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2019/12/02

アメリカの音 〜 バンダ・ブラック・リオ

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https://open.spotify.com/album/0VHDhU0LmpSaikzQZZHEX2?si=84Oi0EPKRrentRi2IynN0g

 

これは今年夏ごろのリリースでしたっけ、バンダ・ブラック・リオ(ブラジル)の新作『O Som Das Américas』(2019)。アルバム題を直訳すれば「アメリカの音」となりますけど、このばあいのアメリカとはアメリカ合衆国のことではなく、南中北米を総合した意味での「アメリカ」ということなんでしょう。つまり汎アメリカンなサウンドを目指したということでしょうか。Américas と複数形になっていますからね。

 

しかしながら実際にこのアルバムを聴くと、かなりアメリカ合衆国のブラック・ミュージック寄りの音楽だなとわかります。そこにすこしブラジル成分を足したという、そんな感じではないでしょうかね。だからここでいうアメリカズとはアメリカ合衆国とブラジルということで、それ以外のアメリカン・ミュージック要素はとくに見当たりません。

 

でもこれは、だからな〜んだ、っていうことじゃなくて、聴くとけっこう楽しい音楽なんですよ、このアルバム。豪華なゲストを大勢迎えてやっていますけど(いちばんの大物はジルベルト・ジルとカエターノ・ヴェローゾか)、そんなにぎやかさもいいし、腰が動きそうなボトムスに支えられたファンキー・ビートも愉快です。

 

このアルバムを聴いていちばんこれがあるなと思うのは、ちょっと古くさいんですけど、アメリカ合衆国でかつて人気だった(1980年代ごろだっけ?)ブラック・コンテンポラリーのサウンドです。アルバムの全編がほぼそれで貫かれていると言いたいくらい、はっきりと聴けますよね。だから、2019年にリリースするにしては時代のレレヴァンスがないんですけど、それはそれこれはこれとして、聴いたら楽しいからいいんじゃないかっていうのがぼくの考えです。

 

けっこうジャジーな要素もありますよ。たとえばレオ・ガンデルマン(サックス)を加えてやっている4曲目がそう。これはインストルメンタル・ナンバーですが、冒頭からのピアノとエレベのユニゾンで突き進むアレンジはなかなか聴かせますよ。スティール・パンみたいな音も聴けます。ジャジーというかフュージョンっぽいんですけど、こんなところもアメリカ合衆国音楽的。

 

そうかと思うと、続く5、6曲目はそれぞれジルとカエターノを迎えてブラジル音楽をポップに展開しているし、特にカエターノが歌う6曲目とセサール・カマルゴ・マリアーノが歌う17曲目がボサ・ノーヴァふう MPB でブラジル要素が濃く出ています。さらにサンバ・ルーツの MPB 的なものだってあるし、でも全体的にはブラック・コンテンポラリーっぽいっていう、ちょっとおもしろいアルバムです。

 

(written 2019.11.16)

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