« ネオ・ソウル・ミュージック(2)〜 アンジー・ストーン篇 | トップページ | オタクの金の使いみちは、交通費と宿泊費だ 〜 わさみん篇 »

2020/02/05

ネオ・ソウル・ミュージック(3)〜 プリンス『ザ・レインボウ・チルドレン』篇

335ffaf819e54c209adc9e31488ad118

https://open.spotify.com/album/7iikVlTD1TjzDhOJWgUdsc?si=APfYsgcHTjSwR4irS_jG1A

 

ネオ・ソウルは意識してずっと継続的に聴き続けていますけれども、そうするといままであまり意識していなかったことに気付くばあいがあります。今日の話題はプリンスの『ザ・レインボウ・チルドレン』(2001)。いままでにこのブログでもなんどか書いたアルバムですが、これ、ネオ・ソウル作品として聴けるんじゃないですかね。最近そうかもってとらえるようになりました。

 

ネオ・ソウルというより、オーガニック・ソウル、ニュー・クラシック・ソウルと呼ぶほうがふさわしいかもしれないんですが、日本ではネオ・ソウルの呼称が定着する前にそんなふうな表現があったんだそうですね。1990年代半ば〜後半ごろの話でしょうか。オーガニックなんて、『ザ・レインボウ・チルドレン』を形容するのにぴったりなことばじゃないですか。

 

いましっかりこのアルバムを聴きなおすと、最大の印象はジャジーだなということで、しかもかなりゴージャス。ヒップ・ホップからの流入はないと思います。ヒップ・ホップ・ビートが聴けないという点ではいわゆるネオ・ソウルとはすこし違うなと思うんですが、生の楽器演奏を中心に、マシンやコンピューターによる組み立てはほぼなしという、すなわちオーガニック・ソウルであるという点ではプリンスのカタログ中いちばんですね。

 

しかし CD 付属のブックレットを見なおすと、やはり基本的にプリンスひとりの多重録音でこの『ザ・レインボウ・チルドレン』も仕上げているんですね。コーラス陣とホーン陣は他人が参加しているのと、ドラムスは全面的にジョン・ブラックウェルが担当。しかしそれ以外はだいたいプリンスひとりなんです。それでここまでバンド形式の生演奏でやったようなサウンド・テクスチャー、質感、肌ざわり、グルーヴがあるというのはすごいでしょう。

 

そういったような(バンド形式での生演奏行為重視フィール)ことが、このアルバムのジャケット・デザインからも伝わってくるように感じますね。アルバムはストレート・ジャズみたいな1曲目「レインボウ・チルドレン」で幕開けしますが、2「ミューズ 2 ザ・ファラオ」ではやくもネオ・ソウル路線が開花しています。このフィーリングと質感ですよ、コットン100%みたいな、このテクスチャーがネオ・ソウルっぽいです。

 

このアルバムで聴けるメッセージ性、物語性みたいなこと(がかなり強いんですが)は、いっさい無視して今日書いているんですが、やはりネオ・ソウルっぽい3曲目「デジタル・ガーデン」を経て、「ザ・ワーク Pt.1」は以前からぼくの大好きな一曲。これもかなりジャズ演奏っぽくてネオ・ソウルからやや離れているかもしれません。でも好きだぁ〜、この曲。ジョン・ブラックウェルのスネア・ワークも心地いい。

 

その後7「メロウ」、8「1+1+1 イズ 3」もネオ・ソウルっぽいし(後者はソウルというよりファンクに近いけど)、11「シー・ラヴズ・ミー 4 ミー」なんかはどこからどう聴いてもそうじゃないですか。エレキ・ギターやエレピのサウンドが本当に心地よく響き、プリンスもやわらかく歌っています。あ、そうそう、プリンスってファルセットを使うこともかなり多いし、やはりファルセットで歌ったカーティス・メイフィールドのヴォーカルとの共通点はありますよね。カーティスはネオ・ソウルの先祖です。

 

黒人問題を扱った社会派の12「ファミリー・ネイム」だってサウンドだけ聴けばソフトだし、続く13「ジ・エヴァーラスティング・ナウ」は興奮のラテン・ナンバーですけど、その次のアルバム・ラスト「ラスト・ディセンバー」もストレートで raw なエレキ・ギターのサウンドとプリンスの声が心地いいですよね。こういうの、ネオ・ソウルに多いように思います。バック・コーラスの使いかたもまさしく同じで、やはりこのアルバムはプリンス流のネオ・ソウル宣言かもですね。それ以上に歌詞やナレイションでメッセージを強く投げかけているので、わかりにくくなっていますけれども。

 

(written 2020.1.20)

« ネオ・ソウル・ミュージック(2)〜 アンジー・ストーン篇 | トップページ | オタクの金の使いみちは、交通費と宿泊費だ 〜 わさみん篇 »

音楽」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« ネオ・ソウル・ミュージック(2)〜 アンジー・ストーン篇 | トップページ | オタクの金の使いみちは、交通費と宿泊費だ 〜 わさみん篇 »

フォト
2020年4月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    
無料ブログはココログ