万華鏡のようなセインムーター2014年盤
http://elsurrecords.com/2019/07/19/sein-moot-tar-auspicious-and-ceremonial-myanmar-orchestra-tunes/
エル・スールに入荷して買ったのが2019年のことだったセインムーター(ミャンマー)の CD アルバム(2014)。これ、アルバム題や曲題がいっさいわからないんですね。だからセインムーターの2014年盤と今日呼びますが、中身はかなりすごいですよ。傑作でしょう。エル・スール HP 記載の原田さんの文章がやや興奮気味なのも納得です。
原田さんによれば、このアルバムが入荷する数年前に YouTube で発見したセインムーターの音楽がとてもすばらしかったそうで、それが収録されたアルバムがあるならぜひほしい、いや売りたい!と強く思ったみたいです。それがひょんなことから叶うことになって今2019年の入荷となったわけですね。その原田さんがお聴きになって惚れちゃったという YouTube 音源がこれ↓
https://www.youtube.com/watch?v=V5rGwGJPCw0&fbclid=IwAR0ckJe5ZvmNsG39CcveZc_na3dTlYAliNavzsqmhHSeVwDNn54E159cSQ8
たしかにこりゃすごいですよね。これは2014年盤の6曲目。いちばん大活躍しているのがやはりセインムーターのパッ・ワインです。パッ・ワインとはミャンマーの環状連太鼓で、音階を演奏できるものです。これホント二つの手で演奏しているとは思えないほどめまぐるしい幻惑的な演奏じゃないですか。高速フレーズを正確無比に叩きこなしていますよね。
この6曲目でセインムーターのパッ・ワイン聴きどころは二回出てきます。中間部でサイン・ワイン(パッ・ワインを中心とするミャンマーの楽団のこと)合奏パートがありますが、その前後ということです。ぼくはセインムーターの CD アルバムをぜんぶで三、四枚持っているんですけど、いつもいつも万華鏡のようなそのめくるめく世界に降参しちゃっています。なかでもこの2014年盤の6曲目は最高じゃないですか。
セインムーターのパッ・ワイン(これがサイン・ワインと呼ばれることも多いので、ややこしいですね)妙技を聴けるという意味では、3曲目もなかなかすごいです。フネー(笛)が大きく聴こえるサイン・ワイン・アンサンブルに引き続き、セインムーターのパッ・ワイン演奏がフィーチャーされていますね。これもかなりの聴きものですよ。
サイン・ワイン楽団のアンサンブルの響きもゴージャスでいいし、パッ・ワインの、セインムーターが超絶技巧を駆使してくりだす音色は、しかしどこかのどかで落ち着けるフィーリング。一度その世界にはまるとなかなか抜け出せないような麻薬のような心地よさがありますね。ものすごい技巧でものすごい演奏を、それとはわからない程度のやわらかいサウンドで聴かせてくれるセインムーターとそのサイン・ワイン楽団。今日話題にした2014年盤はエル・スールでいま再入荷待ちになっていますけど、また入ったらぜひ買って聴いてみてください。トリコになりますよ。
(written 2019.12.23)
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