ライヴ・ダンス・バンドとしてのタミクレスト
2019年10月1日、中央線武蔵境駅すぐの武蔵野スイングホールで行われたタミクレストのライヴに行ってきました。このために上京したわけではなく、翌2日にわさみんこと岩佐美咲ちゃんのコンサート・イベントがあるため前乗りしただけですが、1日にタミクレスト公演があると知り、行かない手はないなと思ったわけです。
この写真は開演直前のステージです。演奏中は撮影できませんから。
武蔵野スイングホールはわりと小さめの会場。午後7時の予定ぴったりにライヴははじまりました。ヴォーカル&ギター、サイド・ギター、ベース&サイド・ヴォーカル、ドラムス、パーカッション&サイド・ヴォーカル(&一曲だけギター&リード・ヴォーカル)という編成。最初、会場の雰囲気をさぐるかのようにじわじわと演奏をはじめた彼らですが、徐々に熱を帯びていきます。
その熱は、演奏だけ聴いていると、完璧にダンス・バンドのそれでしたね。ドラマーも大活躍でしたが、リード・ギターリストが延々と反復するシングル・トーンのリフ・パターンにかなりのパッションがあって、リズムもダンサブル。実際、第一部からシートにすわったままからだをゆすっているお客さんも多かったです。自然とからだが反応してしまう、そんなビートを、特にリード・ギターリストが出していましたね。
第一部はそれでも様子見といった感じで終わったんですけど、約15分の休憩をはさんだ第二部では演奏にグッと熱が入り、リード・ギターリスト(はフィンガー・ピッキング)のはじきだすフレーズの沸点がかなり高まるというようなことになりました。白人サイド・ギターリストとのからみもよりカラフルに。
タミクレストがライヴでこんなにも熱くなるバンドだとは CD だとイマイチわからないことです。またやはり CD ではわかりませんがライヴでは一曲の演奏時間がかなり長くなっていました。ぼくも興奮していましたので長さを感じませんでしたが、CD 収録の何倍もの演奏時間におよんでいましたね。即興でどんどん長尺化していたわけです。
実際、CD とかで聴く限りでは、タミクレストの演奏能力の高さが伝わりにくいと思うんですけど(砂漠のブルーズのバンドはどれもそうかな)、現場での生演奏を聴くと相当な実力の持ち主だとわかります。演奏したのは CD 収録曲ばかりでしたが、いい意味で原型をとどめていませんでしたからね。どんどん高い熱を帯び、かなり即興的に大胆に展開していました。
そんな熱は第二部の終盤でとうとう爆発。バンド・メンバーにうながされて観客も大部分が椅子から立ち上がり、客席前方の空間にまで一気に詰め寄せて、みんながタミクレストの演奏にあわせて激しく踊りはじめたのです。これには正直ビックリでしたね。タミクレストがここまでのライヴ・ダンス・バンドだとは、ぼくはわかっていませんでしたから。
もちろんぼくも立ち上がって、肩を腰を足を手を激しく動かし踊りました。そうしていると、実際の演奏時間はかなり長かったと思うんですけどそれを感じず、あっという間にエンディングということになりました。タミクレストがここまで踊れるバンドだなんて、やっぱり CD だけ聴いていたんじゃわかりませんよね。
(written 2019.10.2)
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