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2019/03/05

アルジェリアの砂漠のブルーズに冷と熱が同時に宿る

このシビれるようなエレキ・ギター・リフの弾きかたは砂漠のブルーズだね。アルジェリアのバンド、Afous D'Afous の2015年作『Imzad』のこと。アルジェリアのバンドらしい歌謡性というか、ライに通じるような音楽要素も(主にリード・ヴォーカリストの唱法とシンセサイザーの使いかたに)ある。レゲエもわりと鮮明にあって、またロックっぽい感じもするっていう、だから要はミクスチャー・バンドってことか。

でもこういったマグレブ系ミクスチャー・バンドで砂漠のブルーズが主成分になっているひとたちって、いままでいましたっけ?ぼくは初体験なんだけど。アルジェリアも国土の多くが砂漠だし、南はマリと接しているし、トゥアレグ人はもちろんいるし、だからあの手のギター・ミュージックがあって当然だけど、いままでこんなかたちでは出てこなかった(と思うんだけど?)のが、う〜ん、どっちかというと不思議なのかなあ。

このアルバム『Imzad』は簡易なペラ紙ジャケに曲目以外の情報はほぼ記載なしだから、Afous D'Afous のバンド編成やパーソネルなんかはぜんぜんわからない。ジャケットに七人写っているが、聴いた感じ、ヴォーカル、エレキ・ギター、電子鍵盤、ベース、ドラムス、パーカッション、サックスといった編成かな。コール&レスポンスでバック・コーラスもどんどん入るのはバンド・メンの担当か?砂漠のブルーズにしてはギターが一本だけで、サウンドの彩りはにぎやかでない。

しかしこのだれが弾いているのかわからない(すごく知りたい)エレキ・ギターがビリビリシビれるフレーズを連発。ギター・トーンの創りかたもうまく、細かなフレーズを折り重なるように積んでいくというこのスタイルは、ぼくの個人的体験ではティナリウェンではじめて知ったもので、その系列にあるものなのは間違いない。なめらかでなく、ビリビリと、ひっかかりながら反復されるエレキ・ギター・フレーズ。だから、砂漠のブルーズのギターは、河内音頭のそれにも相通ずる(とぼくは思っているんだけどね)。

ホント、Afous D'Afous の『Imzad』はギターとヴォーカルだけ聴いているだけで気持ちいいんだけど、たとえば四曲目でタブラが使ってあったりもするし、アルバム終盤部でのレゲエ・リズムの活かしかたなんかは汎モダン・アフリカン・ポップス的かな?いや、同じアルジェリア出身のアマジーグ・カテブ(グナーワ・ディフュジオン)のと同じマナーかな?と思えたり。しかしサックスが常時聴こえるのはなかなか珍しいと思えたりもする。

やっぱりこのビリビリとシビれるめくるめくようなエレキ・ギターこそ、Afous D'Afous『Imzad』最大の持ち味にしてアピールに違いない。サハラのトゥアレグ・ギター・バンド・ミュージックの持つクールネスと、ライなどアルジェリア歌謡音楽独自のヒートを同時に感じさせるアルバムで、珍しいかもだけど、中身はなかなか充実していて聴かせる一枚に違いない。かなり好きで、なんども繰り返し聴いている。

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