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2018/12/25

年間ベスト・テン 2018

ネットで個人が発表しているものは、たぶんみなさんだれにも頼まれず勝手にやっているだけの、年間ベスト・テン。そしてぼくのばあいは完全なる自己満足。例年どおり12月25日付で記しておこう。毎度のことながら、ぼくの選ぶ対象は、今年リリースということより今年出会った音楽作品ということ。

 

 

ではまず、以下の新作篇&リイシュー/発掘篇で10個づつ選んだもののうち Spotify で聴けるものをぜんぶ並べて一個のプレイリストにしておいたので、それから。リイシュー篇はやはりネットで聴けるものが少なかった。いっぽう新作篇で未配信のものは一定傾向を見せているかもしれない。

 

 

 

また、Spotify は自動でこんなプレイリストを作成し、お知らせしてくれる。題して「Your Top Songs 2018」。今年ぼくがこの音楽配信サーヴィスでどんな曲をたくさん再生したのか、一目瞭然。傾向と趣味と生活が丸見えになっているよねえ…。

 

 

 

じゃあ、分野を問わず全体的にブラジルの音楽がかなり充実していた(ブログ記事にしておらずベスト・テンにも入れられない秀作がいくつもあり)という個人的印象を持っている2018年の新作篇ベスト・テンから。


 

 

【新作篇】

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(1)Iona Fyfe / Away From My Window(スコットランド)

 

(2)岩佐美咲 / 岩佐美咲コンサート2018(日本、DVD)

 

(3)Nina Wirtti / Joana de Tal(ブラジル、2012年作)

 

 

再生回数からしても、強い癒しになっているという点からしても、このトップ3しかない。金銀銅みたいな順位はほぼなし。この三枚をなんど聴いたことか、なんど救われなんど励まされ、なんど生きていく力をもらったことか、わからない。三人には、音楽には、本当に感謝しています。アイオナ・ファイフ、岩佐美咲、ニーナ・ヴィルチ、この三人のことは死んでも忘れません。あたたかく、かつ爽やかな気分になれる。

 

 

 

 

 

(4)Paulo Flores / Kandongueiro Voador(アンゴラ、2017年作)

 

 

在ポルトガルであるアンゴラの音楽家の最新作。これの一個前のも個人的には好きなんだけど、作品の完成度や訴求力などからしたら、やっぱりこっちだね。2010年代末というまさにいまの時代の人類向けの音楽だ。

 

 

 

(5)Ry Cooder / The Prodigal Son(アメリカ合衆国)

 

 

古参人ライ・クーダーのこれも、2018年といういまの時代の、しかもアメリカ人じゃないと創れない音楽作品だった。アメリカ合衆国音楽の2010年代ベストかもしれないと、個人的には思う。

 

 

 

(6)牛深ハイヤ節(日本)

 

 

熊本県牛深のこのダンス・ビートは、日本のいろんなダンシング囃子のルーツなのかもしれない。踊らず聴くだけでも、ただひたすら楽しく快感だ。『阿波の遊行』もおもしろかったけど、ぼくはこっちを。

 

 

 

(7)Maalem Mahmoud Gania / Colours of the Night(モロッコ、配信とレコードのみ、2017年作)

 

 

これも、実際に録音作品化されていることは少ないだろう現場の生の儀式グナーワの姿を、そこそこよく再現しているものかもしれない。クラクラめまいがしそうな幻惑トランス・ミュージックだ。

 

 

 

(8)Amzik / Asuyu N Temzi(アルジェリア、2016年作)

 

 

この在仏アルジェリア出身カビール系バンドのアルバムに、どうしてだか強く惹かれてしまうぼく。いったいどこに共感しているのか自分でもわからないが、とにかく気持ちがきわまってしまうんだ。

 

 

 

(9)Itiberê Zwarg & Grupo / Intuitivo(ブラジル)

 

 

上で書いた、ブラジルものが充実していた2018年という印象を、ジャズ方面で代表している傑作。これはマジすごいぞ。快適で愉快で爽快。ものすごく難度の高いことをやっているのに仕上がりの聴感は楽チンという、真の意味での技巧を駆使したもの。なっかなかないよ、こんな音楽。

 

 

 

(10)Mariah Carey / Caution(アメリカ合衆国)

 

 

ハマってしまった。なんだかんだで毎日聴いちゃっている。1990年代に大活躍した歌手なので<古い声>だけど、それと最新の先端流行サウンドとのブレンド具合が絶妙すぎる。それに、ただたんに聴いていてひたすら心地いいんだよ。

 

 

 

【リイシューと発掘篇】

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会社公式とはいえ、物体の存在しない、ただの配信プレイリストだけど、今年は五月末にこれを聴いて以後、ずっとこの関連ばかり追いかけ続けたとして過言ではない。モダン・ジャズだけっていうんじゃない本当にたくさんのことを学ばせていただいた。ブルー・ノート・レーベルとストリーミング・サーヴィスに感謝したい。

 

 

 

(2)中南米音楽アルバム

 

 

日本におけるラテン音楽本格紹介のパイオニア、高橋忠雄さんが1941年に発表したアンソロジー。それを孫弟子みたいな田中勝則さんが蘇らせてくれた。うれしかったなあ。

 

 

 

(3)Slim Gaillard / Groove Juice: The Norman Granz Recordings + More

 

 

いちおうはジャイヴ系のジャズ・マンということになっているスリム・ゲイラードの録音集は、スリムの音楽芸の深さ、奥行き、幅広さを、さらにアメリカ音楽のラテン性までをを思い知らせてくれたのだった。

 

 

 

(4)Sindo Garay / De La Trova Un Cantar...

 

 

キューバの古いトロバドールのソング・ブック。シンド自演もあり。19世紀末〜20世紀初頭のひとだけど、いま聴いても感じる爽やかさがある。夏や暑い日にもピッタリだと思うよ。

 

 

 

(5)Voices of Mississippi: Artists and Musicians Documented by William Ferris

 

 

ダスト・トゥ・デジタル渾身のボックス・セット。今年はもう間に合わないけど、来年絶対書く。超充実だし、おもしろいし、聴いて本当に楽しく心地いい。特にディスク1のブルーズ篇。

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(6)Frank Zappa / The Roxy Performances

 

 

ちょこちょこと触れたけれど、サイズのせいもあってボックス・トータルではまだ文章化していない。が、繰り返し楽しんでいる。主にあちこちと拾い聴きだけどね。ザッパ好きには必須。


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(7)Grant Green / Slick! Live At Oil Can Harry's

 

 

グラント・グリーンの1970年代はかなりファンク寄りだったことがまたしても証明されて、本当にうれしかった。長尺メドレーはマジ鬼すごいよ。

 

 

 

(8)ボラ・デ・ニエベ / キューバのピアノ弾き語り:名人一代記

 

 

これもすばらしい一枚だったけど、書くのは来年になっちゃうなあ。ってか、ベスト・テンにも入れられないが今年リリースで内容のよかったものは、本当に多いんだ。たぶん書かないままになってしまうものが多くなると思う。

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(9)Phyllis Dillon / One Life To Live

 

 

ジャマイカのロック・ステディ歌手。秀逸なカヴァー・ソングの数々がかわいくてチャーミング。

 

 

 

(10)Ella Fitzgerald, Louis Armstrong / Cheek To Cheek: The Complete Duet Recordings

 

 

my happiness.

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