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2018/03/07

5 petites belles fleurs pourpres

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まずはプレイリストから。これも肝心なものが、一部、ネットにない。

 

 

1) Do U Lie? (Parade)

 

2) Starfish And Coffee (Sign O' The Times)

 

3) LoveSign (Crystal Ball)

 

4) Extraordinary (The Vault: Old Friends 4 Sale)

 

5) Goodbye (Crystal Ball)

 

 

さほど目立たずだれも話題にしない小品のなかにも美しい花があるプリンスの音楽。プリンス特集の最後にそんなものを五つだけ並べてご紹介しておきたい。上記五曲は、まずだれも褒めない。話題になっていることなんてちっともない。だけど、美しいんだ。僕が愛する花がここにある。

 

 

一曲目の「ドゥー・U ・ライ?」。アルバム全体としてはきわめて評価の高い『パレード』のなかで最も評価が低いどころかまったくだれにも相手にしてもらえないのがこれだ。たしかにねぇ、うんまあ。これはもとの映画『アンダー・ザ・チェリー・ムーン』がフランスに関係するものだったせいか、冒頭部で少女の声がフランス語をしゃべっていて、その後、男声で「ありがとう」と聞こえる。プリンスも歌の冒頭部で少しフランス語で歌う。

 

 

音楽的に「ドゥー・U ・ライ?」がフランスと関係あるのか?というと、すこしあるように思う。アコーディオンの使いかたがシャンソンふうじゃないか。またちょっとした小唄みたいな感じで、軽いジャズ系の古いポップ・ソングみたいでもある。ドラマーは(基本)ブラシでやさしく撫で、リズムもフラットな2/4拍子。

 

 

このなんでもない小さなポップ・ソングみたいな「ドゥー・U ・ライ?」のことが、ジャズ・ファンである僕はずっとずっと前からかなり好きなんだよね。あのアルバム『パレード』のなかではチェンジ・オヴ・ペース、小休止的なワン・トラックで、これだけ抜き出して聴いて好きだとかいうファンは、まずいないよね。ぜんぜんいない?

 

 

でも「ドゥー・U ・ライ?」、なかなかチャーミングで愛らしい、可愛い、プリティな一曲だと思うなあ。この曲を聴いていると、背の低いキュートな女の子を眺めているような、そんな気分に僕はなる。

 

 

二曲目「スターフィッシュ・アンド・コーヒー」のことは、以前『サイン・オ・ザ・タイムズ』の記事で書いた。ここには汚れない無垢な美しさがあると思うんだ。それがゆえに、聴いているとかえって少しだけこわい気分にもなってしまうことがある。でもホッと癒されるよなあ、これは。

 

 

三曲目「ラヴサイン」。隠れた名曲じゃないだろうか。『クリスタル・ボール』では曲名のあとに「リミックス」とあるので、別のオリジナル(?)・ミックスみたいなものが既発だったということなのか?それは知らない僕。いずれにしても隠れてしまっているのがもったいない、美しく素晴らしい名曲だよね。都会的で夜のムードがある。

 

 

四曲目「エクストローディナリー」のことは、以前これが収録されたアルバム『ザ・ヴォールト:オールド・フレンズ・4・セール』の記事でしっかり書いたつもり。だいたいあれはなかなかいいアルバムなのに、これまただれも真剣に相手してくれないじゃないか。蔵出し音源であるせいなのか?実にもったいない。なかでもアルバム・ラストのこのバラードは、ハッと息を飲むような美しさ。こういうのを「美」っていうんだ。

 

 

 

五曲目「グッバイ」も『クリスタル・ボール』の記事でちゃんと書いたつもりだ。

 

 

 

この「グッバイ」は、プリンスのほぼ全音源を(僕なりに)しっかり聴きなおしてからは、生涯のベスト・ワン・バラードだったに違いないと信じるようになっている。失いつつある愛を嘆く内容だから、正確にはバラードじゃなくてトーチ・ソング的だけど、そんな歌詞内容なんて、なにも失くしていない僕には関係ないんだ。

 

 

歌詞じゃなくて、メロディの動きが本当に美しいと思うんだよね。サウンドも綺麗だ。コンピューターで創ってあるビートもちょうどいい。プリンスの一人多重録音でのヴォーカル・コーラスも効果満点。メイン・ヴォーカルはお得意のファルセット唱法でやっていて、あの美しいメロディをとろけるような甘さ、切なさで綴る。

 

 

また特にコーラス部分での “For that matter, whatever to make you reconsider / Is there truth when you make love to a lie?” と歌うところでの、上昇しながら反復し、たたみかけるメロディの動きは、いまだになんど聴いてもそのあまりの素晴らしさに、ため息しか出ない。この「グッバイ」が、いまの僕にとってのザ・ベスト・オヴ・プリンスだ。

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