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2019/06/02

サンバ・カンソーン二題(1)〜 エルザ・ラランジェイラ

1007845144https://open.spotify.com/album/26EiZk0wdTrQIFaDAlCaxf?si=kHdTAyE9SIqya6Av2NCbYQ

 

これも bunboni さんに教わった一枚です。
https://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2019-03-10

 

やっぱりサンバ・カンソーンは夜の音楽だよね。プレ・ボサ・ノーヴァ期のブラジル歌手エルザ・ラランジェイラの1960年盤『A Noite do Meu Bem』を聴いてもそう思う。bunboni さんのおっしゃるようにこのアルバムを聴くと、サンバ・カンソーン歌手としてとてもすぐれた存在だったのだとわかるよね。そして、アルバム全体がゆったり漂うような、そんな夜のとばりが降りているなと思うんだ。

 

なかには快活に跳ねているような曲だってある。2曲目「Tome Continha de Você」、9曲目「Podem Falar」、12曲目「Porque」 がそう。これらを歌うときのエルザも魅力的だ。特に9曲目。アップ・ビートに乗って楽しそうに、ちょっとしたやんちゃなはじけかたを見せて、かなりチャーミングだよね。フレーズの末尾ごとに音程をちょっとだけクイッと持ち上げるところとか、たまらなくかわいい。13曲目のパーカッションの使いかたはややカリブ寄りかも。

 

それでもやはりエルザの、『A Noite do Meu Bem』の、そしてサンバ・カンソーンの、チャームとは、たとえば1曲目「A Noite do Meu Bem」、5曲目「Eu Sei Que Vou Te Amar」、6曲目「Estou Amando Azul」、10曲目「Conversa」などのゆったり系にあるんだなと思う。

 

それらのバラード調の歌では、エルザは実に丁寧に、ゆっくりと、漂うようにけれどしっかりと、ことばをひとことひとことじっくりと綴っている。歌い込みかたに実に好感が持てるもので、情感を出しながら出しすぎず、ムード満点だけどどこかクールに、そして細かい配慮を行き届かせながらデリケートに歌っているよね。声の伸ばしかた、切りかたも見事だ。表情も多彩で豊か。

 

ところで1曲目「A Noite do Meu Bem」でもわかるんだけど、このアルバムではところどころエルザの二重唱のように聴こえる瞬間がある。これはあれかなあ、オーヴァー・ダビング?1960年だけど?あるいは(ビートルズでぼくは知った)テープ操作によるダブル・トラッキング技術を使っているの??

 

まあいい。今年ようやく CD 復刻が実現したというエルザ・ラランジェイラのこのアルバム『A Noite do Meu Bem』を聴いて、サンバ・カンソーンのこの深夜ムードにひたって、部屋のなかでゆっくりくつろいでいよう。サンバ・カンソーンって、暑くなってきたこれからの時期にあんがいちょうどフィットするクールさだってあるしね。

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