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2018/12/01

おだやかによく歌うショーロ・トリオがあたたかい

このブラジル盤も、またまた bunboni さんに教えていただきました。ぼく好みの音楽です。
ブラジルの三人、ドラムスのエドゥ・リベイロ、バンドリン(&ギターもたくさん弾いている)のファビオ・ペロン、アコーディオンのトニーニョ・フェラグッチが組んだトリオ・アルバム『Folia de Treis』(2018)が実にいいよ。こういうの大好きだ。個人的にはショーロ・アルバムだと位置付けたい。そんな歌心がアルバム全編にあふれている。そして、ぼくはトニーニョのアコーディオンがいちばん好き。

このアルバムのなかで、特にこれが!という大好物が三曲。1「A Física」、5「Choro Suspirado」、10「Choro Materno」。ひとことにすればサウダージだけど、むかしからショーロのなかにも流れていて、サンバ〜ボサ・ノーヴァと受け継がれてきている<泣き>の感覚、切なさ、哀感の情緒がたっぷりあるよね、この三曲。

なかにはスピーディにかっ飛ばす技巧披露曲もあったりするアルバムだけど、そういった傾向のものは、実はいまの気分だとイマイチだったりする。このアルバムの CD を手にし、はじめて聴いたときからそうだった。いちばんグッと来たのが上記三曲で、なんど聴いてもそれが変わらないので、ぼくには、このアルバムのなかのそういった傾向のものが似合っているんだと思うんだ。

このトリオ・アルバム、表ジャケットを見ると、やっぱりいちおうエドゥがリーダー格なのかな?と思えるフシもあるし、ドラムス・オンリーのソロ・ナンバーだけでなく全編にわたりよく歌うエドゥのドラミングが大活躍している。がしかしぼくの耳にはトニーニョのアコーディオンこそが沁みわたるのだった。たんに音量・音色で目立ちやすいからというんじゃない。いちばんサウダージを表出しているからだ。

アコーディオンの音色というのが、やっぱりショーロの泣きにぴったり来るものなのかもしれないよなあ。このアルバムでのトニーニョを聴いているとそう感じる。あ、そういえば、この感覚はハーモニカなんかでも出せるものかもしれないよね。うん、たぶん間違いない。特にクロマティック・ハーモニカ。全編ハーモニカ奏者がフィーチャーされたショーロ・アルバムとか、ないんでしょうか?

ところで、トニーニョの演奏をぼくはこのアルバムではじめて聴いたわけだけど、気がついた範囲では1曲目と3曲目と10曲目(とあとすこし)におき、弾きながらハミングでユニゾンしているように思う。北米合衆国のジャズ・メン、特にジャイヴ系の演奏家のなかにはときどきいるけれど、トニーニョのばあいは愉快さじゃなく、このショローン感覚をきわだたせる役目になっているのがいいね。3曲目のそれはそうでもないか。

10曲目の「Choro Materno」でもファビオはギターだけど、それがまず出て、小音量のアコとからみ、エドゥのブラシが入り、トニーニョが本格的に弾きはじめたら、もうそれだけで泣きそうだ。う〜ん、これ、この曲(ファビオ作)、大好きだ。その上、途中からトニーニョがハミングでひとりユニゾン・デュオをやりだすので、もうそれで感極まって涙腺が崩壊しかけてしまう。いいなあ、これ。

決して2018年を代表する大傑作とかじゃないけれど、個人的にはいつもこういった音楽をそばに置いておきたい。そう思える親密な手ごたえと人間的なあたたかみを感じるもの。すばらしい。マジで大好き。

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