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2019/04/16

愛しのアンガーム(2)〜 2015年作はアラブ色が濃いめ?

Fullsizeoutput_1e75https://open.spotify.com/album/0FewYz1YT2i2npZiS8QOw2?si=4dHJYKkqRRyO0J-gOKdbBA

 

エジプトの歌手アンガーム。昨日書いた2003年作『あなたと生きる』と比べ、(ここまではぼくも CD で持っている)2015年作『Ahlam Barya』ではバックのリズム・トラックも生演奏の比率が上がっているのかなと思うんだけど、この聴感上の印象は間違っていないだろうか?それからアラブのローカル色がやや濃いめに出ているようにも思う。それとユニヴァーサル・ポップスのカラーがちょうどいい感じにブレンドしていて、こりゃあいいねえ。

 

アルバム幕開けの1曲目は、カフェ?レストラン?クラブ?みたいな場所でのサウンド・エフェクトから入って雰囲気をつくったかと思うと、カーヌーンが奏でるアラブ伝統音楽の伴奏みたいなものが出て、ここだけでもオッ!こりゃいままでとは違うぞ、と思わせる。その後アンガームのヴォーカルが入ってからはユニヴァーサルなポップスにもやや近いかなと思う内容で、しかしその背後の伴奏はアラブふうだ。

 

こんなブレンド具合が、この2015年作では全編をとおし聴けると思うんだよね。ローカルすぎずユニヴァーサルすぎもしない適切な折衷の中庸具合がとてもいい。アンガームの歌いかたは、根底にアラブ古典歌謡の節まわしを持ちつつ、やはり表面的には濃ゆすぎない軽みを聴かせていて、それがこのひとのいいところだね。

 

それでも2003年作などと比較すれば、アンガームの歌もややアラブ伝統寄りかな?と思わせる部分もある。たとえば完璧な米欧ポップスみたいでフォーキーですらある2曲目でも、バック・トラックはそうでも、上に乗る歌手のフレイジングにはやや粘り気もあるように思うんだ。でもやりすぎていない適切さ、それがアンガームの美点だ。

 

アラブ・ローカル色をちょっとだけ濃いめに持つ曲と国籍不問のポップスみたいなのが、その後も交互に出てくるように思うこのアルバム、最初に書いたように、伴奏陣に生人力演奏人員の比率が上がっていると思うんだけど(楽器のチョイスもアラブ伝統にやや傾いているね)、そのせいか関係ないのか、アンガームの歌まで有機的に生き生きとしているように聴こえるのがイイネ。

 

途中ジャジーなバラードなどもはさみながら、アルバム・タイトルにもなっている7曲目は、なんと完璧なるボサ・ノーヴァ・ナンバー。伴奏はかなりな部分人力演奏だな。アンガームもさらりと軽く乗せて置くように歌っていて、ちょっぴりコブシをまわすものの大人のアッサリ感を漂わせ、こりゃあいいねえ。これ、だれが曲を書きアレンジしたんだろうなあ?プロデューサーも知りたい。いい一曲だ。アルバム・タイトルに持ってくるのはわかる。サルサっぽいラテン・テイストすらもある。

 

8曲目もリズムがラテンだし(といっても、以前からアラブ歌謡のなかにあるおなじみのパターンだけど)、そうかと思うと10曲目はこれまたアラブ伝統色がモダンな感じで活かされている。2003年作『あなたと生きる』でたっぷり聴けた打ち込みのずんずんビートを使った11曲目を経て、アルバム・ラストはしっとりバラードで、しかもちょっぴりだけジャズ・フュージョンっぽい。そこにアラブ色はないが、細やかに歌い上げるアンガームのしなやかさは絶品だ。

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