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2019/10/09

ビートルズ『アンソロジー』ベスト・セレクション

Beatlesanthologynowstreamingcompressor

https://open.spotify.com/playlist/5PSewTdqkZP678KqaZlhH3?si=NJDD1nRNSPeOWEEd0zBYlg

 

三巻にわたるビートルズの『アンソロジー』CD シリーズ。そこからのベスト的なというかハイライト・セレクションを、つまりアンソロジー・オヴ・アンソロジーズを、ずいぶん前につくって楽しんできました。四、五年ほど前からの話でしょうか。そんなプレイリストがいままでずっと自分の iTunes 内にあったんですけど、つい昨日 Spotify で同じもの(100%同じにはなりませんでした、後述)をつくって公開しておきました。それが上のリンクです。みなさん聴けます。

 

『アンソロジー』シリーズのなかに、けっこうちゃんとした、聴ける完成品があるぞ、そういうのだけ抜き出しても CD で一枚程度にはなる、それはかなりいい、という話は、このブログでも三年前に書きました。この過去記事は自分でつくった iTunes プレイリストを聴きながら書いたんですね。
https://hisashitoshima.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/post-a603.html

 

今日の文章はこれのプレイリストを Spotify でつくりましたよ、みなさん聴けますどうぞ、というだけの意味で、だからここで終わりにしてもいいんですけど、ちょっとだけ付言をば。それはぼくの iTunes 内にある『アンソロジー』ベスト・セレクションは、『アンソロジー』三巻と、シングル EP『フリー・アズ・ア・バード』『リアル・ラヴ』と、全曲これらのなかから選曲したんですけど、二枚の EP は Spotify にありません。その EP でしか聴けないカップリング曲があるため、だから Spotify プレイリストはぼくの iTunes プレイリストと100%同一にはなりえません。

 

それは二曲。「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」と、(今日は入れなかった)「ヒア、ゼア・アンド・エヴリウェア」です。数年前に iTunes でプレイリストを自作したときは、前者が『フリー・アズ・ア・バード』EP 収録のものを、後者は『リアル・ラヴ』EP 収録のものを、それぞれ選びました。ところが、それらはまったく Spotify にはないんですね。

 

その「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」はスタジオ・アウトテイクで、ギター・ソロの内容などがアルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』収録のものとは異なっています。また「ヒア、ゼア・アンド・エヴリウェア」もスタジオ・アウトテイク。バック・コーラスほぼなしでエレキ・ギターを弾きながらその伴奏だけでポールが綴る淡々としたもので、実にいいんですけどねえ。どうして Spotify にないの〜?

 

こんな事実からも、アップルが公式にフィジカル・リリースした音源が100%ストリーミングで聴けるわけじゃないとわかりますし、っていうことはまだまだぜんぜんどんなかたちでもリリースしていないビートルズ公式音源がかなりあるんじゃないかと勘ぐりますよねえ。今日はそれを述べるのが主眼ではありませんので、ひろげません。

 

ともあれそんなわけで、「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」は『アンソロジー 1』収録のヴァージョンに差し替えました。iTunes プレイリストでは「タックスマン」と「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」のあいだに入れていた「ヒア、ゼア・アンド・エヴリウェア」は Spotify にありませんので、消えることとなったわけですね。でも違いはこの二点だけ。

 

また、念のため書いておきます。今日のプレイリスト6曲目の「ベイビーズ・イン・ブラック」は『ライヴ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル』から選んでいます。あれっ?『アンソロジー』シリーズの外じゃないかと言うなかれ。シングル EP『リアル・ラヴ』にそれが収録されていたんですから。ハリウッド・ボウル・ライヴが公式 CD リリースされたのはもっとずっとあとのことです。アップルもちょろちょろと小出しにしていたんですね。

 

まあそれはいいとして。どうです、ちょっとお聴きになってくだされば、『アンソロジー』シリーズのなかにもかなり立派な完成品がたくさんあるとおわかりいただけるはずです。しかも1960年代に公式発表されていたマスター・ヴァージョンよりもひょっとしたらおもしろいかも?と思えるものだって混じっていますよね。

 

公式発表は『レット・イット・ビー』に収録されてでしたけど初期楽曲の「ワン・アフター・909」のこのノリとか、ジョージがひとりでアクースティックやエレキのギターを弾きながらシンミリと語る「ワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」「サムシング」や、あるいは「オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ」「ゲット・バック」「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(リプリーズ)」の荒削りでワイルドな魅力。

 

ポールの当初の意図どおりに仕上がっている「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」や「レット・イット・ビー」などの素朴で素直な可愛らしさ、さらにオーケストラ伴奏なしのシンプルな「マザー・ネイチャーズ・サン」や「グッド・ナイト」(後者はリンゴがヴォーカルで、終盤ちょっとだけオケも出ます)らのナイーヴなチャームなど、どれもこれもなかなかすばらしいと思うんです。

 

それらはこっそりマスター・ヴァージョンの代わりに差し替えても通用する立派な出来じゃないかと思えます。ビートルズの『アンソロジー』シリーズって、1995/96年に発売されたときは、こんな未完成のデモや断片みたいなものばかり聴かせてどうすんの!?みたいな意見が多かったと記憶していますけど、21世紀になってジックリふりかえったらこんな見事な玉もたくさんあったんですよね。

 

(written 2019.9.2)

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