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2017/10/29

ワァ、これはなんだ?!(アフリカン・ポリフォニー 2)

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昨日は2012年か13年か忘れちゃったようなことを書いたけれど、いまエル・スールのサイトで確かめたら2012年6月の入荷となっているので、やはり12年だったようだ。ムチョヤ&ニャティ・ウタマドゥニというタンザニア中央部ドドマの合唱団のアルバム『チナ・ニェモ』(という読みでいいのでしょうか?)。そういえばたったいま思い出したが、僕はこの一枚を2012年のベスト・アルバム首位に選んだんだった。

ベスト・テン首位に選んで、当時はまだブログをやっていなかったが Twitterでこれを発言していると、ふだん読んでくださっているふつうのジャズ・ファンの方が興味を示してくださって、エル・スールで(DVD のほうを)買ってくださったそうだ。やっぱりそういうことがあるとすごく嬉しいし、音楽のことを書くやりがいもあるよなあ。

しかし僕がムチョヤ&ニャティ・ウタマドゥニの『チナ・ニェモ』を最初に聴いたときは、本当にワァ、なんだこれは〜っ?!なんだかものすごいものを聴いてしまったぞ!こんなポリフォニック・コーラスはいままでまずほとんど聴いたことがないなあと思いつつ、連想したのがやっぱり昨日書いたピグミーの合唱と、それからブルガリアの合唱だ。でもまあどっちかというと、ピグミーの合唱だよね。このタンザニアの合唱もほぼ同じ音楽だと言って差し支えないはず。

ふつうのみなさんはピグミーの合唱のほうが、まあなんというかむかしから紹介されてきたものだということもあって馴染み深いものだと思うんだけど、僕個人の印象だと、タンザニア盤ムチョヤ&ニャティ・ウタマドゥニのほうがもっとすごいように聴こえてくる。それでこれ、確か荻原和也さんがブログで書いていらしたはずだと思って、なにをお書きだったか確認しようとしたら、さっきから一時間以上も繰返しやっているがいっこうに開かない。Astral さんのブログも同じで、ほかのブラウザやマシン、ディヴァイスでアクセスを試みてもダメだから、so-net ブログ全体が障害かメンテナンス状態なんだろう(2017年10月22日13時前後。その後24時間経過してもダメ)。

したがって僕の独力で書いていくしかないが、いささか自信がない。ところでこのタンザニア盤、ヴォリュームを上げて聴くとヤバいんだよね。後頭部が痺れてジ〜ンとしてくるみたいで、しかもなんだか身体がスーッと空中に浮かんでいくような感触がする。いやアンタ、それはアンタがおかしいんだ、一度病院で診てもらえってことかもしれないが、僕はアイヌの女性合唱団マレウレウの輪唱でも同じように身体が宙に浮く体験をしたことがある。どうも僕はそういったポリフォニック&ポリリズミック合唱でそうなりやすい人間なのかもしれない。

ポリフォニック&ポリリズミック合唱で、コール&レスポンスを基本とするというのは、このタンザニア盤でも肝だと思うんだよね。例えば一曲目「Wababa Na Wayaya」。まず男声メイン・ヴォーカリストがワン・フレーズ歌うとすぐに女声コーラスが出て、直後に男声の中音域で「イョッシィ、イョッシィ…」という掛け声が入りはじめる。その掛け声は一曲を通しずっと反復されて、通奏低音のようになっている。

その「イョッシィ、イョッシィ…」がベースになって、女声の囃子声が、メイン・ヴォーカリスト(コール)に対する復唱(レスポンス)になっている。シェケレみたいなパーカッション・サウンドもずっと鳴っているのが聴こえる。しばしばポリフォニーは混声になり、喉笛のようなもの(これも混声だろう)が聴こえる。女声の喉笛は、例えばサハラのトゥアレグ音楽、いわゆる通称砂漠のブルーズでも入るし、北アフリカ音楽にもあるが、このタンザニアン・ディソナント・ポリッフォニーのものがいちばん迫力がある。

ディソナント、すなわち不協和だということは説明不要だと思う。西洋音楽の考えかたでアフリカの合唱を聴くことはできないから、あまりこういう言いかたも意味がない。濁って澱んだ響きのヴォーカル・コーラスに確かに聴こえるが、それがこの上なく美しく聴こえるよね。しかもプリミティヴな音楽なんだろう?と思われると、実はかなり綿密にアレンジされて組み立てがしっかりしているものだ。一曲目についてここまで書いたことだが、それがほかの収録曲でも緊密な構成で配置されていて、どこでどうやれば効果的に聴き手にアピールできるか、考え抜かれている。

タンザニア盤『チナ・ニェモ』二曲目のアルバム・タイトル曲だけ、二年前に僕は自分で YouTube にアップロードしてある。3570 views だからそんな無視されているわけでもないよなあ。しかもコメントだって付いているのだが、そのコメント、そもそも何語だかも僕には分らないんだ。どなたかお分りになる方、教えてくださいませんか?
お聴きになって分るように、このタンザニア盤はかなり音圧が高いんだよね。それがド迫力で迫ってくるし、混声の大合唱団が一丸となって「これぞアフリカだ!」「これこそがアフリカン・ポリフォニーだ!」と大きく主張せんと歌い、囃し、鳴らしては、変幻自在かつドロドロのヴォーカル・パフォーマンスで圧倒してくるから、そりゃあ後頭部もジ〜ンとそて身体も宙に浮く(ような幻惑感がある)っていうもんじゃないかなあ。

タンザニア盤『チナ・ニェモ』。もちろんヴォーカルが中心の音楽だけど、伴奏は太鼓系のパーカッションだけでなく、弦楽器??系のサウンドが聴こえたり、アルバム・ラストの六曲目「Ngadu」では管楽器??というか、笛のようなサウンドも聴こえたりする。この六曲目の伴奏は、ほかの曲の伴奏に比べると彩りが異なっている。また太鼓みたいな音がするパーカッション(だと思うが?)が奏でるポリリズムはかなりの迫力で、このアルバム最大の魅力であるポリフォニック合唱とあいまって、これほど強靭でしなやかな音楽は世界にそうはないはずだと確信する。

タンザニア中央部ドドマの合唱団のアルバム『チナ・ニェモ』。これぞアフリカン、いや全人類最高のポリフォニー。これぞ全人類最高のトランス・ミュージックだ。こんなとんでもなくものすごいものに出会えることがあるもんだから、それで部屋のなかで聴きながら身体が浮いたりするもんだから、やっぱりいろんな音楽を探して聴きまくることはやめられなないよなあ。

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コメント

障害は解消したようなので、どうぞ(いまさらかな?)⇒http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2012-05-29

タイトルの読みは「チャイナ」じゃなくて、たぶん「チナ」ではないかと。

あ、はい。ありがとうございます。『チナ』に直しておきます。

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