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2019/10/16

マグレブ・ロックなサブリ・モスバ

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https://open.spotify.com/album/73xyZLpWt7P6n4YirKhKEm?si=i-NQJOfVSm6rdAZMJb2Ypg

 

サブリ・モスバ。30代のチュニジア人だそうです。アコール・クロワゼ盤2017年のデビュー・アルバム『Mes racines』にいまごろようやく気づきました。これ、聴きやすくてなかなかいいんですよね。アルバム題は「マイ・ルーツ」の意なので、チュニジア音楽のルーツへの回帰をもくろんだ作品ということになるんでしょうか。でもなかなかロックっぽい曲もけっこうあったりしますけど。

 

チュニジア音楽のルーツといってもぼくはなにも知りませんのでわかりませんが、汎マグレブ音楽的なものを感じないでもないですね。なかでもこのサブリ・モスバにぼくが強く感じるのはモロッコのグナーワ音楽の痕跡ですね。あの独特の反復パターンが産む呪術的催眠効果が、サブリのこの『マイ・ルーツ』にもあるように思います。

 

それをしかしストレートにではなく、まるでブルーズ・ロックに展開したかのようなサウンドで聴かせてくれているっていう、そんな音楽でしょうか。また、アクースティック・ギターやウードで弾き語る、ややフォーキーなテイストの楽曲もありますよ。ちょっぴりだけスアド・マシっぽい?というのはぼくの勘違いでしょうか、でも独特のあの憂いがサブリのアクースティック・サウンドにもあるんですよね。

 

アルバム『マイ・ルーツ』の全10曲は五曲づつ前半と後半に分けられると思います。5曲目まではファズの効いたエレキ・ギターのサウンドが組み立ての中心になっていて、3曲目のアクースティック・サウンドだけが例外なんですけど、それ以外はちょっとロックっぽい感じがあります。エッジの尖ったハードなサウンドですね。ドラムスの音も派手に目立っています。リズム・パターンがロックではなく、やっぱりマグレブ・ビートかなとは思うんですが。

 

6曲目でしんみりとウードの音が聴こえてきたら、アルバムの後半では様変わり。このパートは基本弾き語りですね。ちょっぴりだけアリジェリアのシャアビっぽい感じがなきにしもあらず。ヴォーカルなんかは多重録音でコーラスにしていますので、必ずしも弾き語り一発録りじゃないんですが。哀感と憂いが強く、こういったフィーリングはマグレブ音楽特有なんですかね。このアルバム前半部のアッパーな感じとはかなり違っています。

 

打楽器も、アルバム後半ではドラム・セットを基本的には排し、北アフリカ地域の伝統パーカッションを使うようにしている工夫が見てとれますね。そんななかで、特に7、8曲目はグナーワ・ディフュジオンにちょっと似たようなものがあったような気がするんですが、気のせいしれません。でもこのサブリ・モスバのほうがもっとローカルな伝統色が強いような。

 

あれっ、と思うと8、9曲目ではエレキ・ギターとドラム・セットが使われていて、曲の仕上がりもややロックっぽい感じがしますね。グナーワ・ディフュジオンっぽいマグレグ・ミクスチャー音楽ということなんでしょう。10曲目だけはサブリひとりでのアクースティック・ギター弾き語りで、伴奏はいっさいなし。暗く沈み込むようなつぶやきヴォーカルが印象的です。

 

(written 2019.9.14)

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