ラテンなイージー・リスニングで暑い日の息抜きや〜『トロピカル・スウィンギン』
http://elsurrecords.com/2018/08/25/v-a-tropical-swingin-60s-guitar-sounds-from-cuba%e3%80%80/
昨2018年、雑誌『ギター・マガジン』との連動で発売されたコンピレイション CD アルバム『トロピカル・スウィンギン:60s ギター・サウンズ・フロム・キューバ』。雑誌の特集もチョ〜おもしろかったですよねえ。ギター雑誌の企画ということで、もちろんギター、それもエレキ・ギターのことにフォーカスが当たっているわけですけど、CD のほうの聴きかたは自由ですからね〜。ぼく自身この CD で 必ずしもギターばかり聴いているわけじゃないのです。
『ギター・マガジン』2018年9月号の特集があまりにも充実していて、はっきり言ってなにもかもぜんぶ書いてあるもんですから、そのまま読んで聴いていればいいので、っていうのもありますが(未読のかたには強くオススメします!)、それ以上にいつもながらぼくは演奏全体を聴いています。ソロ演奏でもないかぎり、だいたい、なにか特定の楽器にだけ集中して聴くというのがあまりない人間なんですね。
そのばあい、『トロピカル・スウィンギン』をただだらっと部屋で流していると、エレキ・ギターのサウンドもさることながら、1960年代のキューバン・ミュージックが BGM としていい感じに聴こえてきます。そのなかにはマンボっぽいものもあればデスカルガもあり、たまにけっこうジャジーだったり、ジャイヴィだったりもしますし、またサルサの先駆けみたいな要素だって聴きとれますね。
このアルバムのなかでいちばん好きなのは、ラストの「イパネマの娘」なんですが、特にヴァイブラフォンの使いかたが好きなんです。ピアノとの合奏でおもしろくフェイクされたテーマを演奏する部分がなかでもお気に入り。ボサ・ノーヴァっぽくリム・ショットを多用する(といってもこの演奏はボサ・ノーヴァにはぜんぜん聴こえない)ドラマーの叩きかたもグッドじゃないですか。ギター・ソロもありますけど、それだけじゃなく一曲全体を聴いて好きだなあって感じているわけです。
ほかの曲もそうで、アルバム全体でどの演奏もだいたいとんがらずスムースでなめらかな音楽になっていて、しかもラテン(キューバ)・ミュージックらしい強い官能性はなし。アピールしすぎず、あくまでどこまでも耳ざわりよく、雰囲気重視で、格好のムードをつくりあげてくれていると思いますよ。そう、ぼくにとって『トロピカル・スウィンギン』はちょうどいい夏の部屋のムード・ミュージック、BGM、あるいはイージー・リスニングなんですね。映画のサウンドトラック的と言ってもいいかも。そんな一枚として、昨夏来ときどきかけてはくつろいでいるわけなんです。
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