ステレオ?モノ? 〜 スピーカーは一台でいいかも
それはアンタが録音時期の古いモノラル音楽ばかり聴いているせいだろう、だからスピーカー一台でオッケーなんだろう、モノラル再生は本来スピーカー一台でやるのが本筋とオーディオ専門家も言うしなってなことでは全然ないのだ。ステレオ録音作品をどんどん一台で聴いている。音が左右にクッキリ分かれないだけで、そのほかはなんの違いもなし。
あ、たったいま気がついた。ステレオと銘打っていた時期のレコード、ってことはすなわち1950年代末〜60年代のものってことだけど、あのころ、左右に音が分かれすぎていたよね。その後はこれがなくなっている。むろん、右か左にしか定位しない音があるものの、全体的には一丸となって音が出てくるようなミックスになっているよね。近年だと1990年代あたりから?21世紀になってから?わからないけれど、CD でも配信でも、モノラルなミックスと再生状況に近づきつつある。回帰しつつある?
スピーカー一台で聴くとぼくが言う際のスピーカーは、主に上掲写真にある Bose の Bluetooth スピーカーのこと。音楽再生は一台のスピーカーでいいのだとは、2017年夏にこれを買って使いはじめ、一年半ほどが経過しての実感なんだよね。皮膚感覚で得たものだ。同じく Bose の同じく Bluetooth スピーカーで、下掲写真の小さいやつは IPX7規格の防水性能ありのポータブルで、お風呂場などで使っている。
Bose のこれらのスピーカーは、二台を無線接続してステレオ・モードで鳴らすことも可能だし、実際購入当初はぼくも同じ円柱形のを二台買ってそうしていた。だが、だんだんと、一台で鳴らしたときの音楽再生音が特に違いを持たないとわかるようになってきたんだよね。音が左右に分かれない、ビュンビュン飛ばないってだけのことで、音は記録されているものぜんぶが聴こえるし、それに、上でも触れたが左右分割じゃないとおもしろみがわからない音楽はほぼなし。
っていうかさ、ご存知のとおり1950年代末〜60年代の、ステレオ・レコード黎明期の音楽なんかも、実はモノラル再生したほうがいいものだよね。それだけまだ技術が進んでいなかったということだけど、あんな中抜けしているようなステレオ状態なんて本当はまやかしで、音楽現場の実像からも遠く、再生物としても中途半端で、聴いちゃいられない。みなさん実感がおありのはず。
いま、音楽現場の実像と書いたが、かのフィル・スペクターもそう考えていたように、演唱されている現場で聴く音楽とは、左右に音が分かれたりなどしていない。言ってみれば、まあ、モノラル状況だ。聴き手の右や左から異なる音が聴こえてくるなんてのは、複数の演奏者に囲まれているようなケースでしかありえないことで、ふつうのライヴ現場、でなくとも日常の生音楽体験で、(いわゆる)ステレオで音が聴こえることなんて、あるの??
ここまで書いてきたことは、しかし後付けの理屈なのだ、ぼくのなかでは、一年以上にわたり Bose の Bluetooth スピーカーで音楽を聴き続け、だいたいが長風呂人間で、真夏でも湯船に20分は浸かっている(体温程度のお湯ですよ)という人間だから、防水ポータブルの Bose 一台を持って入り、ずっと聴いているし、っていうかこのスピーカーのおかげでお風呂タイムが楽しくなって長風呂になったんだけど、お風呂じゃなく自室でも Spotify で聴くばあいは(ヘッドフォンやイヤフォンが嫌だから)スピーカー派のぼくの現実的選択肢は、一台の Bluetooth スピーカーを iPhone とペアリングするしかないっていう、だからずっとそれで聴いているという 〜〜〜 この一年半以上のあいだの実体験から来るものなんだよね。
それで、最近はブログ用にでも書く文章でも、そうやって聴いて書いたものがすでにたくさんある。どれがそうだなどとは指摘できないほどで、今後はもっと増えていくはず。すなわち、音楽聴取と、それにもとづく感想や考察や、それを文章化したものに、ぼくのなかでは、なんの違いもないんだよね。CD や iTunes ファイルを聴くときは、下掲写真の JBL 四台体制だけど、同じ音源でもスピーカー一台で聴いて、なんの違いも、ない。それがようやくわかった。
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