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2019/03/11

ロックからアラブ音楽に入門するならこれ 〜 ヤシーン

ヤシーン&ジ・オリエンタル・グルーヴ(っていかにもインチキくさい名前だが)の2016年盤『メディタレイニアン・クラッシュ』。この音楽家とは初邂逅だったんだけど、五人編成バンドのようで、アルジェリアンはアルジェリアンでも在仏ではなく在西。それもバルセロナに住んでヤシーンは活動しているらしい。音楽もなかなかおもしろいね。やっぱりフェイクっぽいかな?という感じも若干あるけれど、ロック・ミュージシャンがやるアラブ・アプローチと考えればかなりいい出来に入るはず。

『メディタレイニアン・クラッシュ』というアルバム題は社会派かな?と香らせたりするものだけど、アルバムの中身の音楽はそんなことまったく無関係に楽しめるものだ。やっぱりアラブのライ・ロック、シャアビ・ロックとか、そんな趣が濃厚で、ちょうど「カシミール」のレッド・ツェッペリンとかあのへんをもっとグッと本格的にしたみたいなフィーリングかもね。

1曲目「Barcelona Sona」のイントロだけでそんなふうに心をつかまれてしまうもので、歌が出たらもっとクッサ〜い(いい意味で)アリジェリア香が漂っている。この曲だけでなくアルバム全体に、かの ONB(オルケストル・ナシオナル・ドゥ・バルベス)っぽいサウンド色があって、そんなところも聴きやすく、ぼく好み。こういったポップなミクスチャー系が苦手な向きには推薦できないが。

だまって聴いていたら4曲目で耳馴染みのあるメロディが。これは「アラウィ」じゃないの。と思ってはじめて曲名を見たら「Turkish-Al-lawi」となっている。でもトルコふうな部分はあまり感じない。それより ONB ヴァージョンの「アラウィ」にとてもよく似ているよね。1990年代末を思い出すかのよう。だからヤシーンのこのアルバムはちょい古いといえば古い。でも、好き。

本格的なウード独奏も入る5曲目などを経て、7曲目でこれまたよ〜く知っている曲となる。「Mare tournaré demà」となっているこれは、たとえばラシッド・タハらもやったかのカビール・ソング「Menfi」だよね。それをヤシーンらは正面切ったアレンジと歌でしっかりやっていて、これはなかなかの聴きものだ。後半は幻惑的な展開となって、テンポがどんどん上がる。アルバム中いちばんいい。

聴きやすいしなかなかおもしろいよ、このヤシーン&ジ・オリエンタル・グルーヴの『メディタレイニアン・クラッシュ』。ツェッペリンその他でロックからアラブ(系や周辺)音楽に近づいてきた入門者にも推薦しやすい内容で、共感していただきやすいサウンドだ。ここをきっかけにライやシャアビの世界へと足を踏み入れていけばいいんだと思うしね。

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