« 古い音楽を現代にやるという意味 | トップページ | スティーリー・ダンでのピーター・アースキン »

2015/12/10

ビートルズのバラード・アルバム

3b928daf39446eb99dc6b84d65e27572_la

 

 








今日は、ビートルズの『バラード』というアルバムを聴いていた。といっても、そういうCDは売っていない。昔、LPで聴いていた編集盤(もちろん公式盤)だ。カセットでも発売されていたらしい。 この編集盤のプロデューサーはジョージ・マーティンで、1980年に出たもののようだ。

 

 

今日聴いていたのは、LPではなく、そのLPの曲順通りにiTunesでプレイリストを作って、CDRに焼いたもの。曲順はココで分る→ https://en.wikipedia.org/wiki/The_Beatles'_Ballads このアルバム、僕が自分で買ったものではなく、ビートルズ好きの弟が買ってきたのを、僕も好きで聴いていた。

 

 

僕が自分のお金で買ったビートルズのアルバムは、1988年に出た『パスト・マスターズ Vol.2』が初。つまりCD。LPは、一枚も自分で買ったことがない。中高生の時にクラスメイトからレコード借りたり、その後弟が買ってくるLPレコードを借りて聴いたりしていたので、あらかた聴いてはいた。

 

 

1988年に『パスト・マスターズ Vol.2』が出る頃には、ビートルズのオリジナル・アルバムは全部CDリイシューされていたわけだけど、どうしてあれを最初に買ったのかというと、それまではなかなかまとめて聴くことができなかったシングル盤曲が、全部収録されているという理由だった。

 

 

1988年に初めてビートルズを自分で買ったというのも、僕の世代としては、ムチャクチャ遅い部類に入るだろうなあ。でも僕の世代では、学校へギター持ってきてビートルズ・ナンバーを歌う人もいたし、世代的にビートルズの曲は、自然にというか、意識しなくてもだいたいなんとなく知っている人が多かったはず。

 

 

1987/88年にCDでビートルズのカタログが整理されて以後、それまでアナログでいろいろと出ていた編集盤は、一切出なくなっているけど、『バラード』もそうだし、その他アルバム未収録のシングル曲を中心にした編集盤(『ヘイ・ジュード』など)などが、アナログでは結構出ていたんだよなあ。

 

 

その頃は、オリジナル・アルバムとそれ以外のコンピレイション盤の区別をあまりしてなくて、全部公式盤でもあったから、同じように並べて聴いていたのだった。そういう中に『バラード』もあって、タイトル通りバラード・ナンバーを集めたものだった。さすがはジョージ・マーティン制作だけあるという出来。

 

 

バラードといっても、厳密にはバラードではない曲も多く入っている。一曲目の「イエスタデイ」や「フォー・ノー・ワン」などはトーチ・ソング(失恋歌)だし、「アクロス・ザ・ユニヴァース」とか「ノーウェア・マン」みたいに、そもそも恋愛とは無関係な内容の曲も入っている。

 

 

「バラード」という言葉の解釈を広げてもいいんだと知ったのも、このアルバムのおかげだった。それまで僕はこの言葉をかなり厳密にというか、狭く捉えていて、ゆったりしたテンポのラヴ・ソング(特に求愛歌)だと考えていたけど、このアルバムにはそうでない曲もたくさん入っていたわけだったから。

 

 

まあやはりよくできたコンピレイションだったのだ。正直言うと、僕がアナログ盤(とそこからダビングしたカセット)で、一番回数多く聴いたビートルズのアルバムが『バラード』だったのだ。「アクロス・ザ・ユニヴァース」も、当時はややレアだった(と思う)バード・ヴァージョンが入っていた。

 

 

このアルバムでは初期の曲も全部ステレオ・ヴァージョンだった。その後自分で全部買ったビートルズのCDでは、初期四作はモノラル・ヴァージョンが収録されていたもん。それにこういうのでビートルズに親しんでいたせいで、このバンドに関しては、あまり「オリジナル・アルバム」で聴くという習慣が、僕は身に付かなかった。

 

 

1987/88年に出たCDでビートルズのアルバムを全部買ってからも、結構自分でいろいろ編集したマイ・ベスト・カセット(パソコンはまだ普及していない)を作って、そういうので普段は聴いていることが多かったしね。パソコンの音楽ソフトが普及して、そういうことがやりやすくなった現在の方が、あまりやらないのはなぜなんだろう?

 

 

まあ別にビートルズだけではなく、昔はよくオーヴァー・ジャンルのコンピレイション・カセットを作って、楽しんで聴いていた。そういう編集盤カセット、100本くらいあったはず(今はもう全部処分してしまったし、そもそもカセットを聴ける機器を持っていない)。作ること自体が楽しみだった面もある。

 

 

あまりにこの『バラード』に親しみすぎたせいで、「イエスタデイ」が終ると、自動的に脳内で「ノルウェイの森」のイントロのギターが流れてきてしまうようになった。それは今でもそう。『ヘルプ!』で聴いてもピンと来ないというのが現実なのだ。幸いなのか不幸なのか分らないけど。

 

 

『バラード』B面一曲目が「サムシング」で、これでポールのベースの面白さも憶えた。パソコン通信時代に仲良く話をしていたソウル・ファンの友人は、ビートルズがあまり好きではなく、ポールのベースについても、「まるで学級委員長みたいなベース」と言っていた。言いたいことは理解できる。

 

 

その友人はアマチュア・ベーシストでもあって、今でも時々趣味で弾いているみたいだけど、モータウンのジェイムズ・ジェマースンとか、タワー・オヴ・パワーのフランシス・ロッコ・プレスティアとかが好きらしい。初期のポール・マッカートニーのベース・スタイルは、ジェイムズ・ジェマースンの影響をモロに被っているんだけどなあ。

 

 

ビートルズの場合は、オリジナル・アルバム中心に聴くようになったのは、僕の場合は、2009年にリマスター・ボックス(ステレオ盤とモノ盤と両方)が出て、それを買ってからの話なのだ。ジャズの世界ではオリジナル・アルバム中心主義で、僕も昔からそういう聴き方だったのになあ。

 

 

編集盤マイ・ベストを作るのが、その頃から面倒くさくなってしまったというのも一因。ジャズだって、さっき書いたように、オーヴァー・ジャンルのコンピレイション・カセットにいろいろ入れて楽しんで聴いてはいたわけだし。

 

 

ビートルズの公式音源は、2009年リマスター・ボックスが全部iTunesに入っているけど、そこから編集したコンピレイションを作っているのは、その『バラード』だけ。もちろんこれはマイ・ベストではなく、公式盤LPだったわけで。

 

 

『ヘイ・ジュード』みたいなシングル盤音源中心のLPは、アルバム未収録のシングル盤音源が『パスト・マスターズ』二枚にまとめられたから、CDではもう出ないのは当然だろうと思うけど、『バラード』みたいな面白い編集盤は、CDでも出てもいいんじゃないかという気がするんだよなあ。

 

 

もうそういうコンピレイションは、自分で勝手に作って楽しんでくれということかもなあ。今はiTunesなどのソフトを使えば、そんなプレイリストは簡単にできちゃうし。でもパッケージ商品としての魅力ってものもあると思うんだけどなあ。こういうのは、フィジカルにこだわる古い考えなのかなあ。

« 古い音楽を現代にやるという意味 | トップページ | スティーリー・ダンでのピーター・アースキン »

ロック」カテゴリの記事

コメント

古い考えでもいいじゃないですか。フィジカルにこだわりましょうよ。
こだわりがあったほうが面白いですよ。フィジカルにこだわっていないと味わえない楽しみがありますよね。
エル・スールからの荷物が届くと、相変わらずニヤニヤしてしまいますよ。

イワタニさん、まあでも最近は配信にしか存在しないというか、日本では普通にはCDを買えないものも結構増えてきているので、僕もそういう配信音源をまあまあ買ってます。聴く時は大抵CDRに焼くんですけどね。

配信のみという音源ばかりになってきましたね。
ショップもどんどんなくなっていくし。でも、頑張りますよ。今だにSPを追い求めている人だっているんですから。最新だけが新しい音楽ではない、古い音源だって新しい発見があるんです。
そんな発見こそが、音楽の面白いところですよ。

イワタニさん、そういうSP時代の古い音源に、配信のみでしか買えないものが結構あるんですよね。

なるほど。
それは嫌がらせですね。
だって、そんな音源はまさしくフィジカルにこだわる人しか聞かないでしょう。

イワタニさん、LPであれCDであれ配信であれ、一度でもリイシューされるものというのは、当時リリースされていたSP盤総数からすれば、極々一部、氷山の一角なんですから、配信でも聴けるのは有難いと思わなくちゃいけないんだろうとは思いますけれどね。というわけなんで、僕は買っていますよ。だって全然聴けないよりは、はるかにマシですから。

としまさんゴメンなさい。
配信で音楽を聴くことがダメとは僕も思いませんよ。としまさんのように配信まで利用されていることは、凄いなーと、ぼくは感じているぐらいですよ。
レコードやCDには音楽を聴くだけではない魅力がありますよね。そんな魅力をいつまでも味わいたいですよ。お金のやりくりが大変だけど、その魅力は失くしたくないんですよ。

イワタニさん、僕もLPやCDなどのパッケージ商品のほうがはるかに魅力的だと思いますよ。どんなに配信が発達しても、この気持はおそらく死ぬまで変りません。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ビートルズのバラード・アルバム:

« 古い音楽を現代にやるという意味 | トップページ | スティーリー・ダンでのピーター・アースキン »

フォト
2022年12月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
無料ブログはココログ