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2016/01/07

アクースティック・ギターの音が大好き

Sticky

 

Burritodeluxe

 

 








ロックやポップス・ナンバーで、全面的にアクースティック・ギターが活躍する曲も大好き、というか最近はどっちかというとそれの方が好みになってきているんだけど、エレキ・ギターやエレピがメインの曲で、控目にさりげなくアクースティック・ギターが小さく鳴っていたりするのは、もっと好きだ。

 

 

例えば、僕がレッド・ツェッペリンと並んで、一番最初に好きになった洋楽歌手であるビリー・ジョエルの代表曲「素顔のままで」。ビリー・ジョエルの弾くフェンダー・ローズとヴォーカルから始るけど、すぐにアクースティック・ギターが入るよねえ。

 

 

 

まあこの曲の場合は、そんなにエレクトリックなサウンドとも言えないし、アクースティック・ギターだって、地味目というよりはっきり聞えるから、ちょっと最初に僕が書いたような感じではないかもね。でもやっぱり主役はフェンダー・ローズだと思うんだよねえ。リズムを刻むアクースティック・ギターがステキだ。

 

 

ビリー・ジョエルの曲にはこういうのが多くて、エレキ・ギターを大きくフィーチャーしたロック・ナンバーが多い『グラス・ハウス』などは例外的だ。ビリー・ジョエルって、ロック歌手とも言いにくくて、ロック系のポップ歌手なんだろう。厳密に区別するのは無意味なことだけど。

 

 

純然たる(ってなんなんだ?)ロック・バンドだと、1968〜72年頃のローリング・ストーンズが、まさにそういうアクースティック・ギターを控目かつ効果的に使っている代表例の一つだろう。それもあって、やっぱり僕はストーンズではこの時期が一番好きなんだよねえ。この時期にはそんな曲が多い。

 

 

1968年の『ベガーズ・バンケット』や、次作の69年『レット・イット・ブリード』みたいな、全面的なアクースティック・サウンドの曲が多いアルバムも大好きだけど、個人的にはその次からの71年『スティッキー・フィンガーズ』と72年『メイン・ストリートのならず者』の方がもっと好きだ。

 

 

例えばハードなロック・ナンバー「ブラウン・シュガー」だって、エレキ・ギターが中心にはなっているけど、アクースティック・ギターが実に効果的に入っているよねえ。 キース・リチャーズの弾くエレキ・ギターのリフ四回が終った直後から聞える。

 

 

 

この「ブラウン・シュガー」のアクースティック・ギターも、間違いなくキースが弾いているはずだ。そして実にいい感じのアクセントというか隠し味というかスパイスになっているよねえ。振返れば、『ベガーズ・バンケット』一曲目の「シンパシー・フォー・ザ・デヴィル」だって、アクースティック・ギターが入っている。

 

 

もっとも「シンパシー・フォー・ザ・デヴィル」の完成品を聴いても、アクースティック・ギターは聞えない。それに気付いたのは、ジャン・リュック・ゴダール監督の映画『ワン・プラス・ワン』を観てからだった。あの映画での同曲制作途中のシーンでは、全員がギブスン・ハミングバードを弾いている。

 

 

それを観てから思うようになったのだが、ストーンズの連中がスタジオで曲創りをしていく過程では、どうもアクースティック・ギターをメインに組立てていっているのではないだろうか。覗いたことなんかないから分らんけど、なんかそんな気がしているんだよねえ。そう考えると合点がいくことが多いんだ。

 

 

もともと米国産ブルーズやR&B一本槍のバンドだったストーンズに、1968年頃からだんだんカントリー・ミュージックの影響を強く受けた曲が増えてくるというのも、この事実と深い関係があるように思う。カントリー・ミュージックの影響は、その時期からの米南部音楽嗜好と決して無縁ではない。

 

 

『スティッキー・フィンガーズ』では、「ブラウン・シュガー」と並ぶ代表曲である「ワイルド・ホーシズ」。 スパイス的にエレキが入る以外は、アクースティック・ギター中心のサウンドだけど、カントリー風であると同時に南部風味を強く感じる。

 

 

 

グラム・パースンズ在籍時代のバーズとフライング・ブリトー・ブラザーズからの影響が、この頃は強くなっていて、やはり『スティッキー・フィンガーズ』収録の「デッド・フラワーズ」なんかモロそうだよねえ。 凄くチャーミングだと思うなあ。

 

 

 

この頃のストーンズとグラム・パースンズの関係は、みなさんご存知の通りかなり深いもので、「デッド・フラワーズ」がグラム・パースンズ関連の歌だというだけでなく、「ワイルド・ホーシズ」は、グラムが曲に惚れ込んで頼み込んで、フライング・ブリトー・ブラザーズの方が先に録音・発売している。

 

 

そもそも1969/70年頃からストーンズの連中にカントリー系のロック音楽を教えたのは、他ならぬグラム・パースンズだという話もあるくらいだ。実際、69年の『レット・イット・ブリード』から、それがはっきり伺える。次の『スティッキー・フィンガーズ』では、それがそのまんまモロに出ているわけだ。

 

 

「ワイルド・ホーシズ」も「デッド・フラワーズ」も、1995年の『ストリップト』で、全面的なアクースティック・サウンドで再演していて、実はこのアルバムは(ストーンズではおそらく個人的には最新の)愛聴盤なんだけど、でも両曲ともオリジナルにはあった南部風味はほぼ消えちゃっているんだな。

 

 

ただそうではあるけれど、「ワイルド・ホーシズ」だけに関しては、個人的には『ストリップト』ヴァージョンの方が、『スティッキー・フィンガーズ』のオリジナルより、出来がいいんじゃないかと思っている。 ダリル・ジョーンズのベースやチェック・レヴェルのオルガンがいい感じ。

 

 

 

この「ワイルド・ホーシズ」は、当時CDシングルでも発売された。その四曲入りシングル盤には、その他は当時のライヴから「タンブリング・ダイス」「リヴ・ウィズ・ミー」「ギミー・シェルター」が収録されている。「タンブリング・ダイス」は、控室でピアノを弾きながらの遊び演奏から突然本番ライヴに繋がるという面白い趣向。

 

 

1969年頃から顕著になったストーンズのアクースティックなカントリー・ロック路線は、その後もずっと続いていて、カントリー・ロックというより、カントリー・ナンバーそのものじゃないかという曲もあったりする。1978年の『女たち』収録の「ファー・アウェイ・アイズ」などがそうだ。

 

 

 

お聴きになれば分る通り、「ベイカーズフィールド」という言葉も歌詞の中に出てくるもんねえ。アクースティック・ギターを中心としたサウンドの中に、ロン・ウッドの弾くペダル・スティール・ギターが入って、そのまんまカントリー・ナンバーだ。

 

 

またカントリー・ロックとは言いにくいけど、1994年の『ヴードゥー・ラウンジ』では、「スウィートハーツ・トゥゲザー」一曲に、アコーディオンのフラーコ・ヒメネスが参加して、テックスメックス味がちょっとだけある。この曲もアクースティック・ギターが控目かつ効果的に使われているもんなあ。

 

 

以前書いたように、僕は『刺青の男』一曲目「スタート・ミー・アップ」出だしのギター・リフでストーンズに惚れちゃった人間なので、長い間、エレキ・ギターのリフがカッコイイ曲が圧倒的に大好きで、アクースティック・ギターが聞える曲は敬遠していたくらいだった。レッド・ツェッペリンにしてもそうだった。

 

 

それが1990年代後半からは、ストーンズでもツェッペリンでも、どういうわけか、どっちかというとアクースティック・ギターが中心だったり、それが効果的に入る曲の方が好きになってしまった。ツェッペリンのそれは主にジミー・ペイジの英国トラッド趣味だけど、ストーンズのは米カントリー風味だね。

 

 

それでも、英トラッドや米カントリーそのものには興味はあるものの、ブラック・ミュージックほどには聴いていない。やっぱり、それらがロックなど他ジャンルとクロスオーヴァーしたものが好きなんだろう。エレクトリック・サウンドに控目に入るアクースティック・ギターが好きという話をしようと書始めたのに、なんだかちょっと違うようなことになっちゃったな。

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