CD 買うのにハズレがなくなった
https://open.spotify.com/album/05enmrBRGHjSeAzjSvh64M?si=VIr0xGX5SN-AVTuMb1vj9Q
のは、もちろんネットで聴けるようになったから。ぼくのばあい主に Spotify などストリーミング・サーヴィスでのことだけどね。以前「未知との遭遇」はまだ(仮想でも)CD でのほうが確率が高いと書いたけれど、それが事実であるとはいえ、いったん見つけたらすぐには買わずネットで試聴する。アルバムが Spotify にあれば、まるごとぜんぶ聴けちゃうんだ。聴いて、買う価値ありと判断したのを(ネット・ショッピングで)カートに入れればいいから、外れる可能性なんてなくなった。
だからぼくは最近、ネットで聴けないもの(最近なら、たとえばスコットランドのハンナ・ラリティやブラジルの Guanduo など)を除き、すべて Spotify でフル試聴してから CD を買っている。ばあいによっては CD が入手できなくとも聴ければ満足(するしかない)ということだってあるよ。エジプトの歌手アンガームの2018年作『Rah Tethkerni』 はどうにもフィジカルが入手できなかった。でも Spotify で不足なく聴けて、充実作だとわかる。(注)CD が買えるようになりました。
アンガームといえば、もっとすばらしかった2019年新作『Hala Khasa Gedan』もたぶん CD は買えないなとなかばあきらめながら Spotify でなんども聴いて、そのあまりのすばらしさに絶句するしかなかったわけだけど、ダメもとでエル・スール原田さんに非常に強く懇願してみたら、どうやら少数だけ確保できて入荷するようだ。よかった。(注)安定供給かもしれません。
しかしその CD が買えるアンガーム2018にしても2019にしても、買う前から大当たりだとわかっている。もうさ、この世の音楽流通の九割以上は Spotify で聴けるんだから、経済的に限度のある一般庶民なら使わない手はないと思うよ。タダ同然で無限に聴ける、しかも高音質なのに、CD 買ってみるまでアタリかハズレかわからないなんていうアホなギャンブルをしている意味がわからない。
こないだ書いたノラ・ジョーンズの新作にしろケンドリック・スコットの新作にしろ、どっちもブルー・ノート系だから同レーベルの Twitter アカウントがリリースをお知らせしてくれていて、発売日ピッタリに Spotify で聴けるようになったから速攻でくりかえし聴いた。それで CD 買いたい充実度だと判断したから買ったわけ。
ぼくもそうだけど、みなさんもお財布的な限界があるんでしょ。玉石混交でじゃんじゃん買える、その上でハズレは処分してアタリだけ楽しめばいいっていう富豪じゃないんでしょ。いい作品を一枚でも多く買いたいでしょ。そのためにはハズレ作品をなるべく買わないようにするしかないと思うよ。その上でアタリも数多いから厳選するしかないんだけどね。
そんなわけで、アタリかハズレか事前にわかっていれば大いに助かる。音楽フィジカルを買うのは、なにも宝くじ買っているわけじゃないんだから、ギャンブル的なスリルとかが享楽になったりはしないと思うんだけどね。すくなくともぼくはアタリの CD しか買いたくない。ひと月にそう何十万円も買えるわけじゃないんだから。
そうなれば、あらかじめ聴けるという手段を活用するしかない。大都会の路面店などに足を運べるみなさんは店頭の試聴機や試聴機会を利用して、それを実行していらっしゃるのだろう。愛媛県大洲市というド田舎に住むぼくにはそれが不可能。だったら月額たった980円の Spotify プレミアムしかないじゃないですか。
そんなわけで、最近ぼくはこんな考えに到達しつつある。それは、この世の音楽作品は二種類に分かれる。ネットで聴けるものと聴けないものだってこと。
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