズ』は後者のパターンで、超高値。まあ名盤じゃないかもしれないが、ぼくはかなり好きな一枚なんだよね。だけど、もはやフィジカルは入手不可になってしまった(涙)。だから、今日のこの文章も Spotify で聴いて書く。

オーネットの『オヴ・ヒューマン・フィーリングズ』のばあいは、当時から廃盤になるのも早かったらしいから、そのまま再発されていないってことかなあ。評価が低いとか人気もないとか、そんなことなんだろうか?そうかどうかよくわからないが、ぼくがこのアルバムを好きなのは、とても聴きやすく明快で、しかもシンプルで、悪く言えばワン・パターンというか、アルバム全体で一本調子で変化がないけれど、言い換えればたったの36分間を一気に駆け抜ける爽快さ、痛快さがあるから。

ツイン・ドラムスの一方に息子のデナード・コールマンが入り、エレベがジャマラディーン・タクマ。この総勢三名が、強くタイトなリズムをバキバキ決めているのがぼく好み。ファンクなリズムということになるかもしれないが、ぼくだったらロックへの接近と聴くところ。だからつまり、『オヴ・ヒューマン・フィーリングズ』はジャズ・ロック・フュージョンなんだよね。あっ、それで評判悪くて再発されないの?

特にジャマラディーン・タクマのエレベがキマっているのがうれしい。こういったサウンドのエレベがぶんぶん言わせる音楽、好きだなあ。同じようにタイトに叩いているドラマーは、どっちかというとデナードなんだろうか?二台のエレキ・ギターはほぼソロを弾かず、オーネットの背後で動くだけ。だからソロイストはオーネットだけと言ってさしつかない。

その主役オーネットも、いつになくわかりやすい鮮明なソロ内容を展開していて、そう、うんまあフリー・ブロウイングなんだけど、このひとのばあいはむかしからずっと、いわゆる前衛的な感じがしないのがいいね。明快な反復パターンやショート・パッセージをヴァリエイションを持たせながらの連発で、だからどっちかといえば、エンターテイメント性のあるジャズ、そう、ジャンプ・ミュージックやリズム&ブルーズといった芸能系ジャズに近い感触がある。と、ぼくは以前から感じている。

そんなオーネット元来の資質が、1970年代末〜80年代前半に、時代の流行のロック/ファンクと合体してタイトで明解になったのが『オヴ・ヒューマン・フィーリングズ』だったかもしれないよなあ。いや、ホントどの曲もだいたい同じような内容なのでアレですが、尺が短いんで飽きずに最後まで走り抜けられるよ。

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