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2019/05/29

ハンナ・ラリティの声がいい

A1872490170_10https://hannahrarity.bandcamp.com/album/neath-the-gloaming-star

 

これも以前 bunboni さんに教えていただいた一枚です。
https://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2019-01-05

 

スコットランドの若手歌手ハンナ・ラリティ。昨2018年の『ニース・ザ・グローミング・スター』がとてもいい。昨年春に知っていまだにすっかりゾッコン中のアイオナ・ファイフといい、まだ書いていないが愛聴中のクレア・ヘイスティングスといい、なんだか最近のスコットランドのトラッド歌手界は充実してきているのだろうか。そのへんの事情というかシーンのことはいつもながらよくわからないが、ハンナ・ラリティもこれまたすばらしい。

 

ハンナのばあい、なにがいいって、その声だね。声質がとてもいい。透き通った声、透明感のある、しかし同時に芯のある強い声をハンナは持っている。クリアで、まるでクリスタルのようなんだけど、同時にしっかりとした存在感がある、そんな声だよねえ。本当にすばらしい。

 

こういった声は、トレーニングでつくりあげることのできない天賦の才だと思うから、やっぱりハンナもすごいなあ。個人的にはスコットランドのトラッド歌手ではアイオナ・ファイフというイチオシの存在がいるけれど、アイオナの声にある孤高感、屹立する厳しさみたいなものは、ハンナには感じない。逆にフレンドリーな雰囲気、あたたかみがあると思うんだけどね。

 

録音時のエンジニアリングのことなのかミキシングか、『ニース・ザ・グローミング・スター』ではエコーのかかりかたも絶妙にすばらしい。そのおかげでフレーズおわり、コーラスおわりでハンナがスーッと伸ばす声がきれいに聴こえ、デクレッシェンドしていく瞬間も実に自然でキラキラと美しい。

 

必要最小限の伴奏楽器とヴォーカルとのミキシング・バランスもいいね。アップ・ビートの曲ではドラム・セットも使われていて、それもちょうどいい聴こえかた。ハンナの『ニース・ザ・グローミング・スター』に四つあるそんな曲(2、4、8、10)が特にぼくは好きなんだ。特に「アリソン・クロス」だなあ、実にいい。

 

ゆっくりしたテンポ、テンポ・ルパートで歌われるバラッドもいいけれど、「アリソン・クロス」みたいにスウィンギーにやる伝承曲で特にハンナのヴォーカルのダイナミズムが際立っているように聴こえるんだけどね。ギターのカッティング(イネス・ワイト)とピアノとフィドルを中心とするサウンド・メイクも見事だ。「アリソン・クロス」では、開始一分目あたりまでギターのみの伴奏で歌いこなすハンナのヴォーカルに惚れ惚れしちゃう。

 

アクの強い黒人歌手もいいけれど、最近、こういったケルト圏のトラッド・シンガーも好みになってきているかもしれないなあと思ったり。

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