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2019/07/21

パット・マシーニーの挑戦作『イマジナリー・デイ』

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https://open.spotify.com/album/0h3GpqEpPx8d0kd0ZfRRCf?si=_2LH6W_bQ-6yfTuqEyn4_Q

 

パット・マシーニー・グループ1997年の意欲作『イマジナリー・デイ』(ワーナー)。といっても CD ジャケットもブックレットをふくむパッケージングのどこも、ぜんぶこの象形文字しか記されておりませんので、だから現物では確認がむずかしいですのでネットで、あるいは Spotify で、それもネットか、ともかくそんなことでアルバム題や曲題など確認しております。いちおうブックレットの内側に一曲ごとにメンバーがなんの楽器を担当しているかはアルファベットで記載があって、なんとか助かりました。

 

で、『イマジナリー・デイ』。意欲作というか大作というか、まずオープニングの1曲目「イマジナリー・デイ」が流れてきただけでオオォ〜ってなりますよね。それまでパットの音楽とはかすりもしなかったイラン(ペルシャ)音楽なんですもんね。パットはどうして突然イラン音楽に接近したのでしょうか。そのへんわかりませんが、アメリカのジャズ・ミュージック方面からイラン音楽との合体を試みた作品もなかなかないなと思います。

 

曲「イマジナリー・デイ」こそがこのアルバムの目玉だとしていいはずです。この約10分間の壮大な音絵巻は何部かに分かれています。パットの使用楽器もそのたびに替わり、最初フレットレスなクラシカル・ギターですが、その後ギター・シンセサイザーに持ち替えたりなどしています。また、この曲にはおなじみのヒューマン・ヴォイスが入りません。これもグループ名義の主要曲としては珍しいことです。

 

ヒューマン・ヴォイスといえば、続く2曲目「フォロー・ミー」では活用されていますね。アルバム『イマジナリー・デイ』ではこの曲とあとちょっとだけなんです。「フォロー・ミー」はパット・マシーニー・グループの従来路線っぽいワン・ナンバーで、おなじみの曲想とサウンドですが、アルバムで少ないっていうことは、なにかの終焉を感じないでもないですね。パットの弾くテーマがハーモニクス音で構成されているのが、なんとも切なさ満点です。

 

その次の3曲目「イントゥ・ザ・ドリーム」もワールド・ミュージック路線。やはりイラン音楽にインスパイアされたものみたいですね。これはパットのギター独奏で、42弦のピカソ・ギターを活用しています。これはたぶんオーヴァー・ダブなしの一発演奏じゃないでしょうか。めくるめくような響きがして、しかも静謐で美しいですよねえ。いやあ、すばらしい。

 

一曲飛ばして5曲目の「ザ・ヒート・オヴ・ザ・デイ」。これはまずちょっとフラメンコっぽい感じがします。イラン(ペルシャ)音楽とはちょっと違うと思うんですけど、どうしてここでフラメンコが出てくるのでしょう。ハンド・クラップの使いかたももろフラメンコ調で、リズムのぐるぐるまわる感じとか、完璧にアンダルシアの音楽です。これも複数部構成になっていて、途中でやや静かなパートもあります。ギター・シンセサイザーのパート以後は、グッと来る高まりと感動がありますね。胸に迫るというか、そこではヒューマン・ヴォイスが効果的に使われています。

 

6曲目以後には、ここまでのようなおもしろさが薄いように思います。でもいわゆるジャズ・フュージョンとか、はたまたギター・ロックだとか、そういった方面から聴けばなかなか完成度の高い良質な音楽ですね。アルバム『イマジナリー・デイ』全体では意欲的な挑戦作といった趣ですからイマイチですけど。でもラストの「ジ・アウェイクニング」とか、相当いい内容に違いありません。アルバム全体がこうですから、ファンが離れたかもしれない一枚かもですね。

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