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2016/04/13

ロニー・バロン版『ガンボ』

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ドクター・ジョンの『ガンボ』で、「アイコ・アイコ」以外に大学生の頃大好きだったのがB面に入っていたアール・キング・ナンバーの「ゾーズ・ロンリー・ロンリー・ナイツ」。 もっともその頃アール・キングという名前は知らなかったけれども。
間奏のギター・ソロがアール・キングというよりギター・スリムそっくりだよね。もちろんギター・スリムという名前も当時は全く知らない。ただなんとなく面白いなと思っていただけだった。このギター・ソロはドクター・ジョンが自分で弾いているらしい。そのことも当時は気付いていなかった。

そもそも大学生の頃に『ガンボ』を買って聴いた時は、彼はピアノとヴォーカルの人だとばかり思い込んでいた。クレジットもちゃんと見ていなかったわけだ。A面ラストにもアール・キング・ナンバーの「レット・ザ・グッド・タイムズ・ロール」(「カム・オン」)があって、そこでのギターもドクター・ジョン。

アール・キングの「レット・ザ・グッド・タイムズ・ロール」、ルイ・ジョーダンにも同名の曲があって(僕はB.B. キング・ヴァージョンで知った)、一応それと関係あるみたいなんだけど、できあがったものは別の曲だね。紛らわしいなあ。だからアール・キングの曲の方は「カム・オン」と呼ぶことも多い。

ところでドクター・ジョンという人、ピアノ以外にギターも弾くというより、そもそも最初はギタリストとして出発した人だったというのは相当後になって知ったことだった。なんでも1961年に同郷の音楽仲間ロニー・バロンをかばって拳銃で左手を撃たれ、それでギタリストは断念したらしい。

ギター・スリムやアール・キングはギタリストを目指していた頃のドクター・ジョンのアイドルだったんだろう。そもそもアール・キングはギター・スリムのイミテイターとして出発した。「ゾーズ・ロンリー・ロンリー・ナイツ」だって「シングズ・ザット・アイ・ユースト・トゥ・ドゥー」に似ている。

断念したとはいっても結構いろんなアルバムでギターも弾いているんだけどね。ドクター・ジョンのギタリストぶりで僕が印象に残っているのは、1994年のクレセント・シティ・ゴールド名義の『ジ・アルティミット・セッション』。ニューオーリンズの音楽仲間によるニューオーリンズ・クラシック集。

『ジ・アルティミット・セッション』には、これまたアール・キング・ナンバーの「トリック・バッグ」が入っているけど、この曲を僕が知ったのは大学生の頃に買った、先に名前を出したロニー・バロンのソロ三作目『ブルー・デリカシーズ Vol.1』。原盤は1979年だけど、僕が買ったのは81年ヴィヴィド・リリースの日本盤だった。
僕はこのアルバム一曲目でいきなりロニー・バロンの大ファンになった。これがロニー・バロンを聴いた最初(と言っても『ガンボ』でちょっと弾いてはいる)。ポール・バターフィールズ・ベター・デイズとかもまだ全然知らなかったのにどうしてこのLPを買ったのかは、これはもう絶対にジャケ買いだね。凄くチャーミングに見えたもん。

『ブルー・デリカシーズ Vol.1』は、今考えたらロニー・バロン版『ガンボ』みたいなもんでニューオーリンズ・クラシック集だった。アール・キング以外にもプロフェッサー・ロングヘアも二曲やっている(「ビッグ・チーフ」「ヘイ・ナウ・ベイビー」)し、パーシー・メイフィールド・ナンバーもある。

一番面白いと思っていたのが「ライツ・アウト」という曲で、大学生の頃は歌のバックのリズム・ブレイクがなんとなく面白いと感じていたけど、これは完全に3−2クラーベだね。『ガンボ』の「アイコ・アイコ」と同じ。まさにニューオーリンズ的ラテン・テイスト。
「アイコ・アイコ」とか「ライツ・アウト」とか3−2クラーベ・リズムの曲が大好きだったんだから、やっぱり子供の頃に父親の運転するクルマでラテン音楽の8トラばかり聴かされていた素地が生きていたってことだろうなあ。今でも同様のリズムを使った音楽を聴くとムズムズするもんなあ。

アルバム・ラストの「リヴァーズ・インヴィテイション」でも、パーシー・メイフィールドのタンジェリン版(https://www.youtube.com/watch?v=G1AWqidjGA0)そっくりのラテン風味の強いアレンジになっている→ https://www.youtube.com/watch?v=WREHPBx1Agc 間奏のテナー・サックス・ソロもいい感じ。

最初に聴いたロニー・バロンがこういう感じだったから、その後ポール・バターフィールズ・ベター・デイズを聴いても、その音楽自体は凄く大好きになったんだけど(僕はだいたいハーモニカが大好き)、ピアノなど鍵盤で参加しているロニー・バロンのプレイについては特に強い印象は抱かなかった。

余談だけどベター・デイズではロニー・バロンがどうこうというより、エイモス・ギャレットを知り彼のギターに惚れた。特に二曲目のパーシー・メイフィールド・ナンバー「愛する人が欲しくて」でのギター・ソロは今聴いても泣きそうになってしまう。みんなそうなんじゃないかなあ。
普通はベター・デイズでロニー・バロンを知ったという人の方が多いんだろう。僕は特殊な例だったのかも。その後ロニー・バロンの他のソロ・アルバム(三つしかないけど)も聴いてみたものの、どれもさほどいいとは思えなかったから、『ブルー・デリカシーズ Vol.1』だけが傑出していたのか?

『ブルー・デリカシーズ Vol.1』もいろんなタイトルかついろんなジャケットでCDリイシューされている。僕はやっぱりこのタイトルと上掲画像のジャケットだなあ。 これもオリジナルじゃないんだけど、このヴィヴィド盤ジャケットに思い入れがあるんだよね。でもこのジャケットとアルバム・タイトルでは、いまだに一度もCDリイシューされていない。

言うまでもないけれど1981年に『ブルー・デリカシーズ Vol.1』を買って聴いてライナーを読んでも、そこに書いてあるアール・キングとかパーシー・メイフィールドとかそういう文字列の意味するところは全く分らなかったし探求もしなかった。ディグするようになったのは随分と後になってから。

もっともそのライナーノーツ、誰が書いていたのかは全然憶えていないけど、四曲目のカルテット・スタイルのゴスペル・ナンバー「シンギング・イン・マイ・ソウル」のオリジナルが誰だか分らないとあった。僕なんかが当時知るわけないんだけど、その後これはスワン・シルヴァートーンズの曲だということを知った。

ロニー・バロン版→ https://www.youtube.com/watch?v=atQxThrB_Q8
スワン・シルヴァートーンズ版→ https://www.youtube.com/watch?v=K3Qr7QoCXpQ

ほぼ同じだね。ロニー・バロン版のバック・コーラスはチェンバーズ・ブラザーズ。ちなみにロニー・バロンの『ブルー・デリカシーズ Vol.1』の全ての曲でベースを弾きプロデュースもしているのは、キャンド・ヒートのラリー・テイラーなんだよね。

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