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2019/10/30

南洋グルーヴ 〜 查勞 巴西瓦里

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https://open.spotify.com/album/08gFdMo1OUGmavOyRpPywW?si=1LxoVB2QRCyqYna4CClwdA

 

チャーロウ・バシワリと読むらしいこのひとは台湾の先住民、アミ族のミュージシャン。今年の新作『Salama』(2019.5.17 )は、チャーロウ自身がマダガスカルに乗り込んで、現地の音楽家たちと全面共演したもののようです。これが気持ちいいんですよ。快感ですね、全編をとおし貫いているこの南洋グルーヴがですね。このアルバムみたいなのを汎南洋音楽と呼んでもいいんじゃないでしょうか。

 

このアルバムで聴くかぎり、チャーロウのこだわりはオーガニック・サウンドですね。音楽が本当に大好きでたまらないんだなというのが全身からあふれ出ているチャーロウのこのアルバムは、全編アクースティック・サウンドに徹しているんですね。アルバム・ラストの9曲目は3曲目のリミックスですから、そこでだけエレクトロニックなサウンド処理が聴けますけど、ほかは電気・電子はいっさいなし。ベースもコントラバスですし、そのほか生音楽器しか使っていません。

 

いかにも自然の、大地の、大海の、ナチュラルなオーガニック志向を明確に打ち出したというようなサウンドで、曲も(たぶんぜんぶチャーロウの自作と思います)広大な大自然を思わせるようなゆったり雄大なグルーヴで貫かれていますよね。しかもなんだか底抜けにとまで言いたいほど明るい曲と演唱ばかり。つらい気持ちになって沈んでいたりする聴き手の心情をもかきたててしまう、しかし無理強いではない、気持ちよさとパワーがありますね。

 

レゲエっぽい曲がふたつ(それらでも裏拍の刻みを入れるのはアクースティック・ギター)ありますが、シリアスさは微塵もなく、徹底的に突き抜けた解放感があるのがチャーロウの音楽の特色ですね。ンゴニ?かあるいは親指ピアノ?か、なんだかそんな音も聴こえますし、アコーディオンも全編で効果的に使われています。控えめながらドラムスやパーカッションや、またコーラス隊、ホーンズも活躍。

 

チャーロウは台湾先住民のアミ族ですが、アミ族の言語は、オーストロネシア語族に属するそうです。オーストロネシア人は、ほかならぬ台湾を起点に、紀元前2000年ぐらいに、現在のフィリピンやインドネシア、マレイ半島に移り住み、そこからまたインド洋を渡って、西暦五世紀ごろにアフリカ沖のマダガスカル島まで到達しました。かたや、南太平洋へ渡り、ポリネシア人やミクロネシア人の祖先になったともされています。

 

つまり、海洋民族だった台湾の先住民たちが、インド洋や南太平洋に渡り世界に拡がったという経緯が、最近の DNA 研究から解明されたそうですが、そんな古代史的物語に想像力をふくらませて音楽の旅を繰り広げるチャーロウ・バシワリの全編マダガスカル録音のこのアルバム『Salama』、実に広大な音楽じゃありませんか。根っこに野太いグルーヴがありましすし、徹底的に人生肯定的ですし、こんな陽光のもとで水浴びしているような解放感に救われることもあるんですね。

 

※最後の二段落はエル・スール HP 記載文を参考にしました。

 

(written 2019.9.30)

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