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2020/01/22

奄美の島唄をやる平田まりな『跡(アシアト)』がとってもいいぞ

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http://elsurrecords.com/2019/12/14/%e5%b9%b3%e7%94%b0%e3%81%be%e3%82%8a%e3%81%aa-%e8%b7%a1/

 

エル・スールのホーム・ページでジャケットを見て、なにかピンとくるものがあって、その勘を信じて買ってみた、平田まりなの『跡(アシアト)』。大正解でした。これはとてもいい音楽です。奄美大島の民謡弾き語りで、平田は三味線+歌。たった25分ほどのデビュー・ミニ・アルバムですけど、すっかり平田のファンになっちゃいました。唯一の残念な点は収録時間が短くて、気持ちよさにひたっていてもあっという間に終わってしまうことだけ。一時間くらいずっと聴いていたいと思わせる音楽ですね。

 

ぼくは奄美の島唄についてはなんにも知らないんで、ただジャケットの雰囲気だけで買って聴いてみたらいいなと思っただけなんで、見当はずれなことも多いと思います。『跡(アシアト)』で平田まりなが弾き語っているのは全六曲。これらは奄美島唄のスタンダード・ナンバーなんですかね。YouTube でいろいろとさがしているとよく出てくるものだから、そんな気がします。平田自身がしゃべっているものも見つかりました。

 

このアルバムでは平田まりなの三味線と歌と、それしか入っていないんですけど、ぼくがまず惚れたのは三味線の音色ですね。音が立っています。立ち上がり(アタック)や粒立ちがとてもいいですよね。これはどんな楽器でも一流奏者に共通する特色なんです。平田自身によれば、奄美ではむかし女性は三味線を弾いてはいけなかった、男だけのものだったそうで、平田のおばあちゃんも三味線はまったく弾かないそうなんですね。だから平田は新世代なんでしょうか。奄美の民謡の世界はなにも知りません。

 

でもアルバムを聴いていたらそんなことは信じられないくらいの三味線の腕前だと思います。YouTube で平田まりなの動画を見ると、外見が沖縄の三線にそっくりなんですけど、三線ではなくあくまで奄美三味線であるとのこと。たしかに音色もちょっと違いますね。とにかく平田の奄美三味線はとても上手いです。一音一音鮮明で、クリアに聴こえ、独特のゆったりしたリズムで心地よく、聴いている側をリラックスさせる癒し効果がありますよね。

 

それは歌についても言えることで、落ち着いたフィーリングのしっとりした歌いかたが心に沁みます。声の色に独特の憂いや哀感があって、平田まりな本人がどんなひとなのかはわかりませんが、歌声には翳りというか、ある種の暗さみたいなものがありますよね。深みというか憂いというか哀感というか。ぼくはそう聴きました。でも YouTube とかで見るふだんしゃべっている平田の姿は正反対のようにも見えるので、音楽っておもしろいというかおそろしいですよね。

 

三味線で細かくフレーズを弾きながら大きくゆったりと乗って、平田まりなはどの曲でも低く歌い出します。まるでさぐっているかのようにはじめると、その後も落ち着いた大人のフィーリングでしっとりと歌い、高音部で声を張る箇所もまじえながら、全体的には島唄それじたいの持つ味を活かすように丁寧につむぎながら声を重ねていくその姿に、ぼくはとても好印象を持ちました。

 

しかもなんだか近寄りがたいイメージじゃなく、身近な普段着感、親近感を持てる音楽で、上で書きましたように平田まりなの『跡(アシアト)』を聴いていると、とてもリラックスできてくつろげるまったりタイムを与えてくれる、そんな快感音楽で、だから25分なんていわず、もっとずっとこの心地よさにひたっていたいと思うんですよね。いやあ、いい音楽です。一時間くらいのアルバムで聴きたい!

 

(written 2020.1.7)

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