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2020/01/20

音楽とぼくのアスペルガー

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上でベーラ・バルトークとエリック・サティの写真を出しましたけど、ほかにも有名音楽家ではヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトとかそうだったんじゃないかと推測されていますし、大衆音楽界ではたとえば自分でそうかもしれないと告白している Gackt やロビー・ウィリアムズ、あるいはスーザン・ボイルやクレイグ・ニコルズや堀川ひとみ(この三名はそうかもしれないと医者から言われたそう)など、これらの人物に共通するのはアスペルガー症候群だということです。一説によれば人口の約2.5%がこの障害を持つんだそう。クラスに一人いるかいないか程度ですね。

 

ぼくもアスペルガーなんじゃないかと最近疑うというかもはや確信するようになって、このあいだ専門医の診察を受け、間違いなくそうであると明確に診断されました。最新の学説ではアスペルガー症候群は自閉スペクトラム障害(ASD)に包括されているようですので(DSM-5)、自閉スペクトラムと言うのがふさわしいかもしれませんが、ぼくの症状というか特徴はアスペルガーというほうがぴったり来るような気がしています。だから医学的には自閉スペクトラム症と本来なら言うべきところを今日はアスペルガーと書くことにします。

 

アスペルガー症候群の特徴は、端的に言って社会性・コミュニケーション・対人関係能力の欠如と、限定的な強いこだわり、反復行動です。以下箇条書きに具体的な特徴を列挙しておきます。あくまでアスペルガー症候群で知られている一般的特徴ですが、ぼくのことを記述している(ようなもんですから)と思ってご覧ください。

 

・言語や知的な遅れはない、むしろ高い
・視線があいにくく、表情が乏しい
・相手の発言、行動の真意を理解できない
・相手の言動にふくまれる裏の意、皮肉、冗談に気づかない
・相手の発言を文字通りに、ストレートに受けとる
・婉曲表現、遠回しな表現がわからない
・他者の気持ちが理解できない、気づかない
・共感できない
・人に対しての関心をあまり持たない
・察するのが苦手
・空気を読めない
・会話のキャッチボールができず、一方的にしゃべり、演説のようになる
・流れに関係ない自分の話をする
・「仮に」相手の立場だったらと考えることがむずかしい、できない
・相手や周囲との距離がとれない、計れない、わからない
・自分の感情の気付きや理解が苦手
・「適当に」や「もう少し」「多めに」など、日常や仕事上でよく使われる、幅のある表現を受けての判断や対応がむずかしい
・決まったパターンで行動しようとする
・常に予定どおり、ルーティンどおりに行動したい
・そういかないとき、予定外、予想外のことが起きたとき、パニックになったりイライラしたり怒りをおぼえる
・いつもと違う状況に対応できない
・自分なりのやりかたやルールにこだわる
・反復的な動きが多い
・手先が不器用である
・強迫的なところがある
・感覚の過敏さ、鈍感さがある(うるさい場所にいるとイライラしやすい、洋服のタグはチクチクするから切ってしまうなど)
・細部にとらわれてしまい、最後まで物事を遂行することができない
・過去の嫌な場面のことを再体験してイライラしやすい
・かなり年上の人、もしくは年下とつきあい、同年代の友達は少ない、いない
・親しい友人関係を築けない
・興味の対象が限定的
・狭い分野を深く掘り下げる
・好きなことには時間を忘れて没頭する
・記憶力、集中力が高い場合が多い

 

ぼくのばあい、これらがすべてピッタリあてはまり(まるでぼくのことを見ながらだれかが書いたんだというような気分です)、専門医には「戸嶋さんのばあい、かなりひどいかなと思います」と言われました。結果としては社会生活に非常な困難を感じ、対人関係、人間関係がすべてうまくいきませんので、職場でダメ、私生活でもダメで、とても生きづらく感じるんですね。

 

アスペルガー症候群は病気ではなく脳の機能障害で、感情や認知といった部分に関与する脳の異常を生まれつき持っているのが原因とされています。ですから親や教師や周囲の接しかた、育てかたに原因があるんじゃないんです。持って生まれた障害なんですね。アスペルガーは治るようなものじゃないので、生涯にわたりつきあい続けていくもののようですよ。

 

治療できず適切な対処法もなく、ただ理解してもらうしかないアスペルガー症候群ですが、いまでは幼少期(幼稚園に入る前くらい)に親など周囲の大人が気付くことが多いんだそうです。ぼくが生まれたのは1962年。そのころまだアスペルガーやその他近接する発達障害の概念はありませんでした。ぼくのばあい、なんだか変人奇人、かなりやりにくいイヤなやつヘンなやつ、近づかず逃げておこう、といった対応をされることばかりでしたかね。

 

それで友人も恋人もできず、みんながぼくから離れていく、その理由はわからない、と長年ずっとつらい思いをしてきたんですけれども、本格的に精神障害じゃないかと考えるようになったのは2018年9月末のあることがきっかけでした。2019年に入ってから具体的にいろいろ読んだり調べたりするようになって、その後19年12月初旬の広島のホテルの一室でアスペルガー症候群に違いないと確信するにいたり、20年に入ってから専門医のもとを訪れたわけなんですね。

 

上記箇条書きのような特徴を持つ障害ですから、アスペルガー症候群の人間は会社勤めなど通常の職業で生きることはかなりむずかしいでしょう。通常の人間生活を営むだけでも困難があるわけですから。ぼくもいわゆるサラリーマン生活は体験したことがありません。しかしいっぽう音楽や芸能、芸術、スポーツなど、非日常的な特殊能力を軸とする働き、職種であれば、かなり高い成功をおさめることができるばあいもあるようです。ぼくは大学に在籍する英文学の研究者でした。

 

さらに、音楽が好きで、音楽を集中的に聴き(というかだらだら日常的にも聴いていますけど)それについて調べたり考えたりして、整理して、文章を書くということに、自分で言うのもなんですが異常に高い能力を発揮しているのかもしれません。ネット上でおつきあいのある音楽好き、それもかなりのひとでも、ぼくと比較してここまで執着してはいませんからね。プロは除きます。

 

要するにひとりで部屋のなかで取り組むような仕事や趣味であればとても高い能力を発揮することもあるのがアスペルガー症候群の人間です。そのいっぽうで他者との人間関係を築いたり維持したりは不可能で、自分でそうとは気づかないうちに、そのつもりはぜんぜんないのに、人間関係を破壊します。人生をふりかえれば、思い当たることがあまりにも多すぎます。友達もできず異性とも恋愛できず、結婚生活も破綻しました。

 

本を読むのは部屋でひとりでできることだから読書家になったし、そのせいで文章を読んだり書いたりが得意になりました。学校の勉強もひとりでできるので成績はとてもよく学歴も高いです。音楽を聴くのも(たとえコンサート・ホールのような場所ですらも)ひとりで楽しむ趣味ですから、アスペルガーなぼくでも存分に不足なく味わい楽しむことができて、そのおかげで耳が肥え知識が増え、結果、現在に至っているというわけなんですね。

 

この Black Beauty 音楽ブログをはじめたころはこんなことに気付いていなくて、ただ音楽が好きでどんどん聴いては感想をメモしているうちにそのテキスト・ファイルがたくさんたまったので、そのままにしておくのはもったいないかなと思い公開してみようとなっただけです。でもいま考えてみれば、ぼくに向いている趣味行動かもしれないですよね。

 

音楽のことについても、他者と関わりあう部分(ほかのかたのブログのコメントや SNS でのやりとりなど)では失敗しそうになったり実際失敗したりすることがあるんですけど、自分で聴いて書いて公開するだけであればその心配はありません。最近はアスペルガー症候群であるという気づきもあるし診断も受け、そのちょっと前ごろから他者との関係性もちょっぴりマシになってきているかなと思わないでもありません。

 

こういう障害があるんだから、だれとも他人とはうまくやれないんだから、と思って、強く意識し(自へも他へも)心配心、警戒心が働くようになって、あらかじめなにもしない、だれにもなにも言わないように心がけるようになっただけかもしれないですけどね。部屋で音楽を聴くだけ、感想を抱くだけであればどなたにも迷惑はかけないはず。人間関係がどうのこうのといったことはありません。その感想を記した文章をネットで公開するのはちょっとした社会的行為かもしれませんけれども。

 

ともあれだれともかかわりにならないように、だれにも近づかないようにしておかなくちゃいけません、ぼくは。親、兄弟をふくめ他者との関係が持てない人間なんですから。ひとりぼっちだというのはこういった意味なんですね。人間関係はダメです。音楽や文学などフィクション作品で癒されている毎日です。

 

(written 2020.1.17)

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