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2020/02/01

驚異の洗練 〜 チェリナのアーバン・ポップが心地よすぎる

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https://open.spotify.com/album/3HtNWmhwolwjvqAV1RcJZK?si=HGpiet_kRRa-6ck8msLXvQ

 

bunboni さんに教わりました。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2020-01-06

 

もうチェリナに夢中。1月6日以降毎日、それもくりかえしなんども、聴いています。朝に、昼に、日が暮れてから夜に、聴き、目覚めの音楽として、元気を出したいときのエネルギー源として、リラックスしたいときリフレッシュしたいときの伴として、寝る前の入眠剤代りに、聴き、も〜う、これ以上に心地よい、どんなときでもどんな状況でも、どんな心境のときでも、ぴったりフィットするいい音楽って、ほかにないんじゃないでしょうか。もはやゾッコンなんですね。

 

新人チェリナ(エチオピア)の2018年作デビュー作『チェリナ』。アルバムの導入として置かれている1曲目からしてもう雰囲気がいままでのエチオ・ポップとはまったく違いますよね。ひとことにして都会的洗練。やわらかくオーガニックなネオ・ソウル的質感で、ジャジーですらあります。これは心地いい。エチオピアのローカル色はなくて、世界で通用するポップネスを獲得していますよね。ユニヴァーサルなサウンドというか。

 

そういったコットン100%みたいな肌ざわりのよさはアルバム全体を貫いているものなんですね。上の段落で書いたことは、ほぼだいたいアルバム『チェリナ』すべてに当てはまることなんです。bunboni さんは11曲目にだけローカル色ありとおっしゃっていますが、ぼくは節まわしの微妙なニュアンスとしてアルバムの複数箇所にそれを感じています。けれどもほんのかすかな隠し味程度なんですね。通り過ぎ交叉してのちにほんのり漂う香水みたいなものでしょうか。

 

アルバムの曲はたしかにポップ・レゲエみたいなのが多く、こういうのだったら(シリアス・)レゲエが苦手なぼくでも好物ですね。2曲目、3曲目と軽いレゲエ・ビートが続きますが、サウンドのテクスチャーはオーガニック。生演奏行為重視の姿勢がよくわかって、聴いていてとても心地いいですね。チェリナのこのアルバムにおけるレゲエ・ビートは、メッセージを運ぶヴィーヒクルとしてではなくて、あくまで質感のいいやわらかいリズム・スタイルとして使われています。

 

そう、(ヴォーカルをふくめ)サウンドの質感のよさ、心地よさをどこまでも追及しているというのがこのアルバム最大の特長で、楽器はアクースティックやエレクトリックのピアノを多用、クリーン・トーンのエレキ・ギターもやわらかく響き、ビートもひょっとしたら打ち込みじゃなくて演奏ドラムスかもしれません。こういった演奏行為重視の姿勢は、サウンドやヴォーカルの質感ともども、アメリカのネオ・ソウルを強く想起させます。

 

格別な個人的お気に入りは4曲目「Anemogn」。最高に心地いいじゃないですか、このピアノとヴォーカルが。これ、なにも知らないひとに黙って聴かせたら、(何語?と思うかもですけど)ネオ・ソウルだと思うんじゃないですかね。落ち着いたフィーリングでしっとりと歌うチェリナと寄り添うピアノはどこまでもオーガニック。う〜ん、好きだ。こういった都会的洗練がエチオピア・ポップの新人から聴けるようになったんですねえ。

 

ほんのりかすかなエチオピア色を感じないでもない5曲目「Bati」 もかなりいいです。ホーンズも入って、またここでもレゲエはなしですね。都会の街を彷徨っているようなこの曲は、チェリナのソング・ライティングそのものがいいんです。ふわりとやわらかい声の出しかたはアルバムをとおし一貫していますが、パートによっては強く張ったりもしていますね。続く6曲目もたいへんに好みです。

 

こういった4、5、6曲目のレゲエ・ビートをとくに使わないセクションの流れが、いやもちろんアルバム全体がいいですけど、なかでもとくにぼくは大好きでたまらないんですね。レゲエ・ビートはもはやユニヴァーサルなものですけれど、それにチェリナのレゲエ・ビートの用いかたはアフリカの音楽家によくある特定のパターンじゃありませんけれど、それを強調しないこのセクションではいっそう世界に通用する普遍的ポップネスを獲得できているなと感じます。7曲目「Black Bird」 もレゲエなしですね。

 

あれっ、こうやって見てくると、あんがいレゲエ・ビートは使っていない曲も多いですねえ。使ってある曲とで半々くらいでしょうか。その後ふたたびレゲエ・セクションになりますが、やわらかいポップネスは変わらず。エレキ・ギター中心にサウンドを組み立てている9曲目もかなりいいですね。エチオピア色のある11曲目、ダブっぽい音像もある12曲目を経て、ラストまで一息で聴かせる説得力と、時間を忘れさせる快感がチェリナの音楽にはあります。

 

(written 2020.1.15)

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