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2019/03/04

夜明けのサンバ

これも2019年1月27日夕方に渋谷エル・スール店内で発見して買った一枚で、1966年の RGE 原盤、パウリーニョ・ダ・ヴィオーラ&エルトン・メデイロスの『夜明けのサンバ』(Samba Na Madrugada)。お店にあったのは2010年のボンバ盤だったが、中身は1997年の同社盤と差がないようだ。

このパウリーニョ&エルトンの『夜明けのサンバ』を一聴しての最大の印象は、パーカッションがまるでドラム・マシンみたいに響くなということ。ちょうど『暴動』のときのスライ・ストーンが使いこなしたドラム・マシンのサウンドに瓜二つだ。こんなことを言うと、サンバ、スライ双方のファンから総スカンを食らいそうだけど、ぼく的には間違いない実感。

でも『夜明けのサンバ』のほうにはマシンはおろかドラム・セットは使われていない。だいたいサンバってそんなもん使わないよね。じゃあこの音はなにを使って出しているのか?と思っても、CD パッケージ、附属の解説文のどこにも記載がない。なんらかの木製打楽器なんだろうなあ。叩くタイミングが正確だから、ということよりも、音色の類似と、それからやっぱりスライがうまかったんだなあ、ああいった(当時としては)無機的とされたビート・ボックスのサウンドに生々しさを与えていたから、ってことだと思う。だから似て聴こえるのだろう。

アルバム『夜明けのサンバ』では、基本、パウリーニョとエルトンが一曲づつ交互に歌い、ふたつあるメドレーでもやはり交互にやっているようだ。これを録音した1966年当時だと、二者とも新人の部類だったんだっけ?みずみずしくていいなあ。音楽の質も高い。それで、個人的には、パウリーニョの声のほうに共感をおぼえる。

エルトンの声のほうはちょっとザラッとしていてガサついているでしょ。ふだんはそういった濁りみ成分のある声や楽器音のほうが好みだし、サンバ・ヴォーカルとしても向いているかもしれないけれど、線の細いなめらかさを持つパウリーニョのソフト・ヴォイスのほうが、これにかぎってはぼく好み、このアルバム『夜明けのサンバ』にかぎってはね。

やっている中身は、『夜明けのサンバ』、だいたいがエスコーラ系カーニヴァル・サンバみたいだから、特筆すべきものじゃないような気がするんだけど、スライの使うドラム・マシンみたいなパーカッションの打音とパウリーニョの(新人的?)フレッシュ・クルーナー・ヴォイスで、なかなか鮮烈な快感を残す一枚だ。34分間と短いのも聴きやすくナイス。

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