サム・クックを聴くとたいていのいやなことは忘れますね
https://open.spotify.com/album/036rZJAktkqAletSx5moF4?si=J0HAFM88ShSWPAZyRZ0AOA
(アルバムはなんでもいいから、じゃあ適当にこれを)
ソウル・スターラーズ時代のサム・クックの歌が好き。間違いない。もう、愛している。聴いているだけでたいていのつらいことも薄らいでいくもんなあ。これはサム・クックが好きなのか、ソウル・スターラーズが好きなのか、ゴスペル・ミュージック(ことにカルテット)が好きなのか、自分ではよくわからない。でも、もう、たまらなく好きなんだ。強い癒しを得ることができている。
サムのゴスペル時代については、以前書いたことがあるのだが、この時期のこんなつたない文章ではなあ。でもこれはこれでこのまま置いておこう。今日は今日で書きたいことを書く。
https://hisashitoshima.cocolog-nifty.com/blog/2015/12/post-d73a.html
サムのソウル・スターラーズ時代の歌は、スペシャリティが CD 三枚組のコンプリート集にまとめてリリースしている。もちろん愛聴盤なんだけど、今日の話にはとりあえずどんなアルバムでもいいんだ、サムがゴスペルを歌うものであれば、多少の代表曲が入っていれば、それでおっけー。それくらいどれもこれもサム with ソウル・スターラーズはレヴェルが高い。
サムの声のトーンというか声質がたまらなく心地よく強い癒しになるものなんだけど、ホントこの歌手はどうしてこんな声が出せるのだろう?なめらかでやわらかく、しかし張りがあって力強く、若干の濁りみ成分も混じり、グイグイ迫ってくるかのようでいて、やさしく聴き手の心情を愛撫する。こんな声と歌を持つ歌手は、まさしく不世出、サム以外だれもいない、世界中を見渡しても、と思う。
ソウル・スターラーズ時代のサムがことさら好きというのは、このカルテット・スタイルのゴスペル・リズムがたまらなく心地いいということでもある。上のアルバムで聴いていただいてもわかることだけど、たとえば「ジーザス・ゲイヴ・ミー・ウォーター」でもア・カペラでしょ。伴奏楽器はまったくなしの、声だけ。
その声というかヴォーカル・コーラスとサムのリードだけでリズムを形成しているわけだけど、そのリズムが最高に心地いいじゃないか。このへんはたんにぼくがヴォーカル・コーラス(・グループ)が好きというだけの嗜好かもしれない。ドゥー・ワップなんかも大好きだから。でも、ゴスペル・カルテットのばあいは、それにしかない独自のリズムがあると思うんだよね。
グイグイ進む、まるで生命力そのものといったゴスペル・カルテットのリズム。生きるという意味そのものだと言いたいサムのリード・ヴォイスと歌いまわし。伴奏楽器が入るばあいも最小限で、本当に五人のヒューマン・ヴォイスだけで「世界」を、「生」を、表現できている。コーラスのリズムとサムのリード、このふたつがあって、サム・クックのいるソウル・スターラーズが、この世にこれ以上のものはないというヴォーカル・ミュージックになっているなあ。
もう一度言う。ソウル・スターラーズでサム・クックが歌うのを聴くと、世のいやなことやつらいことも、たいていは忘れてしまう。ひとりぼっちの孤独も癒されて、人生を楽しくうれしく、満たされて、前向きに進んでいこうという気持ちになれる。それがサムの声、サムの音楽だ。
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