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2015/12/03

『刺青の男』と『女たち』

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1995年にパソコン通信を始めた時の最初のハンドルネームが「J.J.Flash」だったくらい、当時はローリング・ストーンズをよく聴いていた。『ヴードゥー・ラウンジ』が出た頃。あのアルバムは、今でも、僕が熱心に聴いたストーンズのスタジオ・アルバムでは、最後のものだ。今聴いても、フラーコ・ヒメネスが入っている曲なんか、なかなか面白い。次の『ストリップト』も、古い曲ばかりやっているからよく聴いたけど、あれにはかなりライヴ音源がある。

 

 

ストーンズを最初に聴いたのは、大学生の頃の1981年リリース『刺青の男』(Tattoo You)だった。当時ジャズのレコードばかり買っていた僕が、なぜこれを買ったのかというと、理由は単純でソニー・ロリンズが参加していると聞いたからからだった。ジャズ雑誌でも話題になっていた。

 

 

いざ『刺青の男』を買って聴いてみると、ロリンズと思しきサックスが聴けるのは三曲(「スレイヴ」「ネイバーズ」「友を待つ」)しかなく、しかもどれもことロリンズのプレイに関しては、どうってことはないと感じた。それよりオープニングの「スタート・ミー・アップ」のギター・リフ(と冒頭の歌がはじまる直前に一瞬跳ねるベース)にやられてしまった。

 

 

それで、次のライヴ・アルバムの『スティル・ライフ』も買って聴いて気に入って(イントロがエリントンの「A列車」だった)、それ以前のアルバムもいろいろと買って聴くようになったのだったが、ギタリストの弾くリフには、大好きなレッド・ツェッペリンのギター・リフにも負けない魅力があると知った。

 

 

だから、ツェッペリンと同じく、僕にとってのストーンズは、最初の頃はキースの弾くギター・リフのカッコよさが最大の魅力で、だから1960年代のものは、最初はイマイチ良さが分らなかった。「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」「ブラウン・シュガー」「ロックス・オフ」などが最高だった。

 

 

そういうアップ・テンポな曲が大好きで(「スタート・ミー・アップ」はアップ・テンポでもないけど)、だから同じくギター・リフが魅力的で、今ではストーンズの全ての曲の中で一番好きな「ダイスをころがせ」などは、ゆったりまったりとした曲調だったから、最初に聴いた時は、あまりピンと来なかったなあ。

 

 

1960年代のストーンズ・ナンバーでも「サティスファクション」だけは、ギター・リフがカッコイイので大好きだったけど。それにあの曲は映画『地獄の黙示録』で使われていて、サントラ盤も買っていたので、高三の頃から知っていた。ついでに言うと、ドアーズもあれで初めて知った(「ジ・エンド」)。

 

 

ストーンズに最初からあった(というかバンド結成のきっかけだった)黒人音楽への傾倒とその方面の音楽性や、1968年頃からしばらく顕著だった(そして今ではその頃が最高と思う)米南部風味などが分るようになるのは、もうちょっと先のことで、最初の頃はやたらとカッコイイギターを中心に聴いていた。

 

 

ストーンズの黒人音楽への傾倒といえば、ここ五年間ぐらいは、1978年の『女たち』の評価が、僕の中ではグングン上昇している。今頃なのか?と言われたら、まあ恥ずかしいんだけど、長年1968〜73年頃のストーンズが最高と思っていたんだよなあ。まあ今でもそう思ってはいるんだけど。

 

 

そもそもブルーズやR&Bばかりやっていたバンドではあったけど、ロニー・ウッドが初参加した1976年の『ブラック・アンド・ブルー』の一曲目「ホット・スタッフ」(これにはロニーは参加していないけど)などから、1970年代後半はかなりはっきりと米黒人音楽趣味が濃厚に出ていた。

 

 

とはいうものの、その「ホット・スタッフ」は何度聴いてもどこがいいのかよく分らず、ストーンズ風ファンクなんだなとは分るけど、今でも聴き所が分らない。『ブラック・アンド・ブルー』というアルバム自体、「メモリー・モーテル」と「フール・トゥ・クライ」以外は、今でもイマイチ。1970年代後半では、圧倒的に『女たち』の方が好きだなあ。

 

 

さっき書いた『刺青の男』の次に買った『スティル・ライフ』には「ジャスト・マイ・イマジネイション」が入っていて、テンプテイションズの名前もまだ知らなかったけど、曲も良いし、歌に絡みソロも取るアーニー・ワッツのサックスも好きだった。それのストーンズによる初演が『女たち』に入っていた。

 

 

僕が『女たち』を聴いたのはだいぶ遅くて、1990年代以後だったと思う(ので、最初からCDで聴いた)。その頃にはテンプテイションズも知っていたし、カントリーなどもまあまあ聴いていたので、「ファー・アウェイ・アイズ」も好きになった。でもあのアルバムの真価が分ってきたのは、最近なんだよなあ。

 

 

最初の頃は一曲目の「ミスー・ユー」が嫌いだったもん。ディスコ・ミュージックが好きじゃなかったし。僕は世代的にはドンピシャディスコ世代で、高校生の頃に大流行したんだけど、嫌いだった。ボンボンと鳴る低音も好きじゃなかった。でも最近は「ミス・ユー」もいいと思えるようになってきた。

 

 

「ミス・ユー」「イマジネイション」「ファー・アウェイ・アイズ」などだけでなく、「ビースト・オヴ・バーデン」のカーティス・メイフィールド風も好きだし、ラストの「シャタード」もたまらなく好き。というわけで、最近の僕の中では『メイン・ストリートのならず者』の次に評価が高いのが『女たち』となっている。

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