« 明瞭な歌 〜 ジャネット・エヴラがとてもいい | トップページ | 冬にも似合うニーナ・ベケール『ミーニャ・ドローレス』 »

2019/12/27

メロウな AOR っぽいレア・ソウル 〜 ポジティヴ・フォース

06b798c0ae594b938d696c16ad440ef5

https://open.spotify.com/album/0YSz3eDpByYw4AiD8PaYJa?si=M5P9KFeXRvaWzW3CIY2miA

 

これはアナログだけでのリイシューっていうことでしょうか、そもそも CD 化されたことがあるんでしょうか、ポジティヴ・フォースというバンド唯一のアルバム『ポジティヴ・フォース・フィーチャリング・デニス・ヴァリン』(1983)。ポジティヴ・フォースという存在じたいほとんど知られていないかもと思うんですけど、アメリカ西海岸で活動したソウル・バンドのようです。ネットで検索すると同名のペンシルヴェイニアのバンドが出ますけど、たぶん別者。

 

ぼくが今日話題にしたいポジティヴ・フォースはほぼ無名の存在で、唯一のアルバム『ポジティヴ・フォース・フィーチャリング・デニス・ヴァリン』ですら激レア盤だったんだそう。それが Spotify だとなんの苦もなく見つかって聴けてしまうんだからありがたいことですね。ここをありがたいと思うかつまらないと思うかは分かれ道ですよ。ぼくは前者です。

 

ともあれ『ポジティヴ・フォース・フィーチャリング・デニス・ヴァリン』。このアルバムではソウル/ディスコっぽい音楽をメインとしながらも、ジャズ・フュージョン的 AOR のニュアンスも濃く漂っていますよね。まず1曲目「ユー・トールド・ユー・ラヴド・ミー」、これはなかなかの名曲です。これを聴くとヴォーカル部分は完璧なソウル・チューンですけど、中間部のギター・ソロはフュージョンっぽいでしょう。そして全体的にとってもメロウ。それがいいんですよねえ。

 

メロウネスはこのアルバムを貫いている基調で、ポジティヴ・フォース最大の特色といえますね。3曲目「エヴリシング・ユー・ドゥー」なんかもそれがすばらしい聴きもので、曲も歌も演奏もいいです。4曲目「ユー・ガタ・ノウ」では男声歌手が歌っていますが、これもメロウ・ソウルの名曲かもしれません。しかもどの曲も、ホーン陣の使いかたにはどこかアース、ウィンド&ファイア的なマナーも聴きとれます。

 

アルバム全体の音楽が落ち着いたしっとり系で、演奏形態や楽器ソロなどにはあきらかなジャズ・フュージョンっぽさがあって、だから AOR 的っていうか、ソウルだから AOS ですか、そんな感じに聴こえますよね。西海岸で1980年前後にアクティヴだったとなれば、ソウル・バンドでも当然のようにフュージョン色があって不思議じゃないです。そんな時代でした。随所で入るサックス・ソロなんかでもそれがよくわかります。

 

ファンキーな8曲目「プット・イット・イン・ザ・グルーヴ」もノリがいいし(ちょっぴりエピック移籍後のマイケル・ジャクスンを連想させる)、このバンドの本領ともいうべきメロウネスを最大限に発揮した9曲目「ナウ・イズ・ナット・ザ・タイム」なんかグッと来ますよねえ。ラスト10曲目「アイ・シンク・オヴ・ユー」はやっぱりアダルト・オリエンティッドなフュージョン・ソウルに聴こえます。

 

(written 2019.12.14)

« 明瞭な歌 〜 ジャネット・エヴラがとてもいい | トップページ | 冬にも似合うニーナ・ベケール『ミーニャ・ドローレス』 »

音楽」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 明瞭な歌 〜 ジャネット・エヴラがとてもいい | トップページ | 冬にも似合うニーナ・ベケール『ミーニャ・ドローレス』 »

フォト
2022年8月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ