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2019/07/06

パット・マシーニー入門にこのベスト盤をぜひ

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https://open.spotify.com/album/2NopuRF2Xnm4Jgfcu4YGYP?si=yAxr0LWoSlOrH9zO0epU-g

 

パット・マシーニー・グループのベスト盤があります。2015年のノンサッチ盤『エッセンシャル・コレクション:ラスト・トレイン・ホーム』。これを CD ではなく Spotify で発見し(ジャケットが CD のと違うけど)たのは、こないだ『ザ・ロード・トゥ・ユー』のことを書いたでしょ、そんときに Spotify をぶらぶらしていて見つけたわけですよ。チラ見したらぜんぶ知っている曲が入っているから CD は買わなくていいやと思いましたが、ちょっと聴いてみたらなかなかすぐれた内容のベスト・セレクションでした。なんたって楽しいし。

 

『エッセンシャル・コレクション:ラスト・トレイン・ホーム』収録曲は以下のとおり。括弧内にオリジナル・アルバムとそのリリース年を書いておきましょう。

 

1. Last Train Home (Still Life, 1987)
2. Have You Heard (Letter From Home, 1989)
3. Minuano (Six Eight) (Still Life)
4. Third Wind (Still Life)
5. Here To Stay (We Live Here, 1995)
6. As It Is (Speaking of Now, 2002)
7. Better Days Ahead (Letter From Home)
8. Follow Me (Imaginary Day, 1997)
9. Stranger In Town (We Live Here)
10. Letter From Home (Letter From Home)
11. First Circle (The Road To You, 1993)
12. The Road To You (The Road To You)

 

このベスト盤編纂の意図は明白です。ビートの効いたイキのいいグルーヴ・ナンバーを立て続けに並べ、聴き手にパット・マシーニー・グループの世界の快感を味わってもらおうというものでしょう。実際、1「ラスト・トレイン・ホーム」から4「サード・ウィンド」くらいまではアップ・テンポで激しく疾走する爽快感と、パット独特の空間性のあるサウンド・メイクが活きていて、続けて聴いて圧倒されます。ものすご〜く気持ちいいじゃないですか。

 

特色はこれらの曲ではパットのギターとヴォーカル・コーラスの二本ラインがユニゾンで進むところ。そうじゃないパートもふくめ、実に綿密に構成されていることがわかりますよね。パットの音楽構築力を思い知ります。ヴィジュアル感覚あふれるパットの音楽は、やっぱりヒューマン・ヴォイスの活用で具現化されていると思いますし、そこにはブラジル音楽、ことにミナス派の影響も濃いわけです。

 

5曲目以後もテンポのゆるい静謐ナンバーはほぼなくて、ビートの効いたものばかり出てきますよね。ヴィジュアル感覚と書きましたけど、色彩感のあるサウンド・メイクと同じくらいパットの音楽で重要なのがリズム面での躍動感。それもやっぱりアフロ・ブラジル的な要素からもらっているのかなと思います。8曲目の「フォロー・ミー」は異色の意欲作『イマジナリー・デイ』からですが、この曲は従来路線っぽいですね。

 

そんな様子が9曲目の「ストレインジャー・イン・タウン」まで続いて、その後三曲はアルバムの終幕に置かれたコーダ的役目のバラード系かなと思います。もっとも11「ファースト・サークル」はハンド・クラップを効果的に用いた快活グルーヴァーですけどね。これと12「ザ・ロード・トゥ・ユー」はライヴ・ヴァージョン。静かな10「レター・フロム・ホーム」で聴けるライル・メイズのピアノもきれいですし、それにからむパットのアクースティック・ギターもいい。

 

いやあ、それにしてもこの『エッセンシャル・コレクション』、冒頭の四曲連続攻撃で、ぼくなんかもう完全にノック・アウトされちゃいました。この出だしにこのベスト盤編纂者の気持ちがいちばん強く入っているのは間違いありません。だいたい似たようなタイプと創りの曲が並ぶ四つですけど、こうまで快感なことって、ほかになっかなかないですよ。このはじめの四曲でグッと来なかったらパット・マシーニー・グループの音楽には縁がないと思っていいです。ピンと感じたのであれば、オリジナル・アルバムをたどって聴いてみていただければ、もっと世界がひろがります。

 

とにかく、なんども言いますが、1曲目「ラスト・トレイン・ホーム」、2「ハヴ・ユー・ハード」、3「ミヌアノ(68)」、4「サード・ウィンド」と連続しているのが、最高に快感です。音楽としてのスケールも大きいし、もうたまりません。聴きながら鳥肌立ちましたもんね。

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