サッチモの写真を見るのが好き
一度も会ったことのないサッチモだけど、このひとのことが、心底好き。音楽がやっぱりいいんだけど、音楽を聴かずに写真だけ見ていてもいいよねえ。っていうかサッチモのばあい、写真から、あのコルネット(トランペット)・サウンドと歌声が鮮明に聴こえてくる。間違いない。それで最高に心地いいし、安らげるし、心おだやかになるんだ。
こんなことは、たぶん、サッチモがまさに狙ったことだ。彼の意図通りぼくの心に作用している。亡くなったのが1971年だから、もう何年になるんだろう、勘定する気もないんだけど、それは意味のないことだからさ。どうしてかって、いま書いたように、生前のサッチモがみんなのことを楽しく幸せな気持ちにしたいと思って活動したそのまま、2019年のぼくもそうなっているんだから、完璧に時空を超え飛翔している。
なんてすばらしいことなんだろう。もはや、20世紀のアメリカン・ポピュラー・ミュージック界最大のイコンだったなんていう次元じゃない。すくなくともぼくにとっていちばん楽しいのがサッチモだから、古今東西ありとあらゆる音楽世界で最も秀でた音楽のイコンがサッチモなんじゃないか。間違いないと思う。
もちろんふだんからサッチモの音楽を聴いている。このひとのいろんな写真を眺めながら。そしてサッチモはいつも笑っている。大きながま口を開けて(サッチモとの愛称はここから)、ガッハッハという顔つきで思い切り笑っているよね。サッチモのそんな笑顔を見ながらその音楽を聴けば、この笑顔と音楽が完璧に一体化しているとわかる。
写真を眺めるだけでも、サッチモの笑顔はぼくを楽しく幸せな気分にしてくれる。音楽と一体化しているというのは、このひとの音楽こそ最高・至高のものだと信じているぼく(だけじゃないと思うんだ)の考えだけど、サッチモの音楽に特に縁のないみなさんだって、上で一枚ご紹介したし、以下でも貼っていくものをご覧になれば、同じような気持ちになれるかも。
また、いちばん上でサッチモの公式 Instagram の宛先を書いておいたので、もしご興味とお時間のあるかたは、ぜひちょっとパラパラ眺めてみてほしい。生活や人生の辛苦を、いっときでも、忘れることができるし、どんどん眺めていればそんな時間がちょっとづつ長くなり、どっちかというと楽しい時間のほうがたくさんになってくるというのが、ぼくのばあい。
たとえばこれは若いころだなあ。オーケー・レーベルに録音していた、たぶん1920年代の写真だね。わりと有名な一枚で、各所に転載されるので、ぼくも以前からよく見ている。
これは戦後の一枚だね。どこかのレコーディング・スタジオでのワン・ショットだろうなあ。
モダン・ジャズ・トランペットの巨人ディジー・ガレスピーと競演中のこんな写真もある。ここでは笑っていない。真剣な表情で対峙しているよね。そういった顔もまたいい。音楽に対するサッチモの姿勢がよく伝わってきて、これも大好きな一枚だ。
1970年に「ウィ・シャル・オーヴァーカム」を録音した際のスタジオでの一枚。いっしょに写っているのがマイルズ・デイヴィス。ふたりとも、いや特にマイルズのほうが一層、うれしそうだ。いいツー・ショットだなあ。あのしわがれ声のマイルズが、このときはなんとバック・コーラスでレコーディングに参加した。サッチモへの敬愛を、この写真からも感じとることができる。
猫との一枚。
これはデューク・エリントンとだ。デュークの笑顔もはじけている。
本当に好きで好きでたまらない、ぼくも敬愛するサッチモことルイ・アームストロング。1920年代から亡くなる1971まで、あの音楽とあの笑顔で、ずっとみんなのことを楽しませ幸せな気分にし、そして亡くなったあとにサッチモのことを知り大好きになったぼくのような人間のことも、やはり同じようにエンターテインし、慰撫してくれる。
なんて偉いひとなんだろう。
« ステレオ?モノ? 〜 スピーカーは一台でいいかも | トップページ | わさみん運営、しっかりお願いね »
「ジャズ」カテゴリの記事
- キューバのベートーヴェン 〜 ニュー・クール・コレクティヴ、アルマ・カルテット(2023.08.09)
- 酷暑をしのぐ涼感音楽 〜 Tales of Wonder ふたたび(2023.08.02)
- バルセロナ出身のジャズ・サックス、ジュク・カサーレスの『Ride』がちょっといい(2023.07.30)
- ジャジーに洗練されたBGM 〜 リンジー・ウェブスター(2023.07.24)
- 楽しい時間をワン・モア・タイム!〜 ケニー・ドーハム(2023.07.19)
コメント