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2019/07/17

1930年代のニュー・ヨーク・ルンバ(2)〜 アフロ・キューバン

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http://elsurrecords.com/2017/11/25/v-a-invitacion-la-rumba-en-nueva-york/

 

『ルンバの神話(改訂版、ニューヨーク篇)』CD2は、アントバルズとザビア・クガート楽団の音源を収録してあります。この二者でだいたいぜんぶですから、簡単にメモしておきましょう。Orquesta Antobal’s Cubans は、アントバル〜サンシャイン夫妻が、活躍した弟アスピアスの突然の引退で、新たなバンドを創立したものです。ザビア・クガート楽団は説明不要ですね。

 

このアルバム収録のアントバルズのばあい、わりとスムースなサウンドをしているなという印象があります。それでもディスク1の音源の大半よりは快活で激しいルンバなのでしょうか。カーニヴァル用の、いわゆるコンガ(音楽ジャンル名としての)も数曲あります。なぜだかぼくはコンガ好きなもんで、そういったものは本当に楽しいですね。

 

コンガじゃなくてルンバかもしれませんがディスク2の3曲目「マリアンナ」とか、いいですねえ。そのものずばりな曲題の7曲目「ラ・コンガ」も大好物です。そのほか、10「パンチョにはみんな同じ」、11「キューバの思い出」、12「ノ・セ・プエデ」あたりが個人的好物ですね。やっぱりルンバかなとは思うんですが、やや激しめのダンス・ビートが効いています。同じダンス・ミュージックでもゆったりゆるいものより断然好きです。

 

ところでアントバルズのリズムはしばしばティンバレスが表現していますよね。1930年代にここまでティンバレスを大胆活用したラテン・バンドは、アントバルズだけだったのでしょうか。もっと時代が下ってのマンボや、もっといえばサルサ・ミュージック感覚の先取りと言えるかもしれません。アントバルズでもパッとブレイクが入ってその空間にティンバレスが飛び込んだりもしますしね。

 

CD2の15曲目以後はほぼすべてザビア・クガート楽団の音源ですが、このバンドは(アスピアス楽団〜)アントバルズに象徴されるニュー・ヨーク・ラテンの粋をそのまま受け継いで、アントバルズ崩壊後のラテン音楽界を背負って立ったのだと言えましょう。ザビア・クガート楽団は知名度も高いので、多言は無用です。このアルバム収録曲は、すべてマチートかミゲリート・バルデスがヴォーカルを担当したものですね。

 

特にマチートの参加は、1930年代終盤になってザビア・クガート楽団の音楽が急充実してくる最大要因だったかもしれません。16曲目「黒人の祈り」などを聴いてもそれがわかります。17曲目は「自動車コンガ」。コンガですから大のぼく好みです。いやあ、楽しいったら楽しいな。しかもクガート楽団のコンガはポップでカラフルです。とにかく楽しい。

 

18曲目「カリエンティート」は、ザビア・クガート楽団でマチートが最も実力を発揮したナンバーかもしれません。この曲はソンなんですが、さすがはキューバでソンのバンドを渡り歩いたマチートだけあるという安定した歌いっぷりで、バンドの伴奏も躍動的でイキイキしていて、いいですねえ。また、上でも言いましたが、クガート楽団の音楽は親しみやすいポップな魅力がありますよね。そんなところも好感度大です。

 

歌手ミゲリートがザビア・クガート楽団と共演したものは、このアルバムで全五曲。もっともっと聴きたかったと思わせる充実度で、こちらも文句なしです。ミゲリートのヴォーカルはマチートよりも技巧的、でありながらよりなめらかですね。楽団の演奏もそれにあわせるがごとくの流麗さで、いやあ、聴きごたえありますね。

 

ところで、ここに収録されているザビア・クガート楽団&ミゲリートの曲は、多くをアルセニオ・ロドリゲスが書いているんですね。ここはかなり興味深いところなので強調しておきたいです。アルセニオがまだ自身のコンフントを率いるようになる前ですけど、いわゆる<アフロ>・キューバン・ソングの創出に本物の黒人キューバ人のアルセニオがかかわったという事実は、アフロの意味を逆転させるものかもしれないですからね。

 

まああんまりそんな深いことを考えなくたって、アルセニオ+クガート楽団+ミゲリートの三者合体によるアフロ・キューバン・ソングの数々は、文句なしに楽しいですけどね。このアルバムだと22曲目「ルンバに惚れた」、24「泣けよ、ティンバレス」、25「アディオス、アフリカ」がそうですよ。

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