日曜の昼下がりに 〜 アクースティック・カフェ・インターナショナル
https://open.spotify.com/playlist/37i9dQZF1DX571ttkrxAeN?si=AZOnA5yNR96rN9--O1E4Og
2019年11月に Spotify をブラブラしていて偶然出逢ったプレイリスト "Acoustic Café International"。この出逢いにはきっかけがあって、それは昨年11月初旬にスアド・マシの新作のことを書いたでしょ、そのときにあのアルバムをなんども聴いていたんですよ。あるときやっぱりそれを聴こうと思って Spotify の画面ですぐとなりにプレイリスト『アクースティック・カフェ・インターナショナル』が表示されたってわけです。
実際このプレイリストのカヴァーもスアド・マシですし、スアドのあの2019年作で聴けるようなあんなアクースティック・ミュージックをいろいろ集めてみたというような、そんなプレイリストなんでしょうね。といってもこのプレイリストにはほんのかすかなエレクトリック&エレクトロニック・サウンドも、あくまでサイド・エフェクト的にですけど、使われている曲があります。目立たないですけどね。
それで、この『アクースティック・カフェ・インターナショナル』のいうアクースティックというのは、たぶんギターのことを指しているなと思います。MTV アンプラグドのブーム以後、アクースティック・サウンドといえば生ギターをメインに据えたものっていう認識ができあがったような気がしますし、このプレイリストを流していてもずっとそんなサウンドが流れくるし、間違いないと思うんですね。
しかもこのプレイリスト、ただたんに生音の(ギター・)サウンドを集めたというだけでなく、似通った雰囲気というかムードというか、一定の音楽性で貫かれているなと感じます。それはひとことにしてメランコリーとか哀愁とか、さびしさ、わびしさ、また言い換えれば落ち着きとか静けさといったようなものなんですね。ずっとこれを流していると、まるで日曜の午後のちょっと気怠いムードにひたってカフェでコーヒーを飲んでいるような、そんな気分になりますね。
そう、気怠さ、物憂さ、これですね、このプレイリストにいちばん似合うことばは。アクースティックでそんな曲ばかり選んで一個にまとめたみたいな、そんな感じがします。このプレイリストのカヴァーになっているスアド・マシの最新作『Oumniya』から二曲も選ばれているし(二曲入っているのはスアドだけのはず)、だからスアドのあんな雰囲気を三時間超にわたって聴いているっていうようなムードなんですね。
スアドが二曲と言いましたが、彼女以外でぼくがこのプレイリストで知っていた名前はナターリア・ラフォルカデだけです。ほかは無知にしてぜんぜん知らなかったひとたちばかり。でも見事に雰囲気が揃っている、統一されているんで、この Spotify 公式プレイリスト、選曲者がわかりませんが、音楽のプロってすごいんだなあって思っちゃいますね、真剣に。
Spotify やレーベルなど公式のものでも、私製のものでも、こういったプレイリストってマジになって向き合ってしっかり聴き込むとかいうようなものじゃなくって、部屋のなかやどこかでただ流しながらなんとなくのムードにひたっていればそれでいいものだなと思うんですね。硬派な音楽通のみなさんには受け入れられない聴きかたかもしれないですけど、そういうのも音楽の効用なんですね。
いま北半球では真冬で、日が短くて低くて、暗かったりドンヨリしている時間が長く、だからぼくらの気分までなんとなく沈みがちになってしまうかもしれません(そんなことありません?)。でも音楽でこういったプレイリストを流し聴きして、たとえば日曜の昼下がりになんとなくの雰囲気にひたってブラブラしていれば、かえっていい気分になっていくこともありますよ。
(written 2019.12.24)
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