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2020/01/19

オールド・ジャズ・サンプル&ヒップ・ホップ・ビート 〜 ジャジナフ

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https://open.spotify.com/album/6vegq6LL9m04TDg4QyS06Q?si=IltFh_jCSO63Z3tRMmK9uA

 

タイトルでぜんぶ言っちゃっていますけれども、何者なのかはいまだ知らないジャジナフ(Jazzinuf)、個人?ユニット?プロジェクト?わかりませんが、2016年リリースとなっているアルバム『コーヒー・アンド・シガレッツ』のことを好きになっちゃいました。もうすっかり愛聴中。Spotify でジャジナフをさがすとほかにもたくさんあって、聴いてみたらどれも同趣向。ハード・バップ・ジャズとヒップ・ホップ・ビートを合体させているんですね。

 

21世紀の新世代ジャズでヒップ・ホップ・ビートを使っているものはたくさんあって、もはやあたりまえになっていますが、ジャジナフならではの着眼点は古いハード・バップを持ってこようと思ったところにあります。たぶんそのトラックはぜんぶサンプリングなんでしょう。聴いたことある(ような)ものがそのまま流れてきますからね。1950〜60年代のジャズ・レコードで聴ける演奏をそっくり使っているんだと思います。

 

それにヒップ・ホップ・ビートを混ぜているっていう、このビートはたぶんジャジナフが(コンピューターで)つくっているんでしょうね。それで古いものと新しいものを折衷させているんだと思います。ジャズ演奏そのものはぜんぶサンプリングでまかなうというのはおもしろい発想ですよね。でも聴き慣れた音楽が新しい容貌で出現するので、なかなかの快感ですよ。ひとによっては「名演を冒涜するな!」とか言いそうですけど。

 

サンプリングしてある演奏トラックのサウンドは、ミキシングの際にわざとちょっぴりロー・ファイにし、しかも遠景においているような、そんな感じで小さめの音量で聴こえるように混ぜているのもいいアイデア、いい雰囲気で、ジャジナフの音楽が気持ちよく聴こえる大きな要因ですね。古いジャズ演奏をサンプリングし、ヒップ・ホップ・ビートをつくって付与し、ヴォイスとかほかにもあらたに録音してくっつけてあるかもしれませんが、くわしいことはわかりません。

 

とにかく雰囲気一発の音楽で、真剣に向き合って聴き込むというよりは、なにかの、カフェでとか、バックグラウンド・ミュージックとしてこそうまく気持ちよく聴こえるジャジナフの『コーヒー・アンド・シガレッツ』。軽〜い音楽ですけど、ときどきこういうものもいいんじゃないでしょうか。こういった軽薄な新旧折衷に抵抗のない向きにはちょっとしたオススメかもしれません。

 

(written 2020.1.6)

 

※(1.15 追記)こういう音楽をここ二、三年ほどでローファイ・ヒップ・ホップ、チルホップと呼ぶようになっているようです。今日知りました。

 

※※(1.16 追記)ジャジナフはソウル在住の韓国人のようです。個人のプロジェクト名なのかもしれません。

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