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2019/10/19

大は小を兼ねるというけれど

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https://open.spotify.com/album/0Oivkm8f3O3YIIvPEJJr05?si=7Xrk9YWpSJOIEpXRtSe3cw

 

大学生のころ、クラシック音楽マニアだった英文学教授が言うにはですね、「若いころは大規模なシンフォニーとか、そりゃあ好きで、気合を入れてどんどん聴いていたけれど、この歳になるとそういうものはちょっとしんどい、短い小品なんかがちょうど具合いいんだ」と。そのときはへえぇ〜と思っただけでして、ぼくは大学生でジャズに夢中で、レコード二枚組の大作なんかも平気でどんどん聴いていました。

 

むかしはそういった大きな作品を聴くのがしんどいなんて思ったことなかったんですけど、最近ですね、ちょっとそんな感じが出てきているんですね。ひとつには加齢ということがあるでしょう、というかこれがたぶん最大の原因です。体力・気力が徐々に落ちてきているせいで、集中力が持続しにくくなってきていますよね。前段で引用した教授の話もこのたぐいのことです。

 

これはおそらくだれでもそうなっていくんでしょう。ただ BGM としてだらだら流しているだけなら途切れないほうがいいから長大なアルバム(やプレイリスト)がいいんですけど、しっかり向き合って気持ちを入れて集中して聴ける時間の長さには、年齢的な限度の変化があるでしょう。だからぼくも最近短めの小品のほうが、どっちかというと聴きやすいと思うことが多いです。

 

もうひとつには、いままでなんどかくりかえしていますが、最近音楽アルバムの長さが短めになってきているなというのも原因のひとつかもしれないです。CD だと一枚で最長80分が収録できますけどそんなのは最近なくなって、一枚のアルバムで30分とか40分とかが主流になってきているでしょう。なかには25分くらいなのもあったりして、かつての LP 時代よりも短時間になってきているような気がします。

 

音楽アルバムの長さが短くなったのは、どう考えてもネット聴き、それもストリーミングで聴くのが世間の主流になったからですよね。それで CD など物体で聴くときでも同じ短さで、ぼくもそんな傾向にすっかり慣れちゃったというのがあるんじゃないかと思います。聴取習慣というか、一個40分程度までっていう、なんというか心理的な区切り、フレームみたいなものができてしまったかもしれません。

 

そんなわけで二つの理由 〜 年齢的な衰え、アルバムの短時間化 〜 によって、長い収録時間のアルバムを聴くのが、まあ流し聴きなら問題ないんですけど、気持ちを入れて向き合うのはややしんどいと感じるように、最近なっています。集中力を途切れさせず維持したまま一気に聴けるのは、アルバム一枚40分か45分くらいまでじゃないですかね。一時間以上あると、聴く前に「うぇ〜」と感じちゃうようになりました。

 

だからそんな一時間超えの長さのアルバムなどは、途中でいったん休憩したくなっちゃいます。これはだから、長大なアンソロジーとかコレクション(SP 時代の音源集大成とか)なんかだと、実際休憩しやすいですからいいんですよね。そういった長いものはそもそも続けて一気にぜんぶ聴くことは想定されていないと思いますから。ぼくの言っているのはオリジナル・アルバムということです。

 

長いものより短めのもののほうがいいっていうのは一曲単位でも言えることで、最近はシングル曲基準の三分程度が最も心地よくて、五分とか八分とかあると長い、長すぎるとか感じてしまうこともあります。これはむろん例外も多くて、最近だとたとえばヌスラット・ファテ・アリ・ハーンのウォマド1985ライヴ。1曲目も2曲目も20分を超えていますが、わりとあっという間に聴けてしまいますからね。長いと感じたことがありません。

 

な〜んだ、音楽的にすばらしければ長さを感じない、楽しければあっという間だと、そういう世間のみんなが知っているだけのことなのか、と言われそうですけど、まあそれが事実です。でも曲単位ならそうでも、アルバム単位となると充実作でも長いとちょっと…、と思うことはままありますね。なんというか人間としての生理というか、やっぱりあんまり長い時間は集中できないですよねえ。だから創り手、届け手さん側にもちょっと考えてほしいと思うこともあるんです。

 

(written 2019.9.25)

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