猛烈なグルーヴ、すごいぞ、コノノ No.1 〜『キンシャサ 1978』
https://open.spotify.com/album/7qhnWEhHl9uuNQUbSlSjVq?si=Tfcb3goZTcG37IOSC6M5Dw
今2019年にリリースされたアルバム『キンシャサ 1978』。フィジカルだと CD と LP が合体しているみたいですね。発掘&リミックス音源といっていいんでしょうか。Spotify で見るのをエル・スールのホーム・ページ記載の情報とつきあわせますと、1〜4曲目のマルタン・メソニエによる再構築が LP に収録されていて、5曲目以後の未発表音源は CD に収録ということですね。
それで CD 分と LP 分、どっちも四曲づつで、それぞれ一曲づつやっている音楽家もピッタリ同じ、聴いてみても…、ということであるいはぼくの推測が当たっているとするならば、『キンシャサ 1978』、LP 収録分でマルタン・メソニエが再構築しているその元の音源が CD 収録分であるということなのかもしれません。どうでしょうか?
ともあれ、『キンシャサ 1978』、ハイライトはどう聴いてもコノノ No.1でしょう。Spotify でこのアルバムを流していて、最初はお風呂につかりながらボンヤリと聞いていたんですけど、いきなりものすごい音楽が、それも長尺の、なんだかビリビリいうし、ナンジャコリャ〜!となったのがほかならぬこのアルバム5曲目のコノノ No.1の未発音源だったのです。いやあ、こりゃまったくもってものすごい!としか言いようがない!!
なにを隠そう、このときがぼくにとってのコノノ No.1初体験でした(えっ?)。そりゃあもうビックリしましたねえ。これ、親指ピアノでしょう、しかも電気アンプリファイドされていますよねえ、それがもうビリビリに歪んでいて、ノイズ寸前というか、こりゃもうほぼ(楽しい意味での)ノイズ・ミュージックでしょう。いやあ、やかましいったらありゃあしないヾ(๑╹◡╹)ノ。最高に楽しいじゃないですか。
背後で打楽器も聴こえますし、メンバーは(コール&レスポンスで)歌ってもいますよね。笛も入っています。でもあくまでメインはこのビリビリいう親指ピアノですね。彼らの弾くそれは同じフレーズを延々と反復しながらちょっとづつ変化させていくっていう、つまりアフリカ音楽に多いミニマル・ミュージックの手法をとっていますよね。同一フレーズの反復も、まずなんたってこの歪んだ音色が心地いいのでそれだけで延々と聴いていて快感だし、ちょっとづつズレていくことでこれまた違ったグルーヴを編み出しています。
親指ピアノの演奏がいったん止まって、打楽器と歌だけになり、ふたたび入ってくるあたりのスリルには本当に背筋がゾックゾクする思いです。この5曲目は28分間以上もあるんですけど、まさしくあっという間に終わってしまうような、そんな気持ちになってしまいます。もっと長く、一時間でも二時間でも、オールナイト・ロッキンしてほしいっていう、そんな感じですね。いやあ、最高にキモチええ〜!
同じコノノ No.1。2曲目のマルタン・メソニエによる再構築も楽しいですよね。ややテンポを落とし重心を低くしてグルーヴ・タイプを変え、そこにエレキ・ギター(?)やビート・ボックスというかデジタルなコンピューター・ビートを付与しています。そのことでやや混沌としている感もある(そこがいいんだけど)コノノ No.1の音楽を聴きやすく整理していますよね。それがいいかどうかは賛否あるでしょうけど、ぼくにはうれしかったですね。
5曲目のオリジナルも2曲目の再構築(いや、同じ音源であるかは不明ですけど)も、コノノ No.1の音楽は最高に激しくダンサブルで、クラブ・ミュージックとしてもカッコイイですよね。実際、世界の DJ 連中が使っているんじゃないでしょうか。名前だけは前々からよく見ていて、実は CD も持っているのに積んでいるだけになっていたコノノ No.1。完全にノックアウトされちゃいましたから、今後はどんどん聴いていきます。
(written 2019.12.13)
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